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5章 鍛冶屋と勇者の武具
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しおりを挟む加治屋が営んでいる鍛冶屋『加治屋の鍛冶屋』。
そこには幾つもの武器や防具、職業別に様々な武具が店の壁に展示されていた。
その武具達はいずれもこの鍛冶屋に売られて行った物。やむを得ず手放すしかなかった物、
新しく武器を揃える為に資金となった物、冒険家を辞め全て売り払われた物様々な物が集まっている。
そして、そんな始まりの町の近くにある鍛冶屋とは思えない異彩を放つ武具が・・・。
???「たのもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
突然店の扉が勢いよく開かれ、そしてそこには、まだ小学生にも見られる少年が立っていた。
加治屋「・・・何の用だ坊主?まだ朝っぱらなんだから静かに開けてくれよ?」
加治屋は突如現れたの少年に少々不機嫌になりながら問いかけていた。
少年「ここに勇者の装備があると聞いて来た。それを俺に譲ってくれ!もちろんタダとは言わない!
しゅっせばらいでどうだ!?」
加治屋(また・・・めんどくさい事に巻き込まれそうだな・・・。)
そう加治屋が心の中で心底面倒くさそうに、深いため息をつていると・・・。
少年「で・・・あるんだろ?勇者の装備!?どこにあるんだよ?」
加治屋「・・・まず、その事を誰から聞いた?」
少年「・・・飯屋のおっちゃん。おっちゃんがここに勇者の装備があるって言ってたんだよ!」
加治屋(・・・あいつそろそろ出禁にするか。だれに対してもベラベラ喋り過ぎだあいつ・・・。)
少年「で、勇者の装備あるのか無いのか、どっちなんだよ!?」
少年は加治屋がいるカウンターまでズンズン歩いて迫って来た。それが加治屋の不機嫌度を余計に増幅させていた。
加治屋「・・・まるで強盗だな。」
少年「俺は強盗なんかしねぇ!ただしゅっせばらいで貰おうとしてるだけだ!」
加治屋「お前はまず基本的な教養を身に着けてこい。話はそれからだ。
それで出世払いってのをちゃんと調べて来い。今のお前だとそんな事一生不可能だろうがな?」
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