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#ドアの前
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暖はドアキーをスマホのアプリで解除して、ドアを開けた。
むせかえるようなΩのフェロモンを嗅いで、慌てて玄関に入り、右手はスマホをスーツのポケットに入れながら、左手でドアを閉めた。ドアはオートロックで締まる。
「笙悧…」
笙悧は、リュックは玄関の隅に投げ出して、脱ぎ散らかした服の上、全裸で、ぺたんこ座りしていた。
お腹や内股のあちこちに、こびり付いているのは、乾いた自慰の跡だった。それでも、まだ笙悧の物は、勃ち上がっていた。
両瞳は潤んで涙をこぼし、口からは涎を垂らしている。
「お兄ちゃん…」
αのフェロモンが一際、強く濃く匂い立ち、その嫌な臭いに、笙悧は隠すことなく、顔をしかめた。
「もし、ぼく以外の家族が帰って来たら、どうするんだよっ」
暖が声を上げると、笙悧は、びくっと体をすくめる。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
謝り続ける笙悧を、暖はビジネスバッグを手離し、玄関に座り込んで、抱き締めた。
「ごめん、笙悧。怒ったんじゃないんだ」
暖の兄も姉も、まだ番を持たないαだ。
こんな笙悧が玄関にいたら、理性では弟の婚約者とわかっていても、αの本能は抑えきれない。
暖に抱き締められて笙悧は、嫌な臭いに、はふはふ、口だけで息をしていた。
「ベッドに行こう、笙悧」
立ち上がった暖のスーツの裾を、笙悧は掴んだ。
「ダメだよ、笙悧」
笙悧は暖のスーツの裾をかき分け、ベルトに手を掛けると、外す。ズボンのボタンを外し、ファスナーを下ろし、引き下ろす。ズボンは、膝まで落ちた。そして、パンツの前だけを引き下ろす。
「笙悧…」
暖は、両手のひらで笙悧の頭を包み込むようにして、止めた。
けれど、笙悧は止められなかった。
暖の両脚の腿を、両手で掴み、垂れ下がる物の先をくわえると、口の中、舌で舐め回す。塩辛くて、生臭い。でも、αのフェロモンの嫌な臭いより、マシだった。
舌先で、先端を、くにくにと、弄る。笙悧の舌先に、暖の先端が、くぱくぱと、吸い付く。
笙悧は、ずゅりゅ~…と、すぼめた唇で扱きながら、暖の物を呑み込んだ。
暖の両手のひらに包み込まれたままの頭を、笙悧は小刻みに動かし、ぬゅぽぬゅぽ、暖の物を唇で扱き、裏筋を舌で舐ぶる。
笙悧は、自分の口の中で、暖の物を、大きく、硬く、勃ち上げてゆくのが、大好きだった。
湧き出る笙悧の涎と、暖の先端から滴る雫を、口の中、ぐちゃぐちゃに混ぜ合わせて、下唇から顎を伝い、無数に糸を引いて、垂れ落ちる。
「ぬぶっ、ぁぷ、っぶ、ぅぶっ、んぷっ、」
笙悧が上げる声と、
ち゛ゅ゛ふ゛ゅ゛ち゛ゅ゛ふ゛ゅ゛ち゛ゅ゛ふ゛ゅ゛
笙悧の唇と舌が、暖の物と擦れ合う音が、混ざり合う。
「ダメっ、て、言っ、てる、のに、っ」
自分の両手の中に、笙悧の頭はあるのに、暖も止められなかった。
まるで、自分の両手が、笙悧の頭を掴んで揺り動かし、口の中に、自分の物を突き入れているような錯覚さえ、暖は――いや、錯覚ではない、かもしれなかった。
「こんな、ことっ、する、と、キス、できな、っく、な、る…」
笙悧の口いっぱいに、暖の物が膨れ上がる。
暖は上向き、声を押し殺す。
「出る、っ、ぁ、ふ、っん…」
「んぶっ、んくっ、っく、ぁぷっ、」
暖の物が震えながら、先端から放った精液を、笙悧は飲み干す。喉を灼くように熱くて、苦い…
暖は、笙悧の頭を両手で押さえたまま、腰を引き、口の中から、自分の物を抜いた。
ぶるんっと、生き物のように跳ね上がり、スーツの裾を叩いて、白い染みを残す自分の物を、絶望的な表情で、暖は見下ろした。
笙悧は、自分の目の前に、屹立する白濁した精液に塗れた赤黒く膨れ上がって、浮き上がる青筋が這い回る暖の物を、うっとりと、見つめる、開いた口から、白く精液が混ざり合った涎を垂らしながら。
暖は、よろけるように後退った。
笙悧の両手が離れても、暖の両脚の腿には、掴んだ指の跡が、くっきりと紅く残っていた。
「笙悧。うがいして、ベッドに行こう」
「もぉ挿れたいぃ」
