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8章 鍛冶屋と共和国

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兵士長「・・・貴様・・・何者だ?」


金田「ただのしがない農家だ。ここの店主に用があって来たんだが、この通り襲撃されてしまってね?」


兵士長「襲撃された様には見えないんだが?それに貴様の持っている物、それだけで俺の部下を倒した・・・、

そう思って良いのか?」


金田「不思議には思わないのか?こんな枝切れで大の大人数人を倒せるのかって?」


兵士長「物は使い様だ。・・・だが使う物が枝だとは思いたくは無いな。」


金田「・・・だったら試してみるか?あんた、こいつらよりは強いんだろ?」


兵士長「大事な部下達を倒されたんだ。ただの農家だろうと容赦は出来ないぞ・・・。」


少し怒気を含んだ声で兵士長は腰に差した剣を引き抜いた。


兵士長「・・・俺にもその枝で戦うつもりか?不本意だが、部下の装備を使っても良いが・・・?」 


金田「残念ながら、俺にとってはこの枝が最強の武器なんだよ。それをみすみす捨てると思うか?」


兵士長「そうか・・・、ならばその枝、綺麗に真っ二つにしてくれる!!」


そう言って兵士長は低姿勢の状態で金田に突撃して行った。


金田「・・・威勢だけは立派だな。」


・・・・・・・・・・・・


その頃裏庭では・・・。


騎士団長「ほっ・・・はっ・・・はっ・・・。」


騎士団長は軽くストレッチを始めだし、確実に崖を上って来ると加治屋は確信した。


加治屋「気配を消す能力を身に付けておくんだったな・・・。」


主「どうする?あいつが登って来たらそのまま突き落とすか?」


加治屋「冗談でもそんな事言うんじゃねぇよ。俺はそんな事をするつもりは無い。」


主「それでは話し合いでどうにかするつもりか?散々店の中で時間を使われて、

挙句の果ては裏庭の崖の上に隠れていた。まぁまともに取り合ってくれるかどうか・・・?」


加治屋「ダンジョンは本当に無理なのか?」


主「死ぬ気か?この中へ入ってしまったら私でも制御は出来ない。それにそれ以前に、

私でも予測が出来ない事態が発生する。言った事すら覚えて無いのか?」


加治屋「・・・・・・・・・。」


加治屋は急に黙ってしまい、何かを考え始めてしまった。


主「・・・金田が来るまで、どうにか足止めはしておいてやる、それまでに考えておけ。」


・・・・・・・・・・・・


兵士長「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。何なんだこいつ・・・。」


部下の兵士よりも経験が豊富、様々な戦場を経験していた兵士長。その人物が今、

木の枝を持ったただの農家を前に膝を突き、肩で呼吸をしていた。


金田「兵士達よりはやる様だが、そのレベルだと兵士長が良い所。騎士団長では無いな?」

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