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騎士への道のり
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悩んでいる。
自分は王国騎士だ。
子供の頃からの憧れだった。
悪逆な帝国から王の剣となり王国を護り。
民の守護者となり。
綺麗なお姫様と恋に落ちるのだ。
そんな夢物語を本気で信じていたあの頃に現実を教えてやりたい。
「はぁ~…」
子供の頃から剣の練習をした。
悪い頭を必死で働かせて教会で回復魔法を勉強した。
騎士は回復も出来る戦士だ。
努力の甲斐があり、14歳から受けられる王国兵士の募集試験に滑り込めた。
合格して、見習い兵の階級になった。
その後は3ヶ月の訓練という名の脱落者選別、死にそうなシゴキを受けた後に二等兵となった。
村人は二等兵からだが、貴族は村人とは違う。
ちゃんとした訓練を受けた後は従騎士からスタートだ。
金持ち商人の子供などは、献金額次第で、小兵長からなんて奴もいる。
努力した。
雑用は進んでやり、寝る時間も惜しんで仕事を覚えた。
戦闘訓練も倒れるまで行った。
子供の頃からの訓練はアドバンテージになった。
模擬戦では二等兵の中で上位の成績を掴み取った。
一年が過ぎた頃、一等兵に昇格した。
今年の兵士募集試験では試験の手伝いをした。
去年の地獄のシゴキを、今度は見習いに課す側になった。
「走れ! このくらいでへこたれて帝国騎士を倒せるか!」
いや、俺も戦場知らないけどね。
その後、逃げずに残った二等兵を二人付けられ雑用を教え、訓練を共にする。
生意気そうな男と勝ち気な女の二等兵に四苦八苦しながらも、育て上げた。
次の年には一等兵に推薦した。
そんな事を二回繰り返した頃に、小兵長に昇格した。
小兵長は、一等兵三人、二等兵6人の面倒を見る。
自分も入れて、10人の部隊だ。
この年に帝国が辺境の伯爵領に攻め込んだ。
鉱山の利権を取り合い、度々小競り合いが起きている場所だ。
普段なら、領主同士の小競り合いで終わるのだが、今回は違った。
帝国は一万人規模の兵で、あっという間に鉱山を含む地域を占領したのだ。
王国も黙っていない。
戦後の不安定なうちに攻め込み、奪還する為に兵を送る。
一万二千人を集め進軍させた。
騎士二千人、兵士一万人の戦力だ。
騎士は騎馬に乗り、後方で睨みを効かす。
主に戦うのは兵士だ。
騎士は貴重な戦力だ。
なるべく減らしたくないのだろう。
だが、兵士にとって、戦場はチャンスだ。
手取り早く功績を立てて、昇進出来る。
生き残れれば、だが。
自分の小隊は二番目に突撃する大隊に編入された。
大隊は千人規模だ。
初めての戦場で目眩がしそうだ。
しかし、やる事がある。
功績を立てて、自分も生残り、部下も死なせない。
人を殺すのは初めてだが、躊躇わない、と覚悟を決めた。
大兵長が手を振る。
中兵長が声を張る!
「突撃」
部下に告げる。
「行くぞ! 誰も死ぬなよ!」
「いつも通り、3人で一人を相手にしろ」
十人で一塊となり、突っ込んで行く。
先に突撃した大隊は戦いながら、撤退してくる。
どうやら、こちらが押されているらしい。
自分達は左翼の攻撃部隊だ。
本命は右翼らしいので、自分達は左翼を足止め出来れば作戦成功だ。
死物狂いで槍を振り回す。
攻撃を受け止めて、弾き返す。
倒せれば倒す。
部下は三人で一人を狙わせているが、自分なら一人でやれる。
部下を狙っている帝国兵を仕留め、感謝される。
お互いに声をかけ、フォローし合いながら、一塊として戦えている。
良い小隊だ。
調子は良かった。
が、自分の周りしか見れていなかったようだ。
「騎士が横から突っ込んで来たぞ!」
「左の部隊は回頭して備えろ!」
大兵長が指示する。
それを中兵長が伝聞していく。