脱ぎ散らかしたカーディガンの上、ぺたんこ座りした笙悧のアナルからあふれる愛液で、ぐっしょりと濡れて、大きく染みを広げていた。
むせかえるようなΩのフェロモンを嗅いで、慌てて玄関に入り、右手はスマホをスーツのポケットに入れながら、左手でドアを閉めた。ドアはオートロックで締まる。
「笙悧…」
笙悧は、リュックは玄関の隅に投げ出して、脱ぎ散らかした服の上、全裸で、ぺたんこ座りしていた。
お腹や内股のあちこちに、こびり付いているのは、乾いた自慰の跡だった。それでも、まだ笙悧の物は、勃ち上がっていた。
両瞳は潤んで涙をこぼし、口からは涎を垂らしている。
「お兄ちゃん…」
αのフェロモンが一際、強く濃く匂い立ち、その嫌な臭いに、笙悧は隠すことなく、顔をしかめた。
「もし、ぼく以外の家族が帰って来たら、どうするんだよっ」
暖が声を上げると、笙悧は、びくっと体をすくめる。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
謝り続ける笙悧を、暖はビジネスバッグを手離し、玄関に座り込んで、抱き締めた。
「ごめん、笙悧。怒ったんじゃないんだ」
暖の兄も姉も、まだ番を持たないαだ。
こんな笙悧が玄関にいたら、理性では弟の婚約者とわかっていても、αの本能は抑えきれない。
暖に抱き締められて笙悧は、嫌な臭いに、はふはふ、口だけで息をしていた。
「ベッドに行こう、笙悧」
立ち上がった暖のスーツの裾を、笙悧は掴んだ。
「ダメだよ、笙悧」
笙悧は暖のスーツの裾をかき分け、ベルトに手を掛けると、外す。ズボンのボタンを外し、ファスナーを下ろし、引き下ろす。ズボンは、膝まで落ちた。そして、パンツの前だけを引き下ろす。
「笙悧…」
暖は、両手のひらで笙悧の頭を包み込むようにして、止めた。
けれど、笙悧は止められなかった。
暖の両脚の腿を、両手で掴み、垂れ下がる物の先をくわえると、口の中、舌で舐め回す。塩辛くて、生臭い。でも、αのフェロモンの嫌な臭いより、マシだった。
舌先で、先端を、くにくにと、弄る。笙悧の舌先に、暖の先端が、くぱくぱと、吸い付く。
笙悧は、ずゅりゅ~…と、すぼめた唇で扱きながら、暖の物を呑み込んだ。
暖の両手のひらに包み込まれたままの頭を、笙悧は小刻みに動かし、ぬゅぽぬゅぽ、暖の物を唇で扱き、裏筋を舌で舐ぶる。
笙悧は、自分の口の中で、暖の物を、大きく、硬く、勃ち上げてゆくのが、大好きだった。
湧き出る笙悧の涎と、暖の先端から滴る雫を、口の中、ぐちゃぐちゃに混ぜ合わせて、下唇から顎を伝い、無数に糸を引いて、垂れ落ちる。
「ぬぶっ、ぁぷ、っぶ、ぅぶっ、んぷっ、」
笙悧が上げる声と、
ち゛ゅ゛ふ゛ゅ゛ち゛ゅ゛ふ゛ゅ゛ち゛ゅ゛ふ゛ゅ゛
笙悧の唇と舌が、暖の物と擦れ合う音が、混ざり合う。
「ダメっ、て、言っ、てる、のに、っ」
自分の両手の中に、笙悧の頭はあるのに、暖も止められなかった。
まるで、自分の両手が、笙悧の頭を掴んで揺り動かし、口の中に、自分の物を突き入れているような錯覚さえ、暖は――いや、錯覚ではない、かもしれなかった。
「こんな、ことっ、する、と、キス、できな、っく、な、る…」
笙悧の口いっぱいに、暖の物が膨れ上がる。
暖は上向き、声を押し殺す。
「出る、っ、ぁ、ふ、っん…」
「んぶっ、んくっ、っく、ぁぷっ、」
暖の物が震えながら、先端から放った精液を、笙悧は飲み干す。喉を灼くように熱くて、苦い…
暖は、笙悧の頭を両手で押さえたまま、腰を引き、口の中から、自分の物を抜いた。
ぶるんっと、生き物のように跳ね上がり、スーツの裾を叩いて、白い染みを残す自分の物を、絶望的な表情で、暖は見下ろした。
笙悧は、自分の目の前に、屹立する白濁した精液に塗れた赤黒く膨れ上がって、浮き上がる青筋が這い回る暖の物を、うっとりと、見つめる、開いた口から、白く精液が混ざり合った涎を垂らしながら。
暖は、よろけるように後退った。
笙悧の両手が離れても、暖の両脚の腿には、掴んだ指の跡が、くっきりと紅く残っていた。
「笙悧。うがいして、ベッドに行こう」
「もぉ挿れたいぃ」
脱ぎ散らかしたカーディガンの上、ぺたんこ座りした笙悧のアナルからあふれる愛液で、ぐっしょりと濡れて、大きく染みを広げていた。
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