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8章 鍛冶屋と共和国
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しおりを挟む兵士長「だから・・・何だ?それなら、俺より強い方が裏庭にいる。行って・・・確かめてみろ・・・!」
金田「そうか?なら遠慮なく、あんたが慕う騎士団長・・・どれ程の者か、この金田が見定めてやろう。」
そう言って金田は、わざと兵士長に氏名教えて店の中へ入って行った。
兵士長「・・・ん?さっきの男の名前・・・、金田と言ったか・・・。金田・・・。
確か騎士団長が探していた勇者の武具・・・。金田・・・勇・・・。」
兵士長はそこまで口に出した時、全力で止めるべきだと後悔した。
兵士長「何でこんなタイミングで・・・。兵士達や俺が勝てるわけが無かった・・・。」
だがその全てが遅く、身動きの取れない己にはもう何も出来なかった。
・・・・・・・・・・・・
騎士団長「・・・クッ・・・何だ・・・これは?ここまでの重力・・・一体どこから・・・?」
騎士団長は加治屋が頂上にいる崖に手を掛けた途端、体全体に微弱ではあるが負荷がかかるのを感じていた。
そして、徐々に登っては行ったが、その度に負荷が増して来ていた。
騎士団長「・・・おかしい。体には異常は無かったはず。それならこの重力は何だ・・・?」
加治屋「・・・ちょっとやり過ぎじゃないのか?かなり負荷を感じてるみたいだが?」
主「これでもまだ軽い方だ。それにこれ以上の重力をお前には数十分かけていた事もあるんだぞ?」
加治屋「・・・え?もしかして・・・、この崖を登っていた時もか?」
主「随分と体が馴染んでいたみたいだったな?これも長年重力を受けて来た成果って事なんじゃないのか?」
加治屋「・・・いまいちメリットが見つからないんだが・・・?」
そんな会話をしている間も、騎士団長は重力に耐えながら崖をどうにか少しづつ登って来ていた。
騎士団長「・・・ふっ・・・ふっ・・・ふっ・・・。」
そして騎士団長は、ある確信めいた考えに至っていた。
騎士団長「この・・・崖の先・・・、何かが・・・ある・・・。」
主「・・・少々重力を上げ過ぎたか?疑念を持ち始めたぞ。」
加治屋「どうしてくれるんだよこの野郎・・・。」
主「まぁ、お前の方も何か考えが浮かんだんだろ?さっさと準備しておけ。」
加治屋「・・・言われなくても。」
そして・・・。
金田「久々に来たなここにも。」
店の中に入っていた金田は裏庭に姿を現し、その周囲を見渡し始めた。
金田「・・・ん?誰か崖にいないか?あんな重そうな甲冑・・・さっきの奴が言ってた騎士団長か?」
だがその騎士団長は既に金田からかなり離れ、頂上へと達しようとしていた。
金田「あらら・・・。ちょっと遅かったかもな・・・どうしよう?」
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