自分達は右サイドに位置しているのでまだ余裕がある。
目の前の敵に集中しよう。
だが、騎士の騎馬隊は強かった。
こちらの歩兵大隊を突撃で左から右まで突破して行った。
その後にこちらの兵士の多くの死体を残して。
自分の部隊は巻き込まれていないのが不幸中の幸いであったが、大隊はボロボロだ。
撤退の指示が出たので、部下を纏めて戦いながら後ろに下がる。
こちらが引くと、相手は強気になる。
グイグイと攻めてくる。
部下の傷も増えていく。
まだ、誰も死んでないのが奇跡に近い。
配給された槍はもう手元には無い。
重いし、逃げるのに邪魔だからさっき一斉に敵に投げつけてやった。
剣で防御に徹して逃げていると、味方大隊とすれ違った。
突撃三番隊だ。
「助かった」
陣地まで戻れた。
部下を確認すると、死傷者ゼロの快挙だ。
敵兵は自分が五人、部下達が六人仕留めていた。
本当に良い小隊だ。
傷を見てやりながら、回復魔法を使っていく。
本来、回復魔法は従騎士から習うのだが、俺は子供の頃から教会で習っている。
大兵長が見回っている。
「お前、回復魔法が使えるのか?」
「はい。子供の頃に習いました」
「他の部隊で重傷者がいる。見てやってくれ」
その日はそれ以上、自分達の大隊の突撃は無く、俺は魔法力が尽きるまで回復魔法を使い続けた。
その日の夜は戦闘に待機していた部隊が夜回りを担当し、私達は眠れた。
次の日、部隊の再編が行われた。
先日の戦いは酷い損害を出していたようだ。
兵士二百は死亡もしくは戦闘不能。
中兵長一名、小兵長ニ名がその中に含まれる。
「ヴァン小兵長は戦時中兵長として、第二中隊を指揮せよ」
あ、ヴァンは俺の名前だ。
「了解しました!」
中兵長は小兵長十人、一等兵三十人、二等兵六十人を指揮する。
一気に百人の部隊長だ。
(数が多いと把握しきれないよな)
即席の中兵長任官なので、とりあえず小兵長十人を呼び方針を伝える。
「死なない事を最優先として欲しい。生きていれば戦えるからな」
「三人組を作り敵兵一人を相手にしろ。強そうな奴は、俺が相手をする」
慣れない中兵長ではあるが、兵士達からは好評のようだった。
「今度の中兵長、回復魔法使えるってよ」
「生き残れる可能性、ちっとは上がったな」
新任官の中兵長イビリなども無く、何とかなりそうだ。
うちの大隊は先日の戦いで800人程に減っている。
今日は陣地で回復を計りつつ様子を見る予定らしいが、どうなる事か。
案の定、夜に敵が仕掛けてきた。
馬防柵があるので、騎士の突撃は無いだろうが、嫌がらせにしては多い人数だ。
三千人近くは居そうだ。
こちらは陣の中から、弓を浴びせかける。
弓は扱いが難しいので、弓だけを練習した中隊が存在する。
弓兵は300人程だ。
王国では人気が無く、あまり人数は居ない。
それでも、一斉射して矢雨を降らせる。
敵は、射程ギリギリを入ったり出たりを繰り返して、のらりくらりと対処している。
続く停滞に味方の戦意が弛緩してきた。
でもさ、あれ、何かおかしくない?
俺はそう思って、部下に指示を出す。
「周囲を警戒しろ。目の良い奴は陣地の外を良く見てろ!」
嫌な予感て当たるもんだ。
「右の丘から敵が登ってきます!」
やばい!
俺が居るのは陣の端っこ。
正に敵が向かってきている正面だ。
「全員、石を拾え! 合図したら投げつけろ!」
「5、4、3、2、1、投げろ!」
石礫を先頭集団に投げつけた。
百人で投げればそれなりだ。
二十人くらい倒れたか?
「敵兵はおよそ五百」
「大兵長に報告!」
投石で僅かに稼いだ時間で大兵長に報告。
周囲部隊も迎撃の準備が出来た。
陣の柵を盾にして槍を突き入れる。
うちの部隊が最前線となってしまった。
俺も前に出て、槍で仕留める。
部下に被害も出ている。
十人近く倒れているのが横目で確認出来た。
「後方から弓部隊! 火矢です!」
げ!
