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朧気に雲が游ぎ、綺麗に欠けた月を霞めていく晩。
光の君は腕の中に捕えた母、藤壺を真っ直ぐに見つめた──。
「……あ…、…」
「………──」
俺は捕らえていた舞花の手を離した。
「全然ダメ…話にならないよそれじゃ──」
「──……ごめ、なさ…」
「義理の息子に迫られてんだから思いっきり戸惑わないと禁断の妖しさが伝わらないよ?」
俺に惚れてるのはわかるけど…
藤壺としての表情から“好き”がだだ漏れだ…
俺は溜め息をついた。
「俺と稽古するまえにイメージトレーニングでもした方がいいよ?監督と話し合って、どんなイメージの藤壺を求めてるのか、脚本も読み込んでね…」
俺は帰り支度をしながら舞花を振り返らずに上着を羽織る。
「じゃないと、この役、無理──役者辞めた方がいいよ」
これは本音だ。そうじゃなきゃ本人がこの先泣くことになる──
グラビアだけやって潔く身を引いた方が舞花の為になるのに、なんで女優なんか目指させたんだあの髭チンピラは?
俺にとってかなりでかい疑問だった──
「明日は翌日に控えたクランクインの宣伝だよ?撮影に入ったら後には引けないから気を引き締めないと、同じ事務所の風間さんにも迷惑がかかる…わかってるよね?」
「……っ…」
「風間さんとも濡れ場があるんだから稽古付けてもらうといい。──俺とはその後だね…」
「──…っ待って聖夜!」
事務所を出ようとした俺を舞花が止めた。
・
背中にぴったり張りつく感触…
やたら押し付けてくる雌の柔らかみを背中に感じる。
誘ってるのか?
誘ってるよなどう考えても…
芝居の稽古を盾にして結局の目的がこれだ──
やる気なんかある筈もない。
あるのはこっちの方の“ヤル気”だけ──
「やっ……──」
背中から絡み付いてきた舞花の腕を俺は乱暴に掴んだ。
怯えたフリの顔で期待感溢れた表情が鼻につく。
品のない女はどんなに着飾ってもただの雌だ──
可愛いだけの雌はそこらに腐るほど溢れてる。
「舞花……演技の技術を身に付けな…」
掴んだ腕を強引に引寄せてキスするくらいの勢いで顔を近付けて威圧する。
「まずはそれからだよ、俺とほんとの恋人同士になれるか、なれないかは…」
威圧感に圧された舞花が放心状態で俺の背を見送る。
この程度の演技に飲まれるんじゃ、公私ともに俺のパートナーなんて土台無理な話しだ。
てか、まず間違ってもならないし──
餌を人から貰う飼い慣らされた雌には興味ない。
俺が欲しいのは野生の雌だ──
中々手に入らない
野生の貴重な……
誰かさんみたいに唾を吐きかけたり、ゴミ扱いしてくれたり──
挙げ句、靴を投げてボロクソに罵ってくれるくらいじゃないと、俺の役者人生の成長は止まる。
「晶さんもう帰り着いたかな?」
時計を見れば深夜の1時を回っている──
俺が四六時中、想いを深めてる間──
まさか大好きな人が
元彼の腕の中に居るなんて思いもよらず…
実家に帰って眠りついていることを祈りながら俺はタクシーを拾った。
光の君は腕の中に捕えた母、藤壺を真っ直ぐに見つめた──。
「……あ…、…」
「………──」
俺は捕らえていた舞花の手を離した。
「全然ダメ…話にならないよそれじゃ──」
「──……ごめ、なさ…」
「義理の息子に迫られてんだから思いっきり戸惑わないと禁断の妖しさが伝わらないよ?」
俺に惚れてるのはわかるけど…
藤壺としての表情から“好き”がだだ漏れだ…
俺は溜め息をついた。
「俺と稽古するまえにイメージトレーニングでもした方がいいよ?監督と話し合って、どんなイメージの藤壺を求めてるのか、脚本も読み込んでね…」
俺は帰り支度をしながら舞花を振り返らずに上着を羽織る。
「じゃないと、この役、無理──役者辞めた方がいいよ」
これは本音だ。そうじゃなきゃ本人がこの先泣くことになる──
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俺にとってかなりでかい疑問だった──
「明日は翌日に控えたクランクインの宣伝だよ?撮影に入ったら後には引けないから気を引き締めないと、同じ事務所の風間さんにも迷惑がかかる…わかってるよね?」
「……っ…」
「風間さんとも濡れ場があるんだから稽古付けてもらうといい。──俺とはその後だね…」
「──…っ待って聖夜!」
事務所を出ようとした俺を舞花が止めた。
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背中にぴったり張りつく感触…
やたら押し付けてくる雌の柔らかみを背中に感じる。
誘ってるのか?
誘ってるよなどう考えても…
芝居の稽古を盾にして結局の目的がこれだ──
やる気なんかある筈もない。
あるのはこっちの方の“ヤル気”だけ──
「やっ……──」
背中から絡み付いてきた舞花の腕を俺は乱暴に掴んだ。
怯えたフリの顔で期待感溢れた表情が鼻につく。
品のない女はどんなに着飾ってもただの雌だ──
可愛いだけの雌はそこらに腐るほど溢れてる。
「舞花……演技の技術を身に付けな…」
掴んだ腕を強引に引寄せてキスするくらいの勢いで顔を近付けて威圧する。
「まずはそれからだよ、俺とほんとの恋人同士になれるか、なれないかは…」
威圧感に圧された舞花が放心状態で俺の背を見送る。
この程度の演技に飲まれるんじゃ、公私ともに俺のパートナーなんて土台無理な話しだ。
てか、まず間違ってもならないし──
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中々手に入らない
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挙げ句、靴を投げてボロクソに罵ってくれるくらいじゃないと、俺の役者人生の成長は止まる。
「晶さんもう帰り着いたかな?」
時計を見れば深夜の1時を回っている──
俺が四六時中、想いを深めてる間──
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