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しおりを挟む「しょうがないってわかってるんだけど──…」
「……?…」
「あのキスシーンは腹が立つっ──」
「……──」
「台本になかったでしょあれ?」
「う、うんっ…なかっ…」
なかったと言うか、台本自体がなかった・・・
あの場面、カットされなかったんだ……
「でもキスはしてないから」
「してない? 寸止めってこと? 触れてないの?」
「いや、あの、触れたというか…」
「なにその遠回しな言い方は?」
なんだか言葉に困る。
キスはしてないけど似たようなことはされてるわけだから…
あたしは困りながら白状した。
「…あー…噴き出して顎に付いたラーメンの具を舐められた……だけ…」
「──……っ…“だけっ”!?」
「はは、“だけ”です…」
そう言った途端夏希ちゃんが吠えていた。
「それで“だけ”とは言わないからっ…舐めたなんてキスと同等っそれよりイヤらしいからっ…」
「……ご、ごもっともです」
「──…わかってるなら…それでいいけど…」
言いながら夏希ちゃんはマリオに触れられた頬を撫でて顎をなぞる。
「だったらもう、この仕事しないよね?」
「……うん、最初から臨時だったし」
そう答えたあたしの言葉に夏希ちゃんはホッとした表情を浮かべていた。
・
「この業界は仕事だからって理由で何でも有りになるから──…正直、晶さんには関わって欲しくない…」
「……うん」
「社長に頼まれても断って──…」
「……うん」
「俺の為に断って…」
「わかった」
「ほんとに?」
「………うん」
「間が開いたね?」
「・・・」
……だって
臨時バイトにしてはかなりいい金額貰えるし…
裸になるわけじゃないからやって損はないわけで…
黙ったあたしを夏希ちゃんは疑い深げに見つめてくる。眉間には少し皺が寄っているようにも見えていた。
出来上がったシチューに手をつけながら、夏希ちゃんは口を開く。
「あの撮影って北海道だったんだ?」
「うん…」
「なる…それでか。おかしいって思ったことの辻褄が合ってきた…」
「ごめん──」
「いいよ、完全にあの社長の企みだし…俺も社長に言われたから」
「何を?」
シチュー皿から顔を上げた夏希ちゃんが訊ねたあたしを見つめる。
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