「周囲に伝達! 水を準備させろ!」
一斉に火矢が放たれた。
前方に注意を集中させておいて、横から密かに接近した部隊が火を放つ。
敵にやられると、嫌な戦法だよ。
敵は火矢を放つと撤退していった。
対応が比較的早かった事もあり、テントが幾つか焼かれた程度の被害で済んだが、俺の部隊は戦死者、負傷者合わせて、戦線離脱が一五名出た。
早期奪還は無理だと判断した上層部は、砦を建造して長期戦に移行する事にしたらしい。
俺は正式に中兵長に昇進した。
砦作成を続け、その間に何度か小競り合いを経験した。
砦が完成した後も、俺の部隊は守備隊に任命された。
三千人が守備隊として残っている。
一年間、勤めあげて遂に交代となった。
引継ぎを済ませ、俺達は王都に帰還する。
一年の間にいろいろとあった。
夜間に奇襲をかけたり、威力偵察で敵部隊を蹴散らしたり。
俺と俺の部隊は功績を重ねていった。
王都に戻り、三日の休日を与えられた。
その後、騎士団支部から呼び出しを受ける。
「ヴァン中兵長、守備の任務ご苦労」
「高い功績を評価され、お前の昇進が決定した」
「お前に問おう。従騎士となり、騎士を目指すか。大兵長となり歩兵大隊の指揮官を目指すか」
「自分は騎士を目指したいであります!」
「良いだろう。貴様は本日付けで従騎士として、第十騎士団への配属を命じる。励めよ」
天にも登る気持ちで、俺は急ぎ挨拶を済ませて第十騎士団に向かった。
騎士団は数字が若い程、精鋭とされる。
一番下の騎士団で、功績を上げた兵士からの成り上がり者が多いのが特徴だ。
だが、俺にはそんな事関係ない。
「ヴァン従騎士、着任致しました!ご指導お願い致します」
俺は騎士団の拠点を守る門番に挨拶した。
「聞いている。そこで待て」
やる気なさそうな騎士が面倒くさそうに報告に行く。
一人の白いマントを身につけた騎士が胸を張って見下すようにヴァンを値踏みしている。
「お前の上官に当たる、騎士オレルアンだ。この掃き溜めにあって、高貴なる男爵の三男である」
「お前のような下賤な者を私に寄越してくるとは、無礼千万であるが、これも仕事だ」
「これからは、洗濯、掃除、馬の世話がお前の仕事だ」
そう言うと時間の無駄とばかりに去っていった。
ヴァンは残った先任従騎士から、雑用を教わっていく。
来る日も来る日も雑用をこなした。
全く訓練はつけて貰えない。
他の騎士に付いた従騎士達は、騎士達と訓練を行なっている。
仕方ないので、疲れた体に鞭を打ち、夜仕事が終わった後に先任従騎士らと訓練した。
従騎士の仕事は騎士の側に侍り、旗を掲げる者、替えの武器を持つ者、騎士の先兵となり戦う者に分けられる。
本来は騎士一人で、小隊と互角と言われる戦力であるが、滅多に戦う事はない。
騎士は貴重で、身分の高い者も多いからだ。
旗持ち、替の武器持ちは従騎士の中では上である。
ヴァンはそれらの知識を他の先兵達から雑用をしながら、夜秘密の訓練をしながら教わっていった。
半年程経過した頃に出撃命令が出される。
ヴァン達が守備していた砦への増援だ。
高山を取り返す為の大規模な作戦が立てられたらしい。
あの砦に戻ってきた。
今回は第四と第六、そして第十騎士団が出撃しており、騎士、従騎士合わせて一千人程と兵士が約一万だ。
砦守備隊と合わせて一万四千人の大戦力だ。
第十とは言え、騎士団だ。
自分達の部隊は後方にあり、兵士達を見渡す立場にあった。
うちの騎士様であるオレルアンもフルプレートメイルを装備して、馬上の人だ。
「お前達は私の為に死ね」
「功績を立て、本来私が居るべき第一騎士団に移るのだからな」
騎士らしくない、自分の出世にしか興味がない言動にイラっとした。
仕え甲斐の無い騎士様だ。
こんな奴は騎士じゃない、と思ったが、今は立場上コイツを守らないといけない。
そうこうしているうちに戦端が開かれた。
兵士達が突撃していく。
何人も倒れては、敵も倒れていく。
安全な所から見ている自分に何故か怒りを感じた。
味方がどんどん倒れていく。
減ってきたので次の大隊を投入する。
まるでゲームだ。
騎士団は動く素振りが見えない。
戦う気が無いのか、武器も下ろしている。
「右翼が崩れてきたな。残り全軍で突破せよ」
第四騎士団長が命令を出す。
この日、王国軍は勝利した。
帝国は撤退し、陣を放棄して後ろに下がった。
追撃戦になり、やっと騎士団が動く。
逃げる敵を馬で追い、倒していく。
オレルアンの馬に走って追いつくのは大変だったが、訓練の賜物で何とか従騎士として仕事は出来たと思う。
しかし、最大戦力の騎士団が追撃戦だけどは勿体ない…しかし、育てるのが大変な騎士を損耗させるのは得策では無いというのは分かるので、なんだかモヤモヤした気持ちを捨てきれない。
ひと段落して王国側も砦に戻り、休息をいれる。
次の日、砦から出て帝国陣の近くに布陣する。
「鉱山は目と鼻の先だ!」
「今日、ここで勝負をつける!」
第四騎士団長の宣言を聞き、気を引き締める。
今日は総力戦になるのだろう。
何としても手柄を立てて、騎士になってやる!
俺は正しい騎士になるんだ、と誓い気合を入れていく。
しかし、やはり騎士団は後方で動かない。
戦っているのは兵士達だ。
思ったより、残敵は少なく五千人程だろうか。
そんなに先日ダメージを与えたのか?
「この戦力差なら、今日の勝ちは間違いない」
「兵士を全員突撃させて、一気に打ち破りましょう」
騎士オレルアンが団長達に発言する。
「その意気や良し。全軍、突撃せよ」
騎士団は動かず、兵士達が全軍で突撃する。
数が倍近い味方が押している。
敵も防御に徹しながら、ジリジリ下がっていく。
まるで何かを待っているように。
嫌な予感がした。
おおおぉぉぉぉ!
