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第四章 伝説編

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台座についた片手を支えにぐっと渾身の力を込めると急にズズ―――ッと剣が呑み込まれ、柄の部分まですっぽりと鍵穴に収まっていた。


そして、ガチャッッ!と錆び付いた何かが外れる音が響く――



「……!!
開いたみたいだな」


ルイスは額にうっすらと滲む汗を拭うと、すき間の開いた台座の蓋の間に自分の剣を差し込みテコのようにして持ち上げた。


「……っ…階段!?」


‥暗闇の中には地下へとと降りる階段がある

「‥‥ゴクッ💧
ど、どうするの?」


「行くしかないだろ💧?」


生唾を飲みながら聞くアルにルイスはそう答えた


鍵穴に差し込んだ剣を鞘にしまうとアルはランプを手にしたルイスの後に続く。

そして、階段を降りて行った。


時折、ピチョーン‥と暗闇の先で雫の滴る音が響く度にアルはビクリと肩に力を入れている‥


「ティム達が居なくてよかったな💧
騒ぎまくって収集がつかないだろうか……?

‥なんだお前‥もしかして怖いのか?」



ちびっこ達の事を語りながら振り向いたルイスはアルのへっぴり腰を見てフッ‥と笑いを溢した


「しょ、しょうがないでしょッ‥//
だって変な音がするんだもん!!」


アルは訴える。

洞窟や地下道などは風が通っただけで女の悲鳴や泣き声のように聞こえてしまう。

暗闇での野宿経験者ではあるが野鳥や動物の鳴き声のほうがよっぽどいいとアルは思った💧


「‥‥ふっ

わかったよ‥」




ルイスはそう言って優しく微笑み、片方の白い手袋を外した。そしてアルに手を差し出す。


「‥ほらっ―――

どうぞ姫君‥」


「‥!‥//」





「どうした?
大サービスだぞ?

嫌なら別に構わないがな‥」


「‥ぁっ‥//」


手を握ることを躊躇しているとルイスはそう言って出した手を引っ込める…

アルはそんなルイスの手を慌てて掴んでいた‥


二人は地下に辿りつくと辺りを見渡す‥


そして壁に描かれた古の文字を発見した


「‥‥これは、やっぱりマーク博士に御同行願うしかなさそうだな‥‥
よし、危険がないか他も見て回ろう‥」


ルイスはそう呟きアルの手を引きながら壁づたいに様子を見て回る



「‥?‥あそこにも何か書いてあるな…」


奥に進み、突き当たりの壁をルイスはランプで照らし目を凝らす。

「何か獣の絵みたいだな‥お前達の村にもあったのか?こんな絵が?」


ルイスの問いかけにアルは首を傾げながら壁の絵を眺めた‥


いかにも想像の世界の獣‥そんな感じの絵が三体描かれてある。その下にも古の文字で何か書かれていた。

「‥他に見れそうなとこはないな…よし、明日また博士を連れて出直そう!!一旦戻るぞ。」

「あ、うん‥」


ルイスはアルの手を取り降りてきた階段を上り始める。


「!っ―――‥」

「‥?ん、どうした?」


握っていたアルの手に一瞬グッと力が入ったように感じルイスはアルを振り返った‥


「なんだ‥まだ、足が痛むのか?」


「ちょっと‥上がり下りは踏みしめる時に体重が掛かっちゃうから‥はは💧」


「?…じゃあさっきも痛かっただろ?」

笑いながら言うアルを見つめルイスは聞き返す。

「あ、さっきはゆっくりだったからそんなには‥」



そう、降りてくる時は様子を伺いながらゆっくり下りて来た為にさほどの痛みは感じなかった。




「これを持ってろ‥」

「え、あ…!?」


ルイスはアルにランプを預けるといきなりアルを抱き抱え階段を上っていく。


「ちび達にしてもそうだが、お前達はもう少し人を頼るって事を学んだ方がいい。
まぁ、気づいてやれなかった俺が悪いんだがな…」


「そ、そんなことは…
・・・ごめんなさい」


ルイスに「足元を照らせよ!」そう言われながらアルは抱き抱えられ恐縮していた‥


‥なんだ‥じゃあさっきのへっぴり腰も足が痛くてヒョコってただけか?



ルイスはそう思いながら自分の腕に抱えられ、赤くうつ向くアルを見つめた。

「な、なに!?‥//」

「いや…お前……


太っただろ?」


「―――!な‥//💦」


「前に抱いた時より重くなってる…」

「!!!‥だっ、抱いたなんて言わないでよ‥//💦」


ルイスの言葉をアルは慌てて否定している💧


「‥‥💧


じゃあ前にヤッた時よ‥」

「やってない!!!💦‥//」


「案外、強情だなお前も💧」

「//‥💧」

ルイスは諦めて無言で階段を上りたどり着くとアルをストンと地面に下ろす‥




「ぁ、アリガトウ‥//」


そしてルイスは小さくお礼を返すアルを見つめると、急に腰を屈めて覗きこんだ。


「……っ…」



月の光をルイスの影が遮りアルの視界が闇に落ちる‥
ほんの一瞬、柔らかく触れたルイスの唇が離れるとペロッと何かが軽く撫でた。
乾燥した冷たい風が濡れたアルの唇を乾かしていく…


ルイスは呆気にとられたアルを見つめクスッ‥と笑みを溢す。


「レディなら‥

お礼はキスで返すもんだろ?」


「──…なっ…ちょっ、

‥‥え‥っ//」


「…ぷっ……知らなかったのか?
だからモニカもあの時お前にキスしたんだぜ?」


動揺するアルを尻目にルイスは小さく笑いを溢しながら当然のように言い聞かせる

「え!?
だっ、でもっ‥💦‥//」


「まあいい……もう帰るぞ。家まで送って行くから」

そう言って慌てるアルを置いて、ルイスは馬を繋いでいる方に歩いて行く‥


‥そんな‥っ
お礼のキスなら唇舐めることないじゃん!!‥っ//

ほんっとにエロリンなんだから!!‥//


「なにしてる?早く来ないと置いて行くぞ!?」


離れたところから声をかけるルイスに、アルは頭から湯気を立たせながら足を早めた。

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