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シャボン玉
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「ビーチボール?」
いきなりすぎる宇宙の質問に、希更は聞き返した。
「夏、置いてあったよね?そこらへんに。キラキラしたヤツ。」
宇宙は、椅子の上、体を伸び上がらせて、店の方を見る。
胸元までファスナーを開けた黒いジャージの中では、ネコが眠っていた。
ネコ、好きなのかな…
宇宙が、ネコのプリントTシャツを、今日も着ていることに、笙悧は、そう思う。
「あったね。今は、物置だよ」
希更が答えると、宇宙は立ち上がった。カップを取り上げ、コーヒーの残りを飲み干すと、言った。
「勝手に探していい?」
「どうぞ」
宇宙は、イートインスペースを出て、階段を上って行く。
笙悧は思い切って、希更に聞いてみた。
「宇宙さんの足は、本当にだいじょうぶなんですか?」
「ああ、うん。日常生活はね。気にしなくていいよ。普通に、走り回ってるし。」
希更は、くるくる、下向きに人差し指を回してみせる。そして、店の方へと視線を向けた。
誰か来たのかと、笙悧は振り返って見る。
店の前は、人が行き交っている。
「うちの前、松葉杖ついて、病院に通ってた時は、『いつ、死んでやろうか』って顔してた」
「えっ」
瞳を見開いて笙悧は、向き直った。
遠い瞳をした希更は、頬杖をつく。
「それでね、巌くんが、呼び止めたんだよね。ギターなら、足が動かなくても、弾けるじゃない?」
希更は、イートインスペースの、日焼けして微かに黄ばんだ壁の、ところどころ、白く残った跡を眺める。
「北部の人は知らないかもだけど、J2のチームがあってね。サッカーチーム。宇宙は、そこの選手だったんだ。巌くん、サッカー、好きだから、見てて、こっちは、一方的に知ってた」
壁には、チームのペナントやユニフォームを飾っていた。
宇宙を、この店に招き入れてからは、巌が剥がした。
「一度、ケガは治って、チームに復帰したんだけど、すぐにまた、同じところ、故障してね。やっぱり、普通に走ったりするのとは、とんでもないからね、サッカーしてる時は。」
希更は、ふう…と、ため息をついて、コーヒーを飲んだ。
「また治って、チームに復帰したけど、一年、保ったかな?どうだったかな?また、同じところ、故障しちゃって。」
窓から、変拍子の、電車が線路を走る音が聴こえる。
「そうなんですか」
希更の長い沈黙の後、笙悧は、それしか言えなかった。
サッカーチームがあることも、笙悧は知らなかった。
希更がいきなり、ずいっと、笙悧に向かって、顔を突き出した、キラキラ、瞳を輝かせて。
「こっちが秘密を明かしたところで、笙悧くんにも、お聞きしたいことがあります」
「……何ですか?」
笙悧は怯えた瞳で見返す。
宇宙の秘密を聞いてしまった以上、何を聞かれても、答えなきゃいけないことを、笙悧は覚悟した。
「この前、いらっしゃった『お兄ちゃん』と、笙悧くん、お付き合いしてるの?」
「っ」
息を飲み、みるみる赤くなってゆく笙悧の顔を見れば、答えを聞く必要もなかった。
「そうかぁ…」
希更は、椅子の背もたれに、寄り掛かった。
宇宙が階段を下りて来る足音が聞こえた。
思わず笙悧は、足音の方を見上げて、口をぱくぱくする。
今の、聞かれた?!
