ラブプレイ~Hな二人の純愛ライフ~

中村 心響

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「そんなに時間作って逢ってくれてたのになんで短期間でわかれちゃったんですかね?もしかして話題作りとか?」

「──…!」

自分が溢した砂糖に腹が煮えて言ってしまった。



“確かにこのまま付き合ってもいいかなって思ったよ”



──…っ



“…でも今は晶さんに夢中じゃんっ!”




……そうだよ、今はあたしのこと大好きなんだから…


「……ちょっと…っ」


舞花は呟いた。

「ちょっと距離置いてるだけよっ…」


震える囁きにあたしはカウンターの流しから顔を上げた。

悔しそうに唇が歪んでいる。あたしの言った言葉は強気を装った彼女の痛い部分を一撃にしたらしい。


ほら…だから毒を吐かないようにしたのに…


彼女は震える唇を必死に動かす。

「あたしの演技が上達するまで距離置いてるだけっ…上手くなったらほんとの恋人になるって言ったんだからっ…」


「──……」

ほんとの恋人?

なにそれ…



舞花の言葉にあたしは思わず顔を強張らせた。

「それまで距離を置いてるのっ…聖夜はあたしのために少し離れてるだけっ…」


「ふ……それも別れる前の話しじゃ意味な…」

「今の芝居の稽古付けてくれてる時に言ったからっ──…」

「……──」

「今のドラマのヒロイン決まった時に言ったから…っ」

「なに…それ」

お思わず胸の呟きが口から出ていた…




舞花の言葉を疑いながら、同時に夏希ちゃんが口にした言葉を疑い始めている。


ドラマが決まってから言ったならあたしと付き合い始めてるじゃん──


初めて動揺を見せたあたしを見て舞花は少し自分の立場に自信が持てたようだった。

ふんと笑う笑顔はこの上なく性根のただれた悪女だ…


あ、いいんじゃない?その顔──

つぎはヒロインより絶対ライバルの性悪な脇役に抜擢されると思うよ。うん。


なんて他人事のように冷静に舞花の表情を見てそんなことを思う……



“ほんとの恋人に”……?


夏希ちゃん、あたしにもそう言ったよね?

“キスしたらほんとの恋人になるって約束したよね?”

夏希ちゃんあたしにもそう言ったよね…

なに?

あれって夏希ちゃんの常套句?

女振り向かせるためのただの口説き文句?


舞花はどこかしらスッキリした顔を見せてバックから財布を取り出してお金を置いた。

ここに来たのは単にあたしのこんな顔が見たかっただけなのだろうか?──

聖夜はいずれ自分の元に戻ってくると言いたかっただけなのだろうか?──

あんたはそれまでの間繋ぎだから本気になるなと忠告にきただけなのだろうか──


ごちそうさまと笑顔で言って軽やかにヒールを鳴らし、帰っていく──



彼女の残していった疑惑の波紋はあたしの中で大きく広がっていた……。

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