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9章 鍛冶屋とバグ(チート)

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望「・・・どうやら、本当に腑抜けちまったんだねぇ・・・私が辞めた事で不安はあったんだけどね・・・。」


魔王「だがそのお陰で今も魔王軍は存続出来ている。それは感謝しているんだ。

だから、あんたの指示に従って部下に共和国軍がやろうとしている事を世界中に伝えさせた。」


望「あぁ・・・それは感謝しているよ。案外話が通じる魔王だって事もわかった。

・・・それならもう一つ頼みたい事があるんだが?」


魔王「お・・・俺はもう戦う力は無いんだが・・・?」


望「いやそうじゃない。寧ろこの事を聞きに来てたんだが、

あんた達が弱体化してるように見えて我慢できなかった。」


魔王「迷い無しに突っ込んできたんだけど?我慢なんかしてなかっただろ?」


望「・・・あんたの配下の幹部。その中に私の旦那の武器を預かっている奴がいるんだけど、

誰でどこにいるのかわかる?早急に必要になってね・・・うちの旦那が。」


魔王「その事なら聞いている。今あいつは共和国にスパイで潜らせていた。現状芳しくないと判断し、

こちらへ戻って来ている。」


望「どこにいる?来ないならこちらから赴いても良いのだけど?」


魔王「直ぐに呼び出すからそれだけは止めてくれ!」


・・・・・・・・・・・・

 
その頃加治屋と金田はと言うと・・・。


加治屋「・・・・・・・・・。」


金田「・・・・・・・・・。」


2人は黙々と言葉を交わさず、作業に集中していた。


加治屋「・・・なあ?」


金田「・・・何だ?」


加治屋「・・・間に合うと思うか・・・コレ?」


金田「・・・今のままじゃ無理だろうな。あいつ(騎士団長)が時間を稼いでるにしても、

こっちから合図を出さない限り所定の場所へ誘導も出来ん。

そうなると国王に何が狙いなのか感ずかれてしまうかもしれん。」


加治屋「・・・随分と冷静だな?何か秘策でもあるのか?」


金田「・・・俺がお前に譲った武具の効果は覚えているだろ?」


加治屋「装備者の成長速度を早めるだろ?」


金田「あぁそうだ。俺も長年使い続けてわかった効果だったが、つい最近他の効果にも気付いてな。」


加治屋「???」


金田「その効果が今でも俺の中に潜在している・・・って言ったらどう思う?」


加治屋「・・・つまりあの武具の力がそのままお前に移ったって事か?」


金田「そう言う事だな。だがもしかしたら、武具の効果だと思っていた能力が・・・、

実は俺の潜在能力そのものなのかもしれんな・・・。」


加治屋「・・・で、その能力で何をするつもりだ?」


金田「・・・ここの範囲のみ時間を遅くし、通常よりも2倍の速度でここの作業を行っていく。」


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