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6章 鍛冶屋の日常
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しおりを挟む徳井「用心?何で・・・用心なんか・・・する必要が?」
加治屋「この世界・・・、誕生して大きな勢力は二分されている。」
徳井「魔王軍と・・・共和国軍だろ?」
加治屋「今は拮抗しているが、その・・・どちらかが崩れたら・・・どうなるよ?」
徳井「・・・どうなるって・・・。そりゃあ良い方と・・・悪い方に分かれるんじゃないのか?
魔王軍が勝ったら世界は壊滅。共和国軍が勝てば世界は安泰。」
そう言いながら徳井は歩く事を放棄していた。
加治屋「大体の奴等はそう考えるだろうな。」
徳井「違うのか?」
加治屋「前にも言っただろ?この世界にはバランスが必要なんだ。偏った正義や悪は、
人によって容易に解釈を変化させる。」
徳井「悪い。何言ってんのかさっぱりわからね。」
加治屋「・・・善意が膨れ上がる。」
徳井「善意?」
加治屋「双方善悪と別れてはいるが、思想はどちらも善意が含まれている。
どちらかが勝てばその善意を膨らませ、それを民へと押し付ける。」
徳井「まさかぁ?そんな事があるとは思えないけどな?」
加治屋「前世の事を思い出してみろ。トップに立つ者達が己の主張を押し付け、
他者の意見を聞かない。己の主張こそが全てだと言い張る。それが社会だった。」
徳井「あぁ・・・、こっちに来てから忘れてたよ・・・。」
加治屋「社会人になれば否応なく襲ってくる。それが国の中枢を担う所でも同じなんだ。」
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