階段を下りて来た宇宙は、大きなシャボン玉を抱えていた。
抱えていた両腕を開くと、シャボン玉が落ち、床に落ちて、ふわりと弾んで、浮かび上がった。
ちがう。
宇宙が、足の甲で蹴り上げたのだ。
宇宙は、左膝、右膝で、ぽんぽん、シャボン玉を――オーロラ色のビーチボールを弾ませた。
とてもケガをしているとは思えない、軽やかなリズムだった。
宇宙は、額に、ぴたっと、ビーチボールを乗せると、そのまま、バランスを取りながら、店の方へ歩いて行く。
「店の中で、ボール遊びしちゃ、メッ!」
希更が本気では怒っていない声で言って、げんこつを上げる。
「当たっても、ぽよ~んだから、だいじょうぶ。」
宇宙は、アップライトピアノの長椅子の前、ぽーんっと、ヘディングで高く上げて、天井に当て、返って来たビーチボールを、またヘディングで高く上げて、天井に当てて、
「壁当てじゃなく、天井当て…」
希更があきれる。
笙悧は見とれていた。
触れば、瞬間に割れてしまうシャボン玉に、絶対に割れない魔法をかけて、宇宙が遊んでるみたいに見えた。
「笙悧くん」
「えっ?」
「バカ!宇宙!」
希更が声を上げた瞬間には、シャボン玉が笙悧に向かって、宇宙が振り抜いた左足から真っすぐに蹴り込まれていた。
ふわっと、風が笙悧に押し寄せ、次の瞬間、ビーチボールは、笙悧のすぐ隣、宇宙が座っていた椅子の背もたれに、パチッと音を立てて当たって、跳ね返った。
跳ね返ったビーチボールを、宇宙は上げた右膝の内側で受けて、ぽふんと、足元に落とした。
「店内で、ボール遊び、メッ!!宇宙。ふざけるのも、いい加減にしなさい」
希更は立ち上がって、本気で怒る。
「俺は、音楽的なこと、何にもわかんないから、サッカーに、たとえるしかできない」
宇宙は、笙悧に向かって言う。
「今の、真っすぐに、ボール、行っただろ?」
笙悧は、うんうん、うなずいた。
サッカーなんて、まともに見たこともない。体育の授業で、やったことがあるだけだ。詳しいルールも、よくわからない。だけど、目の前で見た、宇宙が蹴ったボールは、何か、とにかく、凄かった。
「でも、笙悧くんには届かなかった」
笙悧は、うなずく。
「笙悧くんのピアノと、俺が歌うの、合わないなぁってゆーのは、今の感じなんだよね。笙悧くんが、真っすぐに、ボール、蹴ってくれてるのはわかる。けど、俺にパスが通んない感じ」
宇宙の言葉に、笙悧は、うつむき、膝の上、ぎゅっと両手を握り締めた。
やっぱり、ぼくの演奏じゃダメなんだ。
「ごめんなさい」
「笙悧くんが謝ることじゃない。笙悧くんが悪いなんて言ってない。笙悧くんのパスを受けられない俺も悪い。むしろ、俺の修正点、教えて欲しいんだよ。音楽のこと、俺は、わかんないから。」
「宇宙さんが悪いところなんて、何もありません」
うつむいたまま、笙悧は言った。
あの歌声と、自分が弾くピアノを響き合わせてみたいなんて、思っちゃいけなかった。
ぼくは――ピアノを弾いちゃいけないんだから。
「笙悧」
宇宙に、名前を呼び捨てで呼ばれて、笙悧は顔を上げた。
真っすぐな眼差しに、貫かれる。
「俺の名前、呼び捨てでいいよ。敬語も無し。言いたいこと言うのに、さん付けで、敬語なんて言いづらいだろ」
「言いたいことなんて…」
「うぷぷ」
二人の会話の邪魔にならないように、そーっと椅子に座って、黙って聞いていた希更は、笑ってしまった。
「ほんと、宇宙の思考って、体育会系だよね~」
そう言いながら希更は、自分の頭の上で、人差し指をくるくる回して、ぱあ~っと、大きく手のひらを開いた。
「今の!くるくるぱーって、した!!」
宇宙が指差して叫ぶ。
「笙悧くんも、そーゆー考え方に、ちょっと乗っかってみれば?」
