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第四章 伝説編

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『──!‥アルッッ

‥待てっ行くな💧!!』






…っ…嘘だろアルッッ‥

そんなこと言われたら俺にだってどうにも出来ないじゃないか!?






―ガバッ!

「ちょっ、‥っ

アル──ッッ!
早まるんじゃない!!」


「何を‥💧?」



ロイドは藁布団を蹴り上げ絶叫するッ


「・・・・。


‥な、にを‥‥‥って‥//」


「子馬が生まれそうだって聞いてティム達と一緒に出勤したからついでに寄ったんだけど‥‥‥💧」



壮絶な捨てゼリフを吐かれ立ち去った筈の想い人にそう言われロイドは我にかえる‥‥‥

景色はもう、朝だった💧



「もしかして、またあたしの夢見たの💧?‥」


「‥え💧、
いやッべ、別にっ‥//」


慌てて言い訳するロイドをアルは思いっきり疑いの眼差しで見つめている💧


「な、別にエッチな夢じゃないぞっ」

「やっぱりあたしの夢なんだ」

「……っ…//」

そう言い返されロイドは真っ赤になる


「そ、だってお前があんなことするから俺だって気になるに決まってッ‥//」


「――?あんなこと!?
それどういう‥」


「兄ちゃん!!まだかよ💧
みんなお腹空かせてるぞ!」




二階で揉める二人にティムが下の階から呼びかける


「‥‥あぁ! 今行く!!」


ロイドは返事をすると階段を下りながらアルを振り返った。



「昨日……


女の子にキスしてただろ!?
しかも、アルの方からっ…//」


「……っ!?」

ウソ‥‥見られちゃってた?…//💦



拗ねた顔でロイドはアルを睨む‥
そして、無言のままバケツを手に取り馬の飲み水を汲みに行った



‥そんなこと言ったって💧しょうがないじゃん!!‥//大人の癖にすぐ拗ねるんだからっ‥




アルは黙って水汲みをするロイドにため息を溢す


「お前も大変だね。あんな短気者に世話してもらうなんて!💧」


アルはそういいながら身籠る母馬の頭を一撫でして役所に向かった。









‥ほんっとにロイドって子供なんだからッ!


アルはブチブチと愚痴を溢しながら役所の扉を開けた。


「……おや、アル。
足の調子はもういいんですか?」


「アレン!
うん、みんなに迷惑かけちゃって‥」


‥はぁ‥やっぱアレンと話しすると落ち着くな‥//


穏やかな笑顔に迎えられ、誰かさんのせいでピリピリとしていた神経がほぐれていく‥



「完全に治ってないのなら無茶はしないことですよ!
変な治り方だと癖になってしまいますから」


「うん、でもあまり長くも休めないし💧」


ハハっと苦笑いするアルにアレンは言う


「‥では帰りは私が馬車でお送りしましょう‥ね」


「え!いいよそんな‥」


相変わらずのニコニコ顔で言うアレンにアルは断りかけたが、アレンは言い出したら聞かない主義‥

アルはアレンの好意を素直に受け入れた。


そして世間話をしながら出勤時間を確認すると、アルは時計の下に堂々と飾り付けられた絵画に目が飛び出た💧


ひぃやぁ〰〰〰💦💨


「ちょっとアレン!!‥//💦あれは何!?なんであの絵がぁ〰〰」



「‥絵?
あぁあれですか‥アレはほんとに激戦でしたよ

一気に大枚はたいた甲斐があります。他の絵は全部競り落とされてしまって‥ まぁ、私は最初からあの絵を狙ってたんで!」


イキイキと満足気に語るアレンにアルは赤面しながら訴えるッ


「なんでアレンが買うの!?‥//」

‥いや〰っ…もぅ知らない人の方がよっぽどマシなのに恥ずかし過ぎるじゃん‥っ//

「買ってはいけませんでしたか‥素晴らしい絵だと思ったものですから」



「でも、こんな人目のつくとこに…っ…」


「‥‥それは…っ…絵画とは眺めてたしなむ物ですから‥」

「そりゃそうだけど、でもっ💧‥」


アレンの当たり前の答えにアルは反論できずに押し黙る。
モゴモゴと口を動かすアルにアレンは言った

「人目は嫌でしたか?
‥‥しかたないですね‥‥では、私の自室に後で移動‥」

「それはもっとダメ!!‥//」

「‥‥💧」

‥では、一体どうしろとおっしゃるのでしょう?💧


アルの力強い言葉に今度はアレンがたじろいでいた‥


‥あんな絵をアレンの部屋になんてとんでもない‥///



結局、絵画はそのままの位置にキープすることになった💧

芝居の稽古に復帰し、立ち回り稽古はやめて台詞合わせのみを済ませ、アルはルイスの元へと向かう‥

朝のアレンからの通達で今後のアルの活動メインが
“例の件”の事になるらしく、その打ち合わせの為にアルはルイスに呼ばれていたのだ‥


‥カチャ!

「隊長サン?」


「ああ、来たか?足はどうだ?」

「普通に生活するにはどうってことないよ!」

怪我を気づかってくれるルイスにアルは答える



「そうか、実は昨日、会議でのことをお前にもと思って‥まぁ、そこに座ってくれ」


ルイスは立ったままのアルに椅子をすすめ自分も腰掛ける。そして“例の件”を話し始めた



「‥‥‥黒い雲がこの国に向かってる!?」

「あぁ。
伝承の地の入り口について話そうと各国の大臣に集まるよう伝令を‥って矢先にだ‥‥‥朝一番でとっくに皆さんお集まりって訳だ。

参ったよ‥まだほんの少しの足掛かりしか掴めてないってのに‥
頼みの綱はマーク博士の翻訳次第」


ルイスはペンを指先で弄びながら深いため息を溢し遠くを見つめる。

「マークも頑張ってるよ。
夕べ遅くまで部屋に明かりがついてたし‥ティム達も皆で協力しあってる…」


「そうか‥
もどかしいな‥」

「‥‥もどかしい?」

ルイスの言った言葉にうつ向いていたアルは顔をあげた
ルイスは皮肉げに笑みをこぼし目を伏せる

「あぁ、‥‥‥ちび達が一生懸命頑張ってるってのに‥国を守る立場の俺が何も出来ない‥‥
フン‥もどかしいの以外に何がある?」



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