男装バレてイケメン達に狙われてます【逆ハーラブコメファンタジー】

中村 心響

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第四章 伝説編

3話 光の導き

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「着いたぞアル‥

どうだ?気分の方は‥」


体調を聞いてくるロイドにうん‥とだけ返事を返し、アルは馬から降りて湖の方へ歩き出す。


「‥アル?」

ロイドの呼びかけにも答えずアルはまっすぐに湖へと向かう──

‥確かに変になってるな💧


ロイドは仕方なく黙ってその後をついて行った。





光り‥

あの時と同じ‥‥



遠くを見つめただひたすら前へと進む――


アルには見えていた──

湖から天に向かい真っ直ぐに伸びた光りの柱‥


さっきまでの恐怖心はいつの間にか拭われそのかわりに今度は異様な程に脈動が激しく唸る‥


でも、気分は悪くない‥




《従者よ‥》


――!っ‥

アルは急に目を見開き足を止めた。




《我が信愛なる従者よ


 よくぞ参られた‥


だが、まだ力を与えられぬ


 集めるのです―――

そなたに忠誠を誓う者達を



赤の輝き‥

  青の輝き‥

    緑の輝き‥


 何をも恐れぬ心‥

そなた自身を信じなさい


さすれば三つの光りがそなたの元へ集うでしょう‥》



‥三つの光り?


「え?あっ!!
待ってっ!!意味がよくっ」

「アルっ!!」


消えいく光りを追いかけようとしたアルの手をロイドが強く引き戻すっ!


「身投げでもするつもりか!?」

「えっ?‥あっ…」


ロイドに言われ、足元を見ると湖ぎりぎりの位置に立って身を乗り出している自分がいた。

「たくっ…
変になるってのは本当だな。一人で行かさなくて正解だった‥‥」


「ゴ、メン‥ナサイ💧
だって、光りが‥//」


「とにかく、もう気がすんだだろ?顔色もいいみたいだし、帰るぞ!」

ゴニョゴニョと何か言うアルのの手を無理矢理引いてロイドは馬に乗せる


‥だって光りが‥

光りの中から誰かが‥

ロイドには見えてなかったんだ‥


アルは口に出せず心の中で繰り返していた




アルは馬の背に揺られながら湖を振り返った‥

今は完全な静寂に包まれ湖の水面には満月になりかけた月が映っている‥


‥あたしは眠ってなんかいないし、今度は間違いなくはっきり聞こえた‥

‥三つの光りが集う‥
集めろってこと?


どうやって!?

“何をも恐れぬ心‥”

“自身を信じる‥”

・・・・わからない‥







「また、考え事してるのか?」

「――!?‥」

後ろからロイドが覗き込むようにアルに問掛けた


「‥‥‥ねぇロイド‥」

「ん‥?」

「赤と青と緑の輝きって何かわかる?‥」

「‥‥‥💧
いきなり、謎かけか?」

「別に、謎かけではないけど💧‥」

アルの意味不明な質問にロイドは呆れながらも考える

「んー、謎かけじゃないなら普通に考えて宝石しかないだろ💧?
他に何があるんだ?」


「そか‥そ、だよね💧」


そういったまま再び考え込むアルの頭をロイドはくしゃっと撫でる


「着いたぞ‥」

「うん、今日はありがとう」

家に着き礼を言って立ち去るアルの後ろ姿を見つめていると、アルは急に振り返った

「‥どうした?」

「‥‥ロイドは‥
あたしに忠誠を誓う?」




「──……クスッ…」



アルの問いかけに目を丸くしたロイドだったが一瞬、笑みを溢すとすぐに馬から降りてアルの前に膝まづきアルの手を取った‥

「アル‥


俺はお前のものだ―――

お前が死ねというなら俺はいつでも死ぬ覚悟ができてるよ‥」

ロイドは揺るぎない強い眼差しでアルを見つめる‥
そして優しく微笑むとアルの手の甲に唇を落とした


敬意を示すと立ち上がり今度はアルを強く抱きしめる

耳元で囁く言葉はロイドのアルへの確かな想い‥



「誓うよ‥

何度でも‥‥

お前は俺の‥女神だ…」


「‥///‥

ぁ、ありがとう‥っ」


ふと、突然口をついて言ってしまった言葉に真っ直ぐな瞳で返されてアルは赤面していた‥


‥やだ…っ…なんであたしこんなことロイドに言っちゃったんだろ!?


この場の雰囲気をどう変えていいかわからない。
アルは勢いで口を開く


「あ、あ、じゃあっ…

誓うなら絶対に死なないで!!」

「──‥!?


