117 / 403
3
しおりを挟む
俺はお茶を入れたグラスを舞花の前に置いた。
「一つ言って置くけど、電話に出ないからって突然マンションに来るのは非常識だと思わなかった?」
疑問系で諭してみる。
やってることはグルーピーと変わらない。
舞花は以前の俺との関係が自分の売名の為の偽者の恋人関係だったとわかっていた筈だ。
俺の問い掛けに舞花は顔をうつ向かせた。
三人掛けのシングルソファのみの為に向かい側には座れない。
俺は近くに立って上から舞花を見下ろした。
「……わかってたけど…どうしてもちゃんと話がしたくて…」
「は?…ちゃんと話?」
呟いた舞花の言葉に思わずひきつった笑いが漏れそうだ。
「なんの?」
「よりを戻したいっ…て…」
「………」
よりっ!?
なんだ、よりって!?──
「なんで聖夜があたしを避けてるのかわからなくて…理由聞きたいっ…」
「………」
俺はゆっくり頭を抱えた──
姉さん…
事件です。。。
もとい──
社長っ…
俺に言った話と噛み合ってないんですがっ…
あれ~!?
あの髭、言わなかったか俺に!?
“本人もこれに賭けてるから”
これに賭けてる……
“舞花は芸能界で食っていこうなんて思ってない…”
芸能界で食っていこうなんて思ってない・・・
“舞花の目当てはお前だ”
“俺がお前で釣った”
“本気の恋愛しろっ”
“舞花じゃだめだったか”
あの──髭っ…
・
「ねえ聖夜…」
ダメだコイツ──
舞花は完全に俺とモノホンの恋人になったと思い込んでる──
失敗したっ…
芸能界最後になるだろうと思って結構ラブラブな恋人を演じてやったっ…
俺の誕生日も一緒に過ごしてかなりいい雰囲気でセックスしたし──
お互いに演じてるのをわかってんだからと“好き”なんて言葉も普通に言ってやった……
ほんの二週間足らずを完璧な恋人役で過ごしてしまった…っ…
週刊誌に取り上げられた時点で俺の役目は終わったと、180度身を翻した──
てことは…
舞花の中で、俺は突然別れも告げずに離れていった恋人になってるわけだ……
「ねえ聖夜っ……」
「ちょっと待って…」
頭痛い。
すげー 頭痛い。
思わぬ展開に頭が真っ白だ。
無言の部屋の中で頭を抱えたままでいると楠木さんから電話が入っていた。
「楠木さん、今、舞花が俺のマンションにいるから迎えにきてくれない?」
舞花から離れて小さな声で語りかける。
「……勤務時間外だぞ」
「……助けて」
「ふ…わかった…行くから」
俺の嘆きに楠木さんの口から微かに含み笑いが聞こえた気がした。
「一つ言って置くけど、電話に出ないからって突然マンションに来るのは非常識だと思わなかった?」
疑問系で諭してみる。
やってることはグルーピーと変わらない。
舞花は以前の俺との関係が自分の売名の為の偽者の恋人関係だったとわかっていた筈だ。
俺の問い掛けに舞花は顔をうつ向かせた。
三人掛けのシングルソファのみの為に向かい側には座れない。
俺は近くに立って上から舞花を見下ろした。
「……わかってたけど…どうしてもちゃんと話がしたくて…」
「は?…ちゃんと話?」
呟いた舞花の言葉に思わずひきつった笑いが漏れそうだ。
「なんの?」
「よりを戻したいっ…て…」
「………」
よりっ!?
なんだ、よりって!?──
「なんで聖夜があたしを避けてるのかわからなくて…理由聞きたいっ…」
「………」
俺はゆっくり頭を抱えた──
姉さん…
事件です。。。
もとい──
社長っ…
俺に言った話と噛み合ってないんですがっ…
あれ~!?
あの髭、言わなかったか俺に!?
“本人もこれに賭けてるから”
これに賭けてる……
“舞花は芸能界で食っていこうなんて思ってない…”
芸能界で食っていこうなんて思ってない・・・
“舞花の目当てはお前だ”
“俺がお前で釣った”
“本気の恋愛しろっ”
“舞花じゃだめだったか”
あの──髭っ…
・
「ねえ聖夜…」
ダメだコイツ──
舞花は完全に俺とモノホンの恋人になったと思い込んでる──
失敗したっ…
芸能界最後になるだろうと思って結構ラブラブな恋人を演じてやったっ…
俺の誕生日も一緒に過ごしてかなりいい雰囲気でセックスしたし──
お互いに演じてるのをわかってんだからと“好き”なんて言葉も普通に言ってやった……
ほんの二週間足らずを完璧な恋人役で過ごしてしまった…っ…
週刊誌に取り上げられた時点で俺の役目は終わったと、180度身を翻した──
てことは…
舞花の中で、俺は突然別れも告げずに離れていった恋人になってるわけだ……
「ねえ聖夜っ……」
「ちょっと待って…」
頭痛い。
すげー 頭痛い。
思わぬ展開に頭が真っ白だ。
無言の部屋の中で頭を抱えたままでいると楠木さんから電話が入っていた。
「楠木さん、今、舞花が俺のマンションにいるから迎えにきてくれない?」
舞花から離れて小さな声で語りかける。
「……勤務時間外だぞ」
「……助けて」
「ふ…わかった…行くから」
俺の嘆きに楠木さんの口から微かに含み笑いが聞こえた気がした。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる