183 / 312
第四章 伝説編
3話 光の導き
しおりを挟む「着いたぞアル‥
どうだ?気分の方は‥」
体調を聞いてくるロイドにうん‥とだけ返事を返し、アルは馬から降りて湖の方へ歩き出す。
「‥アル?」
ロイドの呼びかけにも答えずアルはまっすぐに湖へと向かう──
‥確かに変になってるな💧
ロイドは仕方なく黙ってその後をついて行った。
光り‥
あの時と同じ‥‥
遠くを見つめただひたすら前へと進む――
アルには見えていた──
湖から天に向かい真っ直ぐに伸びた光りの柱‥
さっきまでの恐怖心はいつの間にか拭われそのかわりに今度は異様な程に脈動が激しく唸る‥
でも、気分は悪くない‥
《従者よ‥》
――!っ‥
アルは急に目を見開き足を止めた。
・
《我が信愛なる従者よ
よくぞ参られた‥
だが、まだ力を与えられぬ
集めるのです―――
そなたに忠誠を誓う者達を
赤の輝き‥
青の輝き‥
緑の輝き‥
何をも恐れぬ心‥
そなた自身を信じなさい
さすれば三つの光りがそなたの元へ集うでしょう‥》
‥三つの光り?
「え?あっ!!
待ってっ!!意味がよくっ」
「アルっ!!」
消えいく光りを追いかけようとしたアルの手をロイドが強く引き戻すっ!
「身投げでもするつもりか!?」
「えっ?‥あっ…」
ロイドに言われ、足元を見ると湖ぎりぎりの位置に立って身を乗り出している自分がいた。
「たくっ…
変になるってのは本当だな。一人で行かさなくて正解だった‥‥」
「ゴ、メン‥ナサイ💧
だって、光りが‥//」
「とにかく、もう気がすんだだろ?顔色もいいみたいだし、帰るぞ!」
ゴニョゴニョと何か言うアルのの手を無理矢理引いてロイドは馬に乗せる
‥だって光りが‥
光りの中から誰かが‥
ロイドには見えてなかったんだ‥
アルは口に出せず心の中で繰り返していた
・
アルは馬の背に揺られながら湖を振り返った‥
今は完全な静寂に包まれ湖の水面には満月になりかけた月が映っている‥
‥あたしは眠ってなんかいないし、今度は間違いなくはっきり聞こえた‥
‥三つの光りが集う‥
集めろってこと?
どうやって!?
“何をも恐れぬ心‥”
“自身を信じる‥”
・・・・わからない‥
「また、考え事してるのか?」
「――!?‥」
後ろからロイドが覗き込むようにアルに問掛けた
「‥‥‥ねぇロイド‥」
「ん‥?」
「赤と青と緑の輝きって何かわかる?‥」
「‥‥‥💧
いきなり、謎かけか?」
「別に、謎かけではないけど💧‥」
アルの意味不明な質問にロイドは呆れながらも考える
「んー、謎かけじゃないなら普通に考えて宝石しかないだろ💧?
他に何があるんだ?」
「そか‥そ、だよね💧」
そういったまま再び考え込むアルの頭をロイドはくしゃっと撫でる
「着いたぞ‥」
「うん、今日はありがとう」
家に着き礼を言って立ち去るアルの後ろ姿を見つめていると、アルは急に振り返った
「‥どうした?」
「‥‥ロイドは‥
あたしに忠誠を誓う?」
・
「──……クスッ…」
アルの問いかけに目を丸くしたロイドだったが一瞬、笑みを溢すとすぐに馬から降りてアルの前に膝まづきアルの手を取った‥
「アル‥
俺はお前のものだ―――
お前が死ねというなら俺はいつでも死ぬ覚悟ができてるよ‥」
ロイドは揺るぎない強い眼差しでアルを見つめる‥
そして優しく微笑むとアルの手の甲に唇を落とした
敬意を示すと立ち上がり今度はアルを強く抱きしめる
耳元で囁く言葉はロイドのアルへの確かな想い‥
「誓うよ‥
何度でも‥‥
お前は俺の‥女神だ…」
「‥///‥
ぁ、ありがとう‥っ」
ふと、突然口をついて言ってしまった言葉に真っ直ぐな瞳で返されてアルは赤面していた‥
‥やだ…っ…なんであたしこんなことロイドに言っちゃったんだろ!?
この場の雰囲気をどう変えていいかわからない。
アルは勢いで口を開く
「あ、あ、じゃあっ…
誓うなら絶対に死なないで!!」
「──‥!?
