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「ごめん…」
困って黙り込んだあたしに夏希ちゃんは小さく謝った。
「元彼はどんな?」
ああ…一番気にしてるのはこれかな?…
「晶さん?」
「なんでもらいよ?思ったより普通。心配らいから…」
「そう?…」
「うん…気にしらいで」
あ、ダミだ。ろれつが…
長い台詞は難しい。
何故か一文字だけが言いにくかった──
「……ぷ…飲み過ぎっ」
笑われてしまった…
「沢山飲んだ?」
「うん、ゲームで負けて集中攻撃受けて浴びた」
「ゲームしたの?」
「うん」
「気を付けてよ?」
「うん…」
……嘘ついちゃった──
だって言えないし。
高槻とのことを冷やかされて披露宴ごっこで酌受けまくったなんて──
夏希ちゃん… ごみんね…
「明日、何時に帰る?」
「20時の新幹線に乗るから…」
「わかった。楽しんできて…また、電話する」
「うん、じゃ…」
「………」
「……?」
「“愛してる”は?」
「……え、ここで!?」
「うん」
「言えない?周り静かだけど人居る?」
「居らいよ…」
たしかに居ない。通りは車がたまに行き交うくらいだ。けどあたしは少しずつ暗い場所へと移動して壁を向いた。
・
だってあたしっ…
欧米人じゃないですからぁ!!
電話口で愛してるは
こっぱずいですからぁ!!
「晶さん…」
夏希ちゃんは催促の声を掛けてきた。
「あ、…」
「……」
「あい…してる…っ」
「………」
あたしの決死の言葉を電話越しで確認してクスクスと笑う声が聞こえてきていた。
「晶さん…」
「ん…」
「俺も…すごく愛してる」
「……うん…」
「うんじゃないよ」
「………」
「帰ってきたらいっぱい抱くから」
「うん」
「俺の匂いつけまくる」
「それなんか嫌」
「ひどいな…晶さん」
「うん…ふふ…」
「じゃあ帰ってきたらまたキスマーク付けるから…」
「うん」
「怒らないんだ?」
「うん、夏希ちゃんしか見らいし」
「………」
「……夏希ちゃん?」
「……今、すごい抱き締めたいんだけどどうしたらいい?」
「………」
「……明日まで我慢するしかないよね……」
「うん…だね…も、切るね……」
「わかった」
何時までも切れない──
電話口で二人で言葉を掛け合いながらやっとあたしは電話を切っていた。
切った電話を見つめてあたしは長い溜め息を吐いた…
めちゃめちゃ恋人同士の会話してるじゃんっ?
初っぱなからヤりまくりの日々だったから今の瞬間がかえって凄く新鮮だった……。
なんだがドキドキする…
夏希ちゃんと離れてみて初めてそんな気持ちがしてくる。
困って黙り込んだあたしに夏希ちゃんは小さく謝った。
「元彼はどんな?」
ああ…一番気にしてるのはこれかな?…
「晶さん?」
「なんでもらいよ?思ったより普通。心配らいから…」
「そう?…」
「うん…気にしらいで」
あ、ダミだ。ろれつが…
長い台詞は難しい。
何故か一文字だけが言いにくかった──
「……ぷ…飲み過ぎっ」
笑われてしまった…
「沢山飲んだ?」
「うん、ゲームで負けて集中攻撃受けて浴びた」
「ゲームしたの?」
「うん」
「気を付けてよ?」
「うん…」
……嘘ついちゃった──
だって言えないし。
高槻とのことを冷やかされて披露宴ごっこで酌受けまくったなんて──
夏希ちゃん… ごみんね…
「明日、何時に帰る?」
「20時の新幹線に乗るから…」
「わかった。楽しんできて…また、電話する」
「うん、じゃ…」
「………」
「……?」
「“愛してる”は?」
「……え、ここで!?」
「うん」
「言えない?周り静かだけど人居る?」
「居らいよ…」
たしかに居ない。通りは車がたまに行き交うくらいだ。けどあたしは少しずつ暗い場所へと移動して壁を向いた。
・
だってあたしっ…
欧米人じゃないですからぁ!!
電話口で愛してるは
こっぱずいですからぁ!!
「晶さん…」
夏希ちゃんは催促の声を掛けてきた。
「あ、…」
「……」
「あい…してる…っ」
「………」
あたしの決死の言葉を電話越しで確認してクスクスと笑う声が聞こえてきていた。
「晶さん…」
「ん…」
「俺も…すごく愛してる」
「……うん…」
「うんじゃないよ」
「………」
「帰ってきたらいっぱい抱くから」
「うん」
「俺の匂いつけまくる」
「それなんか嫌」
「ひどいな…晶さん」
「うん…ふふ…」
「じゃあ帰ってきたらまたキスマーク付けるから…」
「うん」
「怒らないんだ?」
「うん、夏希ちゃんしか見らいし」
「………」
「……夏希ちゃん?」
「……今、すごい抱き締めたいんだけどどうしたらいい?」
「………」
「……明日まで我慢するしかないよね……」
「うん…だね…も、切るね……」
「わかった」
何時までも切れない──
電話口で二人で言葉を掛け合いながらやっとあたしは電話を切っていた。
切った電話を見つめてあたしは長い溜め息を吐いた…
めちゃめちゃ恋人同士の会話してるじゃんっ?
初っぱなからヤりまくりの日々だったから今の瞬間がかえって凄く新鮮だった……。
なんだがドキドキする…
夏希ちゃんと離れてみて初めてそんな気持ちがしてくる。
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