雄叫びが聞こえた。
後ろからだ。
「敵? 偵察はどの騎士団の仕事だ? 何やってるんだ!」
どの騎士団も後方確認などしていない。
油断し切っていたのだ。
敵は騎士五百を先頭に突撃してくる。
その後ろには兵士三千人程か。
混戦だ。
一応はオレルアンの先兵が仕事だが、もうそれどころでは無い。
ヴァンは必死で戦う。
ひたすらに集中した。
相手は騎士もしくは自分と同じ従騎士だ。
目の前の相手と槍を合わせる。
徒歩だから従騎士だろう。
しっかりとした構えから、鋭い突きが繰り出される。
ヴァンは槍を合わせると、絡め取るように巻き上げた。
敵の槍が浮く。
槍を手放して剣に持ち替える。
懐に入り装甲の薄い関節を突き刺す。
まず一人。
槍を拾い、次の敵を探す。
オレルアンが騎士と戦っている。
「ヒィ! 早く助けろ!」
貴族の力で騎士になったオレルアンはヴァンから見ても弱い。
帝国の騎士に攻め込まれ、必死で避けながら逃げている。
高価な鎧着てて良かったな。
助けるつもりは無かったが、次の目標をあれに定める。
馬の脚を狙って槍を繰り出す。
オレルアンを追って、見えていなかったのだろう。
見事に脚を突き刺した。
馬が倒れて、騎士が投げ出される。
トドメを刺そうと近寄るが、剣を抜き襲い掛かってきた。
槍を弾き飛ばされる。
何て力だ。
剣を抜き、合わせる。
力負けしている。
相手は実戦を経験している本物だ。
ヴァンは冷汗が背中を伝う。
距離を取る為、後ろに飛ぶ。
お互い正眼に構えをとった。
ヴァンは足を蹴り上げる。
土を巻き上げて目眩しだが、上手くいった。
兵士通しの戦いなら良くある手だが、騎士ともなるとこんな手は使わないらしい。
「卑怯者!」
無茶苦茶に剣を振り回す敵の側面に移動して首を切りつけた。
帝国騎士を討ち取った。
ホッと一息つく。
瞬間、痛みを感じた。
太腿に矢が生えている。
「ぐぅぅぅ!」
出血が激しい。
ヴァンは自分に回復魔法を使った。
傷が塞がり、体力も戻ってくる。
兵士だった頃に散々とこき使われて回復魔法を使っていたので、魔法のレベルがかなり上がっていた。
経験て大事だなと思っていると隣でバタッと音がした。
オレルアンの頭に矢が生えている。
即死だろう。
あまり興味も無く、ヴァンは他の敵を探す。
オレルアンは騎士として、全く尊敬出来なかった。
何でこんなのが騎士なんだろうと毎日思っていた。
ヴァンは直ぐに上官の死を忘れ戦いに集中する。
王国軍は辛うじて勝利した。
多くの騎士に犠牲が出たが、ヴァンは生き残った。
騎士二名、従騎士四名を討ち取る大戦果だった。
王国はついに鉱山を取り戻した。
ヴァンは昇進した。
ついに念願の騎士になったのだ。
フルプレートメイルに白いマントをつけている。
騎士の正式装備だ。
配属はそのまま第十騎士団だ。
同僚となった騎士様達と会話した。
正直、腐ってた。
毎日賭博三昧、金が無くなると街に繰り出し民を襲って金を奪う。
女とみれば、気に入れば見境ない。
騎士団長に訴えようにも、団長自ら金と女を漁っている有様だ。
何度も注意して、会議の議題にも提出して発言する。
ヴァンは孤立し、騎士団の記録係という閑職にに回された。
「これが、騎士か」
ヴァンは悩んでいた。
自分が成りたかった騎士はこんな物だったのか、と。
せっかく苦労して騎士になった。
そして現実を知り抜け殻になってしまった。
その日、辞表を提出し、ヴァンは騎士団去った。
ヴァンも二十二歳となっていた。
他に出来ることもない。
戦いらしかしてこなかった自分には、それしかない。
募集中の傭兵団の門を叩く。
「おう! 兄チャン。応募か?良くきてくれた、歓迎するぜ」
強面の男がニカッと笑う。
「うちは農民出身が多いんだ。行儀の良いヤツは務まらないぜ。」
「良いか、良く聞け! 俺らは弱い者の味方だ! 街を村を民を守るのが目的だ」
