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9章 鍛冶屋とバグ(チート)
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しおりを挟む騎士団長「・・・幸い、国王が向かっている場所は魔王城と言う事が分かっている。
今は徒歩での移動だが瞬時に転移を行う可能性だってある。」
兵「で・・・では、どうすれば・・・?」
兵士長が伝令に向かった場所には護衛で兵士が1人付いていた。
騎士団長「国王は魔王城の場所を把握していない。だから今は何か地図を頼りに向かっているはずだ。
それにあの余裕とも取れる歩き方、まるで今までのしがらみから抜け出して、
やりたい事を満喫している様に・・・。」
兵「と言う事は、そこまで急ぐ事は無いと・・・?」
騎士団長「国王は意外と気分屋だからな、いつ気が変わるとも限らん。だからどうにかこちらに気を逸らしつつ、
所定の地点まで誘導しなければならない。」
兵「まるで雲を掴むような話ですね・・・。一つのミスが命取りって・・・前世でもこんな経験・・・。」
騎士団長「・・・ここに来ている時点で命の危機に面し、その命を落とした。
藻搔こうにも徐々に命の灯が失われていく事が分かってしまう。感覚としては同じなのかもな・・・。」
兵「今と昔で違うのは・・・、これによって失われる命が自分の命だけではないと言う事ですか・・・?」
騎士団長「・・・まるで大災害だな・・・。あれは当事者で無い者からすれば、
中継のテレビを介して見ているだけで、己には何もできないと無力を痛感するだけだった。
だが・・・、今は俺の行動次第でその大災害を未然に防ぐ事が出来るかもしれない。」
兵「・・・そうですね。やってやりましょう・・・!」
・・・・・・・・・・・・
その頃とある場所では・・・。
???「グ・・・グフッ・・・、や・・・やってくれる・・・。」
望「何だい?元魔王に手も足も出ないなんてね?腑抜けてんじゃないの?」
元勇者の金田の妻、元魔王の望は懐かしき魔王城へ赴き、協力を仰いでいた・・・のは過去の話。
魔王「あんた・・・協力を仰いでおいて・・・、何で組手をしなけりゃならないんだ!?」
望「もしもの事があったらいけないだろ?だから私が直々に稽古を付けてやろうって思っての事だよ!」
魔王軍幹部「まさか、現魔王が元魔王に手も足も出ないなんて・・・。引退した身であの力の差を・・・。」
魔王「いや・・・、俺はあんたが魔王だった時はまだまだ駆け出しだったんだ、それに勝手に引退したもんで、
誰も魔王をやりたがらない・・・、それでなし崩し的に俺が暫定的な魔王に・・・。」
望「それでもそれなりに力はあるみたいだから推されたんだろ?それに自信を持つことが大事なんだけどな?」
魔王「あんたの事を知っている幹部が皆やりたがらなかったんだよ!
とてもじゃないがあれに見合う様な仕事は出来ないって!」
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