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しおりを挟む「晶っ!……まだ話し終ってないっ」
ベットに行こうとしたあたしの腕を夏希ちゃんは強く掴んだ。
「なんの話し?話しなんかないじゃん…バイト10時からだから寝かせてよ」
「……──俺、もうすぐ仕事行くよ?」
「行けば?」
「………」
夏希ちゃんはあたしの言葉に小さく溜め息を吐いた。
「晶さん、店でも様子おかしかったから気にして寝れなかったけど……帰ってから話しするから…」
「……話ない」
「……聞くからっ…バイトでもなんでも嫌なことあったら俺に先に言えばいいだろ!?その為に俺、傍にいるじゃんっ…俺って頼りないっ!?」
「──ないっ」
「……──」
「夏希ちゃんまだまだ子供じゃんっ!夏希ちゃんじゃわかんないこと一般人には沢山あるのっ…早く仕事行きなよっ…」
「──…っ…」
夏希ちゃんは歯を食い縛るように口を結んでいた。
何か言いたいことをすごく我慢している表情をあたしに向ける──
あたしは顔を反らして掴まれた腕を払うと布団に潜り込んだ。
「──…っ!?」
急に上から重みが加わる。
「ちょっ…とっ!?寝るって言ってるっ…」
「仕事行くんだから行ってらっしゃいのキスは!?」
「気分悪いからしないっ!」
「しろよっ!」
ムカつくっ…
舞花のことだって我慢してるのにっ…
そう思いながら強引に後ろから覆い被さる夏希ちゃんを振り向いた。
「……──」
「キスしてよ…それでチャラにするから…」
泣きそうな顔で見つめてくる…
「五分だけ余裕あるから五分めいいっぱいキスして…」
「………」
「してよ…」
「もうしてるじゃん…」
キスを求めながら夏希ちゃんの唇が優しく押し充てられる──
・
寂しくてしょうがなかったと訴えるようにせがむキスに少しずつ変わっていく──
夏希ちゃんは少しだけ開いたあたしの唇に指を入れて熱い舌に触れた。
「これもちょうだい…」
開いた口から唾液にまみれた指を抜きそれを舐めると唇を重ねて自分の舌を這わせる。
「酒の匂いすごい…俺も酔いそう…」
そう言って深く深く舌を入れてきた。
「夏希ちゃん…」
「ん…」
「もう五分過ぎたよ…」
唇から下に移り首筋に舌を這わせる。そんな夏希ちゃんにあたしは時間を知らせた。
「延長する」
「延長?」
「あと五時間…」
「………っ!?」
「俺、今日は休み。前撮りしまくってるから俺だけ撮影ない…」
「………っ」
夏希ちゃんは潜り込んでいた首筋から顔を上げて上目使いで見つめてニヤリと笑う。
その目を向けながら舌を出すとあたしの服を託し上げた……
付き出された夏希ちゃんの舌がゆっくりと肌を伝っていく──
ピッタリと張り付くスポーツブラ。
普通のブラジャーではどうしても違和感を覚えてしまうあたしの下着。
夏希ちゃんのノーブラ禁止令の為にお洒落ブラの代わりにしっかり着用されたそれを夏希ちゃんは下にずらした。
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