‥ああ‥わかった‥

お前が死ぬなって言うのなら絶対に死なない‥‥」


真っ赤な顔でうつ向くアルが堪らなく愛しい‥




ロイドはアルの熱い頬に、そっと手を添えた──


「アル‥」

名前を囁き愛しい人を見つめる‥

ロイドはアルの顔を自分に向けるとゆっくりと唇を重ねた。

互いの熱い舌が絡み合う。慈しむように柔らかく唇を押し付けては放し呼吸を送る。

いつもの激情にかられた激しいキスではなく、互いを愛しむように…



「‥ハァっ‥‥」

二人の唇から熱い吐息が漏れる‥


ロイドはアルの熱く潤んだ瞳を見つめた‥
その中には確かに自分が映っている。

アルの背中を見送る度に不安にかられることがある‥

たった一人で前を突き進むアル‥
真っ直ぐに前を見据え自分の手の届かぬ所へ行ってしまいそうな不安に‥


今日の草原でもロイドはとてつもない不安に怯えていた‥

何度呼びかけても振り返らず吸い込まれるように歩くアルの後ろ姿に、ロイドは一瞬胸が張り裂けそうなほどの不安を覚えていたのだ

ロイドは不安をかきけすようにアルを抱く腕に力を込めた

「アル……っ

俺に死ぬなと言うなら‥

生きよう‥共に──」 


胸の奥の掻き消せないこの不安を──

アル‥
お前が消してくれ…っ




こんなにしっかりと抱きしめているのにアルがいつかいなくなってしまう──

そんな不安が消せない‥


……何故なんだ!?



ロイドの震える背中にアルはそっと手を回す‥

「ロイド‥

どうしたの?」

アルはロイドを見つめ優しく問いかける‥

そして‥微笑んだ…

「大丈夫だよ‥

  大丈夫だから…」


ロイドはそう言葉を紡ぐアルの微笑みに、小さく息を漏らした‥













―カサっ!


ルイスは執務室に隠り地図を眺める‥



‥誰にも知られずひっそりと時を紡いだ神に近い地‥

それだけ人目を忍んでたってことになる‥


伝承の地‥か‥‥‥

現代の地図と古き地図を見比べていると明らかに異なるところだらけだ‥


二千年の歴史は重いな💧


古き地図を見るとほとんどが山や森で埋めつくされており道らしい道も描かれていない‥
もちろん建国される前だからルバール城も記されていない‥

開拓前のルバールか‥


ルイスは新地図と古き地図を照らし合わせ城の位置を探しあてる。

そして城の位置からアル達が辿ったであろう森の道を大まかに考えながら目星をつけていった‥




取りあえず明日、地図師にコレを移し直してもらうか‥
このままじゃ、なんて書いてあるか見えないしな💧


長年のうちにできてしまったシミなどで地図に書いてある村名が読み取りにくい

ルイスは地図に書いてある文字らしきものを指でなぞりながら思う。

まぁ、やっとこさ足掛かりになるものを見つけられたんだ‥

勝負はこれからってことだな──














「お頭!!
俺達の家作りは後回しにして婚儀の準備しちゃいましょうよっ」


「なに言ってやがる!

舎弟の面倒も見きれない男のところに喜んで嫁入りする女がいるか!
わかったらとっととテメェらの小屋、早く作りやがれ!!」


「へい…っ…」




東の山岳地帯、全域を縄張りにしてから幾日‥

大山賊の疾風迅雷は昼夜を問わず自分達の住む小屋作りに励んでいる‥


‥バンビ‥待ってろよ。

お前を迎えに行くにはまだまだ日がかかりそうだ💧

なぁに‥寂しくなったらまた、慰めに行ってやるさ‥

‥ぐふっ…




「お頭がまた一人で笑ってやがるぞ💧」

「あぁ、婚儀が遅れてるから機嫌悪くなると思ったが‥上機嫌過ぎて逆に気持ち悪いな💧」



舎弟達はぐふぐふと含み笑いするレオに半ば怯えながら作業に取りかかっている💧‥


そぅ、作業に時間がかかるのにも訳があった‥

縄張り拡大の時に一掃した賊達が行き場を失い、次々にレオ達、疾風迅雷の傘下に仲間入りしたせいもあるからだ‥
縄張りが拡大したと同時に仲間まで増加してしまった


レオの統率力が今、正に試されようとしている‥

上に立つ者としてやるべきこと──


レオはそれを知っている‥

だからこそ婚儀の準備を中断してまでレオには舎弟達の暮らして行ける環境を先に整える責任があるのだ‥


やるべき事も出来ない頭について行く舎弟はいない‥

そんな頭に嫁入りしたって誰も認める奴はいないからな‥

俺様の嫁にくるんだ‥
こいつら全員にバンビを認めさせてやる義務がある。

嫁さんに来て後悔させない義務がな!!


そう‥
『さすが、お頭が選んだ
姐さんだ!!』

そう言わせるためにもレオには舎弟達にアルを認めさせる義務があった‥

そうするにはやはり自分が賊の頭だと認められていること‥‥‥

これは絶対条件でもある。

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