「貴族になりてぇなんてヤツは必要無いからな」
「お前は、どっちだ? 民の守護者か、貴族の奴隷か?」
ヴァンから自然に涙が流れる。
「あぁ、俺は民の守護者になりたいんだ、ずっとなりたかったんだ」
遠回りしたヴァンの活躍はここから始まる。
自分は王国騎士だ。
子供の頃からの憧れだった。
悪逆な帝国から王の剣となり王国を護り。
民の守護者となり。
綺麗なお姫様と恋に落ちるのだ。
そんな夢物語を本気で信じていたあの頃に現実を教えてやりたい。
「はぁ~…」
子供の頃から剣の練習をした。
悪い頭を必死で働かせて教会で回復魔法を勉強した。
騎士は回復も出来る戦士だ。
努力の甲斐があり、14歳から受けられる王国兵士の募集試験に滑り込めた。
合格して、見習い兵の階級になった。
その後は3ヶ月の訓練という名の脱落者選別、死にそうなシゴキを受けた後に二等兵となった。
村人は二等兵からだが、貴族は村人とは違う。
ちゃんとした訓練を受けた後は従騎士からスタートだ。
金持ち商人の子供などは、献金額次第で、小兵長からなんて奴もいる。
努力した。
雑用は進んでやり、寝る時間も惜しんで仕事を覚えた。
戦闘訓練も倒れるまで行った。
子供の頃からの訓練はアドバンテージになった。
模擬戦では二等兵の中で上位の成績を掴み取った。
一年が過ぎた頃、一等兵に昇格した。
今年の兵士募集試験では試験の手伝いをした。
去年の地獄のシゴキを、今度は見習いに課す側になった。
「走れ! このくらいでへこたれて帝国騎士を倒せるか!」
いや、俺も戦場知らないけどね。
その後、逃げずに残った二等兵を二人付けられ雑用を教え、訓練を共にする。
生意気そうな男と勝ち気な女の二等兵に四苦八苦しながらも、育て上げた。
次の年には一等兵に推薦した。
そんな事を二回繰り返した頃に、小兵長に昇格した。
小兵長は、一等兵三人、二等兵6人の面倒を見る。
自分も入れて、10人の部隊だ。
この年に帝国が辺境の伯爵領に攻め込んだ。
鉱山の利権を取り合い、度々小競り合いが起きている場所だ。
普段なら、領主同士の小競り合いで終わるのだが、今回は違った。
帝国は一万人規模の兵で、あっという間に鉱山を含む地域を占領したのだ。
王国も黙っていない。
戦後の不安定なうちに攻め込み、奪還する為に兵を送る。
一万二千人を集め進軍させた。
騎士二千人、兵士一万人の戦力だ。
騎士は騎馬に乗り、後方で睨みを効かす。
主に戦うのは兵士だ。
騎士は貴重な戦力だ。
なるべく減らしたくないのだろう。
だが、兵士にとって、戦場はチャンスだ。
手取り早く功績を立てて、昇進出来る。
生き残れれば、だが。
自分の小隊は二番目に突撃する大隊に編入された。
大隊は千人規模だ。
初めての戦場で目眩がしそうだ。
しかし、やる事がある。
功績を立てて、自分も生残り、部下も死なせない。
人を殺すのは初めてだが、躊躇わない、と覚悟を決めた。
大兵長が手を振る。
中兵長が声を張る!
「突撃」
部下に告げる。
「行くぞ! 誰も死ぬなよ!」
「いつも通り、3人で一人を相手にしろ」
十人で一塊となり、突っ込んで行く。
先に突撃した大隊は戦いながら、撤退してくる。
どうやら、こちらが押されているらしい。
自分達は左翼の攻撃部隊だ。
本命は右翼らしいので、自分達は左翼を足止め出来れば作戦成功だ。
死物狂いで槍を振り回す。
攻撃を受け止めて、弾き返す。
倒せれば倒す。
部下は三人で一人を狙わせているが、自分なら一人でやれる。
部下を狙っている帝国兵を仕留め、感謝される。
お互いに声をかけ、フォローし合いながら、一塊として戦えている。
良い小隊だ。
調子は良かった。
が、自分の周りしか見れていなかったようだ。
「騎士が横から突っ込んで来たぞ!」
「左の部隊は回頭して備えろ!」
大兵長が指示する。
それを中兵長が伝聞していく。