‥ああ‥わかった‥
お前が死ぬなって言うのなら絶対に死なない‥‥」
真っ赤な顔でうつ向くアルが堪らなく愛しい‥
・
ロイドはアルの熱い頬に、そっと手を添えた──
「アル‥」
名前を囁き愛しい人を見つめる‥
ロイドはアルの顔を自分に向けるとゆっくりと唇を重ねた。
互いの熱い舌が絡み合う。慈しむように柔らかく唇を押し付けては放し呼吸を送る。
いつもの激情にかられた激しいキスではなく、互いを愛しむように…
「‥ハァっ‥‥」
二人の唇から熱い吐息が漏れる‥
ロイドはアルの熱く潤んだ瞳を見つめた‥
その中には確かに自分が映っている。
アルの背中を見送る度に不安にかられることがある‥
たった一人で前を突き進むアル‥
真っ直ぐに前を見据え自分の手の届かぬ所へ行ってしまいそうな不安に‥
今日の草原でもロイドはとてつもない不安に怯えていた‥
何度呼びかけても振り返らず吸い込まれるように歩くアルの後ろ姿に、ロイドは一瞬胸が張り裂けそうなほどの不安を覚えていたのだ
ロイドは不安をかきけすようにアルを抱く腕に力を込めた
「アル……っ
俺に死ぬなと言うなら‥
生きよう‥共に──」
胸の奥の掻き消せないこの不安を──
アル‥
お前が消してくれ…っ
・
こんなにしっかりと抱きしめているのにアルがいつかいなくなってしまう──
そんな不安が消せない‥
……何故なんだ!?
ロイドの震える背中にアルはそっと手を回す‥
「ロイド‥
どうしたの?」
アルはロイドを見つめ優しく問いかける‥
そして‥微笑んだ…
「大丈夫だよ‥
大丈夫だから…」
ロイドはそう言葉を紡ぐアルの微笑みに、小さく息を漏らした‥
―カサっ!
ルイスは執務室に隠り地図を眺める‥
‥誰にも知られずひっそりと時を紡いだ神に近い地‥
それだけ人目を忍んでたってことになる‥
伝承の地‥か‥‥‥
現代の地図と古き地図を見比べていると明らかに異なるところだらけだ‥
二千年の歴史は重いな💧
古き地図を見るとほとんどが山や森で埋めつくされており道らしい道も描かれていない‥
もちろん建国される前だからルバール城も記されていない‥
開拓前のルバールか‥
ルイスは新地図と古き地図を照らし合わせ城の位置を探しあてる。
そして城の位置からアル達が辿ったであろう森の道を大まかに考えながら目星をつけていった‥
・
取りあえず明日、地図師にコレを移し直してもらうか‥
このままじゃ、なんて書いてあるか見えないしな💧
長年のうちにできてしまったシミなどで地図に書いてある村名が読み取りにくい
ルイスは地図に書いてある文字らしきものを指でなぞりながら思う。
まぁ、やっとこさ足掛かりになるものを見つけられたんだ‥
勝負はこれからってことだな──
「お頭!!
俺達の家作りは後回しにして婚儀の準備しちゃいましょうよっ」
「なに言ってやがる!
舎弟の面倒も見きれない男のところに喜んで嫁入りする女がいるか!
わかったらとっととテメェらの小屋、早く作りやがれ!!」
「へい…っ…」
東の山岳地帯、全域を縄張りにしてから幾日‥
大山賊の疾風迅雷は昼夜を問わず自分達の住む小屋作りに励んでいる‥
‥バンビ‥待ってろよ。
お前を迎えに行くにはまだまだ日がかかりそうだ💧
なぁに‥寂しくなったらまた、慰めに行ってやるさ‥
‥ぐふっ…
「お頭がまた一人で笑ってやがるぞ💧」
「あぁ、婚儀が遅れてるから機嫌悪くなると思ったが‥上機嫌過ぎて逆に気持ち悪いな💧」
・
舎弟達はぐふぐふと含み笑いするレオに半ば怯えながら作業に取りかかっている💧‥
そぅ、作業に時間がかかるのにも訳があった‥
縄張り拡大の時に一掃した賊達が行き場を失い、次々にレオ達、疾風迅雷の傘下に仲間入りしたせいもあるからだ‥
縄張りが拡大したと同時に仲間まで増加してしまった
レオの統率力が今、正に試されようとしている‥
上に立つ者としてやるべきこと──
レオはそれを知っている‥
だからこそ婚儀の準備を中断してまでレオには舎弟達の暮らして行ける環境を先に整える責任があるのだ‥
やるべき事も出来ない頭について行く舎弟はいない‥
そんな頭に嫁入りしたって誰も認める奴はいないからな‥
俺様の嫁にくるんだ‥
こいつら全員にバンビを認めさせてやる義務がある。
嫁さんに来て後悔させない義務がな!!
そう‥
『さすが、お頭が選んだ
姐さんだ!!』
そう言わせるためにもレオには舎弟達にアルを認めさせる義務があった‥
そうするにはやはり自分が賊の頭だと認められていること‥‥‥
これは絶対条件でもある。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる