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11章 愛情の裏返し
しおりを挟む今日は暇な曜日にも関わらず結構忙しかった気がする──
芸能人グループのご利益でもあったのだろうか?
「晶、もういいぞ!」
「はーい、じゃあマスターお先に上がります!」
明日の仕込みをするマスターに挨拶をして店をでた。
最近喫茶店の仕事も忙しくなってきたお陰でバイトの時間もぐっと増えた。
「そういやマスター、もう一人バイト雇うって言ってたな…」
暗くなった夜道を独り言を言いながら歩き、ふと、足を止めて後ろを振り返る。
「──…、…」
そして首を傾げてまた歩を進めた……
こんなことが日常茶飯だ──
バイトからの帰り、跡を追けられているような気配を度々感じる。
特にここ最近は頻繁だ。
後ろを気にしながら少し速足で家路を急いだ。
「……っ…」
いやだな…
なんだか歩調が合ってる気がする──
後ろにある人影に嫌な気がして、かなり速めに歩き出す。
「──…っ…」
──っ
やだっ… やだ…
家の鍵を手にしながら更に足を早めた。
後ろの足音は確実に着いてきている──
マンションのエントランスまで来ると震える手で鍵をドアに差し込んだ──
・
オートロックの重いドアを無理に力で押して閉じる。
マンションの玄関口の植え込みの近くでちらりと見えた人影が立ち去って行く──
その姿に思わず鳥肌が立った。
「っ…」
ゴクリと渇いた喉が鳴る…
エレベーターに乗ると、家の階がわからないように全部の階を押して壁際に寄りかかり息をついた。
部屋の前に来てもまだ少し手が震えている──
やだな…
やっぱ広い家に一人はやだっ…
沸き上がる恐怖心を抑えながらマンションのドアに鍵を差し込んで開けると突然誰かに口を塞がれていた──
「──…フッ…グ…っ…ン」
後ろから羽交い絞めにされて、胸を強引に揉まれる。
「──…っ…ンッ…」
耳を濡れた舌が這い首筋に唇を強く押し付けられて歯を立てられた気がした。
「…ね、怖いでしょ?…」
「……──!?」
聞き慣れた声で囁かれる。
「俺の言うこと聞かないからこんな目に遇うんだよ……わかった?」
そう言って噛んでいた首筋に何度も甘く吸い付いていた──。
口を塞いだ手をほどかれ、部屋の明かりを点けられる。
「……──えっ」
手離して明るくなった部屋で見た途端、夏希ちゃんはひどく狼狽えていた。
「…ごめっ…晶さん、やり過ぎたっ……」
「──っ…」
「…ごめ…っ」
「やり過ぎたじゃないっこのバガダレっ……っ…ふ…ぅぅ…」
悔しくて腹立たしくて持ってたバックで殴りつけて腰が抜けたようにしゃがみ込んだ。
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