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「気難しいって噂だけど、気に入られたらいい仕事回してくれるよ」
「え?」
ボソッと告げた楠木さんを振り返る。
「気に入られることじたい難しいけどね…」
「そうなんですか?」
じゃあ、さっきの誘いは社交辞令だったのかな?
「まあ、あたしは今回のみなんで…」
あたしの呟きに楠木さんは頷いた。
「まあ、もともとモテるタイプだから余裕があるんだろうけどね、この業界によくある後々の付き合いってのも彼はないから…」
「さっき誘われちゃいましたけど──」
「え?いつっ?」
「撮影済んで挨拶の握手した時に…」
「………」
意外だったようで楠木さんは口に手を当てた。
「……それはまた、気づかなかったな」
楠木さんはボヤキながら頭を掻いた。
あたしは楠木さんをしばし見つめる…
楠木さんは確か夏希ちゃんが子役時代から同じ事務所にいたと聞かされている…
夏希ちゃんのことも多少は──てか、マネージャーなんだから詳しいよね?…モチロン……。
「なに?」
楠木さんはあたしの視線に気付いた──
・
「夏希ちゃんて…付き合った彼女沢山居ますか?」
「……」
「本人からめちゃめちゃ女性経験多いってのは聞いてるから…」
「ああ、本人が言ったなら…」
少し躊躇いながら楠木さんは口を開いた。
「役者だからね、半分は芸を磨く為にもってので社長も恋愛経験は大いに積めって方針だしね…確かに付き合った女性は多いよ」
「………」
「大丈夫?あまりこう言った話しは知らない方が──」
「あたしもそう思うんだけど……態々、言いにくるんですよね。ボインちゃんがっ…」
「ボ…ああ、なるほど…」
楠木さんは少し気まずい表情を浮かべて顔を掻いた。
「舞花の言うことは気にしなくていいから…」
「それが気になっちゃうわけですよどうしても…」
楠木さんは、んー…と唸り腕を組んだ。
「……舞花は実は、聖夜のファンでね…社長が聖夜を餌にして事務所にスカウトしたわけだ。で、今回のスキャンダルで聖夜に恋人のフリをさせて名前を売るように仕向けたんだけど──舞花としては、芸能人として売れるより、仮でも聖夜の恋人になれったって方が悦びが大きくてね……」
「……」
「まあ、アイツもテキトーに恋人役してれば良かっただけど、演じることにはプロだから…」
「………」
「ちょっと本気モードで恋人を演じた結果だよね…舞花に夢を見せ過ぎちゃって…」
「………」
「聖夜も失敗したと思ってるはず…」
「失敗?」
「アイツがこれまで付き合ってきた女性は業界のプロだからね。世間の目ってのを一番気にしてる…付き合う時も別れる時もそう、もめるってことがなかったわけだ……簡単に言うと割りきった恋愛」
「………」
「舞花は一般人で聖夜のファンで、ある日突然憧れのスターが恋人になったわけだから…夢中になるのは当たり前なんだけど……」
「偽の恋人ならセックスしなくても良かったんじゃ……?」
「そゆこと…それが落とし穴だったね。だから失敗したってアイツも思ってるわけだ」
「……めんどくさい」
「え?」
楠木さんはあたしの呟きに耳を近付けた。
「え?」
ボソッと告げた楠木さんを振り返る。
「気に入られることじたい難しいけどね…」
「そうなんですか?」
じゃあ、さっきの誘いは社交辞令だったのかな?
「まあ、あたしは今回のみなんで…」
あたしの呟きに楠木さんは頷いた。
「まあ、もともとモテるタイプだから余裕があるんだろうけどね、この業界によくある後々の付き合いってのも彼はないから…」
「さっき誘われちゃいましたけど──」
「え?いつっ?」
「撮影済んで挨拶の握手した時に…」
「………」
意外だったようで楠木さんは口に手を当てた。
「……それはまた、気づかなかったな」
楠木さんはボヤキながら頭を掻いた。
あたしは楠木さんをしばし見つめる…
楠木さんは確か夏希ちゃんが子役時代から同じ事務所にいたと聞かされている…
夏希ちゃんのことも多少は──てか、マネージャーなんだから詳しいよね?…モチロン……。
「なに?」
楠木さんはあたしの視線に気付いた──
・
「夏希ちゃんて…付き合った彼女沢山居ますか?」
「……」
「本人からめちゃめちゃ女性経験多いってのは聞いてるから…」
「ああ、本人が言ったなら…」
少し躊躇いながら楠木さんは口を開いた。
「役者だからね、半分は芸を磨く為にもってので社長も恋愛経験は大いに積めって方針だしね…確かに付き合った女性は多いよ」
「………」
「大丈夫?あまりこう言った話しは知らない方が──」
「あたしもそう思うんだけど……態々、言いにくるんですよね。ボインちゃんがっ…」
「ボ…ああ、なるほど…」
楠木さんは少し気まずい表情を浮かべて顔を掻いた。
「舞花の言うことは気にしなくていいから…」
「それが気になっちゃうわけですよどうしても…」
楠木さんは、んー…と唸り腕を組んだ。
「……舞花は実は、聖夜のファンでね…社長が聖夜を餌にして事務所にスカウトしたわけだ。で、今回のスキャンダルで聖夜に恋人のフリをさせて名前を売るように仕向けたんだけど──舞花としては、芸能人として売れるより、仮でも聖夜の恋人になれったって方が悦びが大きくてね……」
「……」
「まあ、アイツもテキトーに恋人役してれば良かっただけど、演じることにはプロだから…」
「………」
「ちょっと本気モードで恋人を演じた結果だよね…舞花に夢を見せ過ぎちゃって…」
「………」
「聖夜も失敗したと思ってるはず…」
「失敗?」
「アイツがこれまで付き合ってきた女性は業界のプロだからね。世間の目ってのを一番気にしてる…付き合う時も別れる時もそう、もめるってことがなかったわけだ……簡単に言うと割りきった恋愛」
「………」
「舞花は一般人で聖夜のファンで、ある日突然憧れのスターが恋人になったわけだから…夢中になるのは当たり前なんだけど……」
「偽の恋人ならセックスしなくても良かったんじゃ……?」
「そゆこと…それが落とし穴だったね。だから失敗したってアイツも思ってるわけだ」
「……めんどくさい」
「え?」
楠木さんはあたしの呟きに耳を近付けた。
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