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■第1章 元・ガーディアン、現・サラリーマンの帰還
④ 帰路
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結局、神殿で『抑止の秘薬』を手に入れるには寄付が必要で、薬の効き目にも段階があり、寄付の金額によって
良薬から粗悪品まで渡されるという振り幅があるらしい。
エドガーは数種類の秘薬と、黒い布に金の文字で魔法陣が描かれているチョーカーを購入(寄付とは言えない)していた。
チョーカーについてエドガーに聞くと、頸を不意に噛まれて無理矢理、番にならない様にする為の防護品との事。
Ωはαに首を噛まれると番となってしまい、番のαが死ぬ、若しくはαからの番の解消でのみしか解放は無い。
Ωからの番の解消は、出来ない仕組みになっていてΩには不利な状況だ。
チョーカーにエドガーが、何やら術を施していたのを見ていた。
エドガーがバツの悪そうな表情をして、私の首へチョーカーを巻いてくれた。私は礼を述べるとエドガーが気にするなと私の
髪を乱暴に撫で付ける。ふと、エドガーからαの強い匂いがしたが、幸いチョーカーのお陰で微かに眉を顰める程度ではあった。
エドガーが私の表情を誤解したのかボソッと言葉を発する。
「術式を強めてみただけだ…参ったな…」
エドガーの呟きに私はハッとする。
エドガーはαで私はΩ…私は好みではない筈だが、まかり間違って○○な関係になってしまったら…私はエドガーに合わす顔がない…。
エドガーだって脂の乗った盛りだ、可愛いΩとイチャイチャしたいに決まっている。
「エドガー…神殿でΩの保護をしていないか?私はそこでお世話になれば良いと思うのだが…」
「馬鹿を言うな。そんな事したら、たちまちあのクソ女にバレるだろう。もしかしたら…もう報告が行っているかもしれん。
お前がαなら、印象には残らんとは思うけどな…。」
厳ついΩとか印象に残り過ぎだろ…という続きの言葉(恐らく)をエドガーは飲み込んだ。
一般に居るΩの容姿とはかけ離れたΩ…。現に神殿からチョーカーを巻いて出てきた私を怪訝な表情で見る者達が多い。
それは、αだろうがΩだろうが、βだろうが一緒だった。特にαはエドガーを物珍しいだったり、哀れな表情で見ている。
私は怖くてエドガーの表情が見られなかった。
「取り敢えず帰るぞ。話はそれからだ。」
エドガーの言葉に私は頷くだけで言葉を発する事が出来なかった。
結局のところ、私がαだったら…多分、エドガーは私を酒場に連れて飲み明かすつもりだったに違いない。
まさか、Ωだなんて思うか?Ωの容姿は、可愛らしいだったり、中性的だったりの華奢な身体付きが多い。
男性体では、170cm越えていてもギリギリなのに…180cm越えてるだと?…こんなゴツいΩを誰が相手にするんだ?
いやいやいや、待て待て…おかしいぞ。明らかにおかしい。Ωと認識してから何を想像している。
エドガーが変な香水をつけているから悪いんだ。これでは、地球の一部で流行っていたボーイズラブという、男の子がキャッキャウフフ
している世界よりも、濃厚な開けてはいけない扉を開けてしまう的な展開になってしまう。
私が勤めていた会社にも腐女子という趣向の女子が居たが…何時も新人の若い男性社員に絡む様に絡まれていた事もあって
胃が痛い毎日だった。私にそんな趣味は断じてないっ!!
「ほら、着いたぞ。突っ立ってないで入れ。」
エドガー…カッコいいな…。
って、違うっ!違う違うっ!?これはそんなんじゃない。私の思考が完全にどうにかなっているとか、嘘だと言ってくれ。
良薬から粗悪品まで渡されるという振り幅があるらしい。
エドガーは数種類の秘薬と、黒い布に金の文字で魔法陣が描かれているチョーカーを購入(寄付とは言えない)していた。
チョーカーについてエドガーに聞くと、頸を不意に噛まれて無理矢理、番にならない様にする為の防護品との事。
Ωはαに首を噛まれると番となってしまい、番のαが死ぬ、若しくはαからの番の解消でのみしか解放は無い。
Ωからの番の解消は、出来ない仕組みになっていてΩには不利な状況だ。
チョーカーにエドガーが、何やら術を施していたのを見ていた。
エドガーがバツの悪そうな表情をして、私の首へチョーカーを巻いてくれた。私は礼を述べるとエドガーが気にするなと私の
髪を乱暴に撫で付ける。ふと、エドガーからαの強い匂いがしたが、幸いチョーカーのお陰で微かに眉を顰める程度ではあった。
エドガーが私の表情を誤解したのかボソッと言葉を発する。
「術式を強めてみただけだ…参ったな…」
エドガーの呟きに私はハッとする。
エドガーはαで私はΩ…私は好みではない筈だが、まかり間違って○○な関係になってしまったら…私はエドガーに合わす顔がない…。
エドガーだって脂の乗った盛りだ、可愛いΩとイチャイチャしたいに決まっている。
「エドガー…神殿でΩの保護をしていないか?私はそこでお世話になれば良いと思うのだが…」
「馬鹿を言うな。そんな事したら、たちまちあのクソ女にバレるだろう。もしかしたら…もう報告が行っているかもしれん。
お前がαなら、印象には残らんとは思うけどな…。」
厳ついΩとか印象に残り過ぎだろ…という続きの言葉(恐らく)をエドガーは飲み込んだ。
一般に居るΩの容姿とはかけ離れたΩ…。現に神殿からチョーカーを巻いて出てきた私を怪訝な表情で見る者達が多い。
それは、αだろうがΩだろうが、βだろうが一緒だった。特にαはエドガーを物珍しいだったり、哀れな表情で見ている。
私は怖くてエドガーの表情が見られなかった。
「取り敢えず帰るぞ。話はそれからだ。」
エドガーの言葉に私は頷くだけで言葉を発する事が出来なかった。
結局のところ、私がαだったら…多分、エドガーは私を酒場に連れて飲み明かすつもりだったに違いない。
まさか、Ωだなんて思うか?Ωの容姿は、可愛らしいだったり、中性的だったりの華奢な身体付きが多い。
男性体では、170cm越えていてもギリギリなのに…180cm越えてるだと?…こんなゴツいΩを誰が相手にするんだ?
いやいやいや、待て待て…おかしいぞ。明らかにおかしい。Ωと認識してから何を想像している。
エドガーが変な香水をつけているから悪いんだ。これでは、地球の一部で流行っていたボーイズラブという、男の子がキャッキャウフフ
している世界よりも、濃厚な開けてはいけない扉を開けてしまう的な展開になってしまう。
私が勤めていた会社にも腐女子という趣向の女子が居たが…何時も新人の若い男性社員に絡む様に絡まれていた事もあって
胃が痛い毎日だった。私にそんな趣味は断じてないっ!!
「ほら、着いたぞ。突っ立ってないで入れ。」
エドガー…カッコいいな…。
って、違うっ!違う違うっ!?これはそんなんじゃない。私の思考が完全にどうにかなっているとか、嘘だと言ってくれ。
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