自分達は右サイドに位置しているのでまだ余裕がある。
目の前の敵に集中しよう。
だが、騎士の騎馬隊は強かった。
こちらの歩兵大隊を突撃で左から右まで突破して行った。
その後にこちらの兵士の多くの死体を残して。
自分の部隊は巻き込まれていないのが不幸中の幸いであったが、大隊はボロボロだ。
撤退の指示が出たので、部下を纏めて戦いながら後ろに下がる。
こちらが引くと、相手は強気になる。
グイグイと攻めてくる。
部下の傷も増えていく。
まだ、誰も死んでないのが奇跡に近い。
配給された槍はもう手元には無い。
重いし、逃げるのに邪魔だからさっき一斉に敵に投げつけてやった。
剣で防御に徹して逃げていると、味方大隊とすれ違った。
突撃三番隊だ。
「助かった」
陣地まで戻れた。
部下を確認すると、死傷者ゼロの快挙だ。
敵兵は自分が五人、部下達が六人仕留めていた。
本当に良い小隊だ。
傷を見てやりながら、回復魔法を使っていく。
本来、回復魔法は従騎士から習うのだが、俺は子供の頃から教会で習っている。
大兵長が見回っている。
「お前、回復魔法が使えるのか?」
「はい。子供の頃に習いました」
「他の部隊で重傷者がいる。見てやってくれ」
その日はそれ以上、自分達の大隊の突撃は無く、俺は魔法力が尽きるまで回復魔法を使い続けた。
その日の夜は戦闘に待機していた部隊が夜回りを担当し、私達は眠れた。
次の日、部隊の再編が行われた。
先日の戦いは酷い損害を出していたようだ。
兵士二百は死亡もしくは戦闘不能。
中兵長一名、小兵長ニ名がその中に含まれる。
「ヴァン小兵長は戦時中兵長として、第二中隊を指揮せよ」
あ、ヴァンは俺の名前だ。
「了解しました!」
中兵長は小兵長十人、一等兵三十人、二等兵六十人を指揮する。
一気に百人の部隊長だ。
(数が多いと把握しきれないよな)
即席の中兵長任官なので、とりあえず小兵長十人を呼び方針を伝える。
「死なない事を最優先として欲しい。生きていれば戦えるからな」
「三人組を作り敵兵一人を相手にしろ。強そうな奴は、俺が相手をする」
慣れない中兵長ではあるが、兵士達からは好評のようだった。
「今度の中兵長、回復魔法使えるってよ」
「生き残れる可能性、ちっとは上がったな」
新任官の中兵長イビリなども無く、何とかなりそうだ。
うちの大隊は先日の戦いで800人程に減っている。
今日は陣地で回復を計りつつ様子を見る予定らしいが、どうなる事か。
案の定、夜に敵が仕掛けてきた。
馬防柵があるので、騎士の突撃は無いだろうが、嫌がらせにしては多い人数だ。
三千人近くは居そうだ。
こちらは陣の中から、弓を浴びせかける。
弓は扱いが難しいので、弓だけを練習した中隊が存在する。
弓兵は300人程だ。
王国では人気が無く、あまり人数は居ない。
それでも、一斉射して矢雨を降らせる。
敵は、射程ギリギリを入ったり出たりを繰り返して、のらりくらりと対処している。
続く停滞に味方の戦意が弛緩してきた。
でもさ、あれ、何かおかしくない?
俺はそう思って、部下に指示を出す。
「周囲を警戒しろ。目の良い奴は陣地の外を良く見てろ!」
嫌な予感て当たるもんだ。
「右の丘から敵が登ってきます!」
やばい!
俺が居るのは陣の端っこ。
正に敵が向かってきている正面だ。
「全員、石を拾え! 合図したら投げつけろ!」
「5、4、3、2、1、投げろ!」
石礫を先頭集団に投げつけた。
百人で投げればそれなりだ。
二十人くらい倒れたか?
「敵兵はおよそ五百」
「大兵長に報告!」
投石で僅かに稼いだ時間で大兵長に報告。
周囲部隊も迎撃の準備が出来た。
陣の柵を盾にして槍を突き入れる。
うちの部隊が最前線となってしまった。
俺も前に出て、槍で仕留める。
部下に被害も出ている。
十人近く倒れているのが横目で確認出来た。
「後方から弓部隊! 火矢です!」
げ!