希更を、笙悧は振り返って見た。
希更は、自分の頭の上で、人差し指をぐるぐる、回してみせる。
「笙悧くんの頭の中、ぐるぐるしてること、そのまんま、敬語なしで言ってみなよ、宇宙を呼び捨てにして。」
笙悧は向き直った。
「宇宙」
「うん」
宇宙は返事をして、ビーチボールを足元から、ふわりと蹴り上げて抱えると、イートインコーナーに歩いて来る。
笙悧は、隣の椅子に宇宙が座るのを待って、言った。
「Ωは、ピアノを弾いちゃいけないんだ」
いきなりすぎる宇宙の質問に、希更は聞き返した。
「夏、置いてあったよね?そこらへんに。キラキラしたヤツ。」
宇宙は、椅子の上、体を伸び上がらせて、店の方を見る。
胸元までファスナーを開けた黒いジャージの中では、ネコが眠っていた。
ネコ、好きなのかな…
宇宙が、ネコのプリントTシャツを、今日も着ていることに、笙悧は、そう思う。
「あったね。今は、物置だよ」
希更が答えると、宇宙は立ち上がった。カップを取り上げ、コーヒーの残りを飲み干すと、言った。
「勝手に探していい?」
「どうぞ」
宇宙は、イートインスペースを出て、階段を上って行く。
笙悧は思い切って、希更に聞いてみた。
「宇宙さんの足は、本当にだいじょうぶなんですか?」
「ああ、うん。日常生活はね。気にしなくていいよ。普通に、走り回ってるし。」
希更は、くるくる、下向きに人差し指を回してみせる。そして、店の方へと視線を向けた。
誰か来たのかと、笙悧は振り返って見る。
店の前は、人が行き交っている。
「うちの前、松葉杖ついて、病院に通ってた時は、『いつ、死んでやろうか』って顔してた」
「えっ」
瞳を見開いて笙悧は、向き直った。
遠い瞳をした希更は、頬杖をつく。
「それでね、巌くんが、呼び止めたんだよね。ギターなら、足が動かなくても、弾けるじゃない?」
希更は、イートインスペースの、日焼けして微かに黄ばんだ壁の、ところどころ、白く残った跡を眺める。
「北部の人は知らないかもだけど、J2のチームがあってね。サッカーチーム。宇宙は、そこの選手だったんだ。巌くん、サッカー、好きだから、見てて、こっちは、一方的に知ってた」
壁には、チームのペナントやユニフォームを飾っていた。
宇宙を、この店に招き入れてからは、巌が剥がした。
「一度、ケガは治って、チームに復帰したんだけど、すぐにまた、同じところ、故障してね。やっぱり、普通に走ったりするのとは、とんでもないからね、サッカーしてる時は。」
希更は、ふう…と、ため息をついて、コーヒーを飲んだ。
「また治って、チームに復帰したけど、一年、保ったかな?どうだったかな?また、同じところ、故障しちゃって。」
窓から、変拍子の、電車が線路を走る音が聴こえる。
「そうなんですか」
希更の長い沈黙の後、笙悧は、それしか言えなかった。
サッカーチームがあることも、笙悧は知らなかった。
希更がいきなり、ずいっと、笙悧に向かって、顔を突き出した、キラキラ、瞳を輝かせて。
「こっちが秘密を明かしたところで、笙悧くんにも、お聞きしたいことがあります」
「……何ですか?」
笙悧は怯えた瞳で見返す。
宇宙の秘密を聞いてしまった以上、何を聞かれても、答えなきゃいけないことを、笙悧は覚悟した。
「この前、いらっしゃった『お兄ちゃん』と、笙悧くん、お付き合いしてるの?」
「っ」
息を飲み、みるみる赤くなってゆく笙悧の顔を見れば、答えを聞く必要もなかった。
「そうかぁ…」
希更は、椅子の背もたれに、寄り掛かった。
宇宙が階段を下りて来る足音が聞こえた。
思わず笙悧は、足音の方を見上げて、口をぱくぱくする。
今の、聞かれた?!
