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しおりを挟む少しだけ気を向けてくれた晶さんは俺に言った。
「その新人と浮気するんだ?」
「するよ」
「明日誘うの?」
「誘うよ」
「でヤルの?」
「………」
質問の連続に最後は無言で返した俺を見つめたまま、晶さんは急にソファから腰を上げた──
「どこいくのっ?」
思わず腕を掴んでひき止めた。もしかしたら部屋に行って一人で泣くかもしれない──
そんな考えが頭を過った。
無表情で見つめてくる晶さんの唇が微かに歪んでいる──
「ウンコいく──」
「ウンコっ!?」
驚いた拍子に晶さんは掴んだ俺の手を振りほどいてトイレに走り込んだ──
激しく閉まったドア、そして忙しなくペーパーを引く音がカラカラと長く聞こえてくる…
あれっ!?
ほんとにウンコっ!?
心配して思わずトイレの側まで駆け寄ると
「ブはっ!──…なにそれたまんないっ…めっちゃ笑わしてくれるっ──……」
「───…」
聞こえてきた爆笑に俺は動きが止まっていた……
・
あれ……
泣きそうじゃなかったんですか?
なにその悶絶的大爆笑は?
何かで口を塞いだように籠った笑い声が狭い個室で響いていた──
大量に巻き取ったペーパーは、たぶんに口を塞ぐために用いられているのだろう…
察する雰囲気からして容易にその姿が想像できる。
「何が可笑しいんだよそんなにっ」
あれは明らかに俺の事を笑っているっ…
ゆっくりと振り返ると俺はソファに静かに腰掛けた。
暫くすると、トイレから自室に行き、落ち着いた涙目の晶さんが部屋着に着替えて戻ってきた。
「はあ~──スッキリした…」
晶さんはそう言ってソファに寝転ぶように横になると、自慢の長い生足を俺の腰掛けていたソファの背もたれに乗せ、片方は俺の膝の上に伸びてきていた。
「……なにしてるわけ?」
「え?何も?」
「この脚なに?」
「たんなる夏希ちゃんの大好きな長い脚ですけどなにか?」
「………」
「……文句ある?」
なんでこんなに強気なんだろうか──
俺は溜め息と同時にやるせなくなった。
「意味わかんないっ…浮気しろって言ったり別れるっていったり──…足絡めてきたりっ…」
俺の大好きなエロい足が背もたれから肩に乗って誘惑してくる──
足の甲で頬を撫でて翻弄しながら晶さんは最高に妖しい笑みを向けてきた。
「今日が最後ならセックスするか?──…ラスト・セックス」
「──…っ…何言ってんだよもうっ…」
顔を歪め弱々しく言葉を漏らして覆い被さる俺の腰に短パンから伸びた晶さんの素足が艶かしく絡み付いていた……。
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