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しおりを挟む「うあぁぁっ…掛かってきたっ!…」
居るだろうか?
恋人からの着信にこんなにビビる奴って──
まさしく怪しいことやってますよってな疚(やま)しい気持ちの現れじゃないだろうか?
メールを送信した直後に掛かってきた夏希ちゃんからの電話をあたしは中々取ることが出来ない…
電話を握ったままあたふたしているとプツ──っと着信音が途切れていた。
「どうしよう…」
呟くあたしを多恵ちゃんが気にかける。
「どうしたの晶?」
「あ~ちょっと…電話してくる…」
あたしは皆から離れて静かな場所を捜した。
意を決して夏希ちゃんに電話をかけ直す。
「もしもし、晶さん?」
「は、い…」
「…何してんの?──」
「え──…と…」
口ごもるあたしの背後で今回目玉の催しもの。打ち上げ花火が上がり始めていた・・・
タイミング悪すぎ──っ…
・
「今、新幹線に乗ってるはずだよね?」
「……ぅ、…はい…」
夏希ちゃんの声のトーンの低さにあたしはビビる。
「窓からどんな景色が見えてるのかな?」
「あー…と…真っ暗な夜空が」
「夜空…そう…」
「………」
「いいね…夜空と花火──…って」
「……そっ…そだね」
「どこで見てるの?花火を──」
「花菱デパートの屋上…」
「……晶さん…」
「は、い…」
「いいよ…楽しんでて…俺ももうすぐ仕事終わるから──」
そう言った夏希ちゃんの電話の向こう側で“藤沢さん”と呼ぶ声が聞こえていた。
「じゃあ…またあとでね」
相変わらず低い声のままそう告げると夏希ちゃんは電話を切った──
「…帰ったら…なんて言い訳しよう…」
あたしは電話を見つめたまま小さくそう呟やいていた。
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