階段を下りて来た宇宙は、大きなシャボン玉を抱えていた。
抱えていた両腕を開くと、シャボン玉が落ち、床に落ちて、ふわりと弾んで、浮かび上がった。
ちがう。
宇宙が、足の甲で蹴り上げたのだ。
宇宙は、左膝、右膝で、ぽんぽん、シャボン玉を――オーロラ色のビーチボールを弾ませた。
とてもケガをしているとは思えない、軽やかなリズムだった。
宇宙は、額に、ぴたっと、ビーチボールを乗せると、そのまま、バランスを取りながら、店の方へ歩いて行く。
「店の中で、ボール遊びしちゃ、メッ!」
希更が本気では怒っていない声で言って、げんこつを上げる。
「当たっても、ぽよ~んだから、だいじょうぶ。」
宇宙は、アップライトピアノの長椅子の前、ぽーんっと、ヘディングで高く上げて、天井に当て、返って来たビーチボールを、またヘディングで高く上げて、天井に当てて、
「壁当てじゃなく、天井当て…」
希更があきれる。
笙悧は見とれていた。
触れば、瞬間に割れてしまうシャボン玉に、絶対に割れない魔法をかけて、宇宙が遊んでるみたいに見えた。
「笙悧くん」
「えっ?」
「バカ!宇宙!」
希更が声を上げた瞬間には、シャボン玉が笙悧に向かって、宇宙が振り抜いた左足から真っすぐに蹴り込まれていた。
ふわっと、風が笙悧に押し寄せ、次の瞬間、ビーチボールは、笙悧のすぐ隣、宇宙が座っていた椅子の背もたれに、パチッと音を立てて当たって、跳ね返った。
跳ね返ったビーチボールを、宇宙は上げた右膝の内側で受けて、ぽふんと、足元に落とした。
「店内で、ボール遊び、メッ!!宇宙。ふざけるのも、いい加減にしなさい」
希更は立ち上がって、本気で怒る。
「俺は、音楽的なこと、何にもわかんないから、サッカーに、たとえるしかできない」
宇宙は、笙悧に向かって言う。
「今の、真っすぐに、ボール、行っただろ?」
笙悧は、うんうん、うなずいた。
サッカーなんて、まともに見たこともない。体育の授業で、やったことがあるだけだ。詳しいルールも、よくわからない。だけど、目の前で見た、宇宙が蹴ったボールは、何か、とにかく、凄かった。
「でも、笙悧くんには届かなかった」
笙悧は、うなずく。
「笙悧くんのピアノと、俺が歌うの、合わないなぁってゆーのは、今の感じなんだよね。笙悧くんが、真っすぐに、ボール、蹴ってくれてるのはわかる。けど、俺にパスが通んない感じ」
宇宙の言葉に、笙悧は、うつむき、膝の上、ぎゅっと両手を握り締めた。
やっぱり、ぼくの演奏じゃダメなんだ。
「ごめんなさい」
「笙悧くんが謝ることじゃない。笙悧くんが悪いなんて言ってない。笙悧くんのパスを受けられない俺も悪い。むしろ、俺の修正点、教えて欲しいんだよ。音楽のこと、俺は、わかんないから。」
「宇宙さんが悪いところなんて、何もありません」
うつむいたまま、笙悧は言った。
あの歌声と、自分が弾くピアノを響き合わせてみたいなんて、思っちゃいけなかった。
ぼくは――ピアノを弾いちゃいけないんだから。
「笙悧」
宇宙に、名前を呼び捨てで呼ばれて、笙悧は顔を上げた。
真っすぐな眼差しに、貫かれる。
「俺の名前、呼び捨てでいいよ。敬語も無し。言いたいこと言うのに、さん付けで、敬語なんて言いづらいだろ」
「言いたいことなんて…」
「うぷぷ」
二人の会話の邪魔にならないように、そーっと椅子に座って、黙って聞いていた希更は、笑ってしまった。
「ほんと、宇宙の思考って、体育会系だよね~」
そう言いながら希更は、自分の頭の上で、人差し指をくるくる回して、ぱあ~っと、大きく手のひらを開いた。
「今の!くるくるぱーって、した!!」
宇宙が指差して叫ぶ。
「笙悧くんも、そーゆー考え方に、ちょっと乗っかってみれば?」
希更を、笙悧は振り返って見た。
希更は、自分の頭の上で、人差し指をぐるぐる、回してみせる。
「笙悧くんの頭の中、ぐるぐるしてること、そのまんま、敬語なしで言ってみなよ、宇宙を呼び捨てにして。」
笙悧は向き直った。
「宇宙」
「うん」
宇宙は返事をして、ビーチボールを足元から、ふわりと蹴り上げて抱えると、イートインコーナーに歩いて来る。
笙悧は、隣の椅子に宇宙が座るのを待って、言った。
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