「周囲に伝達! 水を準備させろ!」
一斉に火矢が放たれた。
前方に注意を集中させておいて、横から密かに接近した部隊が火を放つ。
敵にやられると、嫌な戦法だよ。
敵は火矢を放つと撤退していった。
対応が比較的早かった事もあり、テントが幾つか焼かれた程度の被害で済んだが、俺の部隊は戦死者、負傷者合わせて、戦線離脱が一五名出た。
早期奪還は無理だと判断した上層部は、砦を建造して長期戦に移行する事にしたらしい。
俺は正式に中兵長に昇進した。
砦作成を続け、その間に何度か小競り合いを経験した。
砦が完成した後も、俺の部隊は守備隊に任命された。
三千人が守備隊として残っている。
一年間、勤めあげて遂に交代となった。
引継ぎを済ませ、俺達は王都に帰還する。
一年の間にいろいろとあった。
夜間に奇襲をかけたり、威力偵察で敵部隊を蹴散らしたり。
俺と俺の部隊は功績を重ねていった。
王都に戻り、三日の休日を与えられた。
その後、騎士団支部から呼び出しを受ける。
「ヴァン中兵長、守備の任務ご苦労」
「高い功績を評価され、お前の昇進が決定した」
「お前に問おう。従騎士となり、騎士を目指すか。大兵長となり歩兵大隊の指揮官を目指すか」
「自分は騎士を目指したいであります!」
「良いだろう。貴様は本日付けで従騎士として、第十騎士団への配属を命じる。励めよ」
天にも登る気持ちで、俺は急ぎ挨拶を済ませて第十騎士団に向かった。
騎士団は数字が若い程、精鋭とされる。
一番下の騎士団で、功績を上げた兵士からの成り上がり者が多いのが特徴だ。
だが、俺にはそんな事関係ない。
「ヴァン従騎士、着任致しました!ご指導お願い致します」
俺は騎士団の拠点を守る門番に挨拶した。
「聞いている。そこで待て」
やる気なさそうな騎士が面倒くさそうに報告に行く。
一人の白いマントを身につけた騎士が胸を張って見下すようにヴァンを値踏みしている。
「お前の上官に当たる、騎士オレルアンだ。この掃き溜めにあって、高貴なる男爵の三男である」
「お前のような下賤な者を私に寄越してくるとは、無礼千万であるが、これも仕事だ」
「これからは、洗濯、掃除、馬の世話がお前の仕事だ」
そう言うと時間の無駄とばかりに去っていった。
ヴァンは残った先任従騎士から、雑用を教わっていく。
来る日も来る日も雑用をこなした。
全く訓練はつけて貰えない。
他の騎士に付いた従騎士達は、騎士達と訓練を行なっている。
仕方ないので、疲れた体に鞭を打ち、夜仕事が終わった後に先任従騎士らと訓練した。
従騎士の仕事は騎士の側に侍り、旗を掲げる者、替えの武器を持つ者、騎士の先兵となり戦う者に分けられる。
本来は騎士一人で、小隊と互角と言われる戦力であるが、滅多に戦う事はない。
騎士は貴重で、身分の高い者も多いからだ。
旗持ち、替の武器持ちは従騎士の中では上である。
ヴァンはそれらの知識を他の先兵達から雑用をしながら、夜秘密の訓練をしながら教わっていった。
半年程経過した頃に出撃命令が出される。
ヴァン達が守備していた砦への増援だ。
高山を取り返す為の大規模な作戦が立てられたらしい。
あの砦に戻ってきた。
今回は第四と第六、そして第十騎士団が出撃しており、騎士、従騎士合わせて一千人程と兵士が約一万だ。
砦守備隊と合わせて一万四千人の大戦力だ。
第十とは言え、騎士団だ。
自分達の部隊は後方にあり、兵士達を見渡す立場にあった。
うちの騎士様であるオレルアンもフルプレートメイルを装備して、馬上の人だ。
「お前達は私の為に死ね」
「功績を立て、本来私が居るべき第一騎士団に移るのだからな」
騎士らしくない、自分の出世にしか興味がない言動にイラっとした。
仕え甲斐の無い騎士様だ。
こんな奴は騎士じゃない、と思ったが、今は立場上コイツを守らないといけない。
そうこうしているうちに戦端が開かれた。
兵士達が突撃していく。
何人も倒れては、敵も倒れていく。
安全な所から見ている自分に何故か怒りを感じた。
味方がどんどん倒れていく。
減ってきたので次の大隊を投入する。
まるでゲームだ。
騎士団は動く素振りが見えない。
戦う気が無いのか、武器も下ろしている。
「右翼が崩れてきたな。残り全軍で突破せよ」
第四騎士団長が命令を出す。
この日、王国軍は勝利した。
帝国は撤退し、陣を放棄して後ろに下がった。
追撃戦になり、やっと騎士団が動く。
逃げる敵を馬で追い、倒していく。
オレルアンの馬に走って追いつくのは大変だったが、訓練の賜物で何とか従騎士として仕事は出来たと思う。
しかし、最大戦力の騎士団が追撃戦だけどは勿体ない…しかし、育てるのが大変な騎士を損耗させるのは得策では無いというのは分かるので、なんだかモヤモヤした気持ちを捨てきれない。
ひと段落して王国側も砦に戻り、休息をいれる。
次の日、砦から出て帝国陣の近くに布陣する。
「鉱山は目と鼻の先だ!」
「今日、ここで勝負をつける!」
第四騎士団長の宣言を聞き、気を引き締める。
今日は総力戦になるのだろう。
何としても手柄を立てて、騎士になってやる!
俺は正しい騎士になるんだ、と誓い気合を入れていく。
しかし、やはり騎士団は後方で動かない。
戦っているのは兵士達だ。
思ったより、残敵は少なく五千人程だろうか。
そんなに先日ダメージを与えたのか?
「この戦力差なら、今日の勝ちは間違いない」
「兵士を全員突撃させて、一気に打ち破りましょう」
騎士オレルアンが団長達に発言する。
「その意気や良し。全軍、突撃せよ」
騎士団は動かず、兵士達が全軍で突撃する。
数が倍近い味方が押している。
敵も防御に徹しながら、ジリジリ下がっていく。
まるで何かを待っているように。
嫌な予感がした。
おおおぉぉぉぉ!
雄叫びが聞こえた。
後ろからだ。
「敵? 偵察はどの騎士団の仕事だ? 何やってるんだ!」
どの騎士団も後方確認などしていない。
油断し切っていたのだ。
敵は騎士五百を先頭に突撃してくる。
その後ろには兵士三千人程か。
混戦だ。
一応はオレルアンの先兵が仕事だが、もうそれどころでは無い。
ヴァンは必死で戦う。
ひたすらに集中した。
相手は騎士もしくは自分と同じ従騎士だ。
目の前の相手と槍を合わせる。
徒歩だから従騎士だろう。
しっかりとした構えから、鋭い突きが繰り出される。
ヴァンは槍を合わせると、絡め取るように巻き上げた。
敵の槍が浮く。
槍を手放して剣に持ち替える。
懐に入り装甲の薄い関節を突き刺す。
まず一人。
槍を拾い、次の敵を探す。
オレルアンが騎士と戦っている。
「ヒィ! 早く助けろ!」
貴族の力で騎士になったオレルアンはヴァンから見ても弱い。
帝国の騎士に攻め込まれ、必死で避けながら逃げている。
高価な鎧着てて良かったな。
助けるつもりは無かったが、次の目標をあれに定める。
馬の脚を狙って槍を繰り出す。
オレルアンを追って、見えていなかったのだろう。
見事に脚を突き刺した。
馬が倒れて、騎士が投げ出される。
トドメを刺そうと近寄るが、剣を抜き襲い掛かってきた。
槍を弾き飛ばされる。
何て力だ。
剣を抜き、合わせる。
力負けしている。
相手は実戦を経験している本物だ。
ヴァンは冷汗が背中を伝う。
距離を取る為、後ろに飛ぶ。
お互い正眼に構えをとった。
ヴァンは足を蹴り上げる。
土を巻き上げて目眩しだが、上手くいった。
兵士通しの戦いなら良くある手だが、騎士ともなるとこんな手は使わないらしい。
「卑怯者!」
無茶苦茶に剣を振り回す敵の側面に移動して首を切りつけた。
帝国騎士を討ち取った。
ホッと一息つく。
瞬間、痛みを感じた。
太腿に矢が生えている。
「ぐぅぅぅ!」
出血が激しい。
ヴァンは自分に回復魔法を使った。
傷が塞がり、体力も戻ってくる。
兵士だった頃に散々とこき使われて回復魔法を使っていたので、魔法のレベルがかなり上がっていた。
経験て大事だなと思っていると隣でバタッと音がした。
オレルアンの頭に矢が生えている。
即死だろう。
あまり興味も無く、ヴァンは他の敵を探す。
オレルアンは騎士として、全く尊敬出来なかった。
何でこんなのが騎士なんだろうと毎日思っていた。
ヴァンは直ぐに上官の死を忘れ戦いに集中する。
王国軍は辛うじて勝利した。
多くの騎士に犠牲が出たが、ヴァンは生き残った。
騎士二名、従騎士四名を討ち取る大戦果だった。
王国はついに鉱山を取り戻した。
ヴァンは昇進した。
ついに念願の騎士になったのだ。
フルプレートメイルに白いマントをつけている。
騎士の正式装備だ。
配属はそのまま第十騎士団だ。
同僚となった騎士様達と会話した。
正直、腐ってた。
毎日賭博三昧、金が無くなると街に繰り出し民を襲って金を奪う。
女とみれば、気に入れば見境ない。
騎士団長に訴えようにも、団長自ら金と女を漁っている有様だ。
何度も注意して、会議の議題にも提出して発言する。
ヴァンは孤立し、騎士団の記録係という閑職にに回された。
「これが、騎士か」
ヴァンは悩んでいた。
自分が成りたかった騎士はこんな物だったのか、と。
せっかく苦労して騎士になった。
そして現実を知り抜け殻になってしまった。
その日、辞表を提出し、ヴァンは騎士団去った。
ヴァンも二十二歳となっていた。
他に出来ることもない。
戦いらしかしてこなかった自分には、それしかない。
募集中の傭兵団の門を叩く。
「おう! 兄チャン。応募か?良くきてくれた、歓迎するぜ」
強面の男がニカッと笑う。
「うちは農民出身が多いんだ。行儀の良いヤツは務まらないぜ。」
「良いか、良く聞け! 俺らは弱い者の味方だ! 街を村を民を守るのが目的だ」
「貴族になりてぇなんてヤツは必要無いからな」
「お前は、どっちだ? 民の守護者か、貴族の奴隷か?」
ヴァンから自然に涙が流れる。
「あぁ、俺は民の守護者になりたいんだ、ずっとなりたかったんだ」
遠回りしたヴァンの活躍はここから始まる。
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