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☆男装バレて~のアルと彼らの× × × 。
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しおりを挟む「きゃあっ!!」
―――!?
茂みの先で聞こえたアルの悲鳴を聞き付けロイドは急いで駆け寄った。
「アルっ! 大丈夫か!?」
マークに頼まれた新薬の材料の植物の買い付けのため、隣国に泊まり掛けで来ていたアルとロイド。
旅路の途中、疲れた愛馬を草むらで休ませ水を飲ませていた矢先の事故だったのだ…
崖から足を滑らし、気を失ったアルを見つけると、ロイドは慌てて医者に駆け込んだ。
くそっ…俺が付いて居ながらっ!!…
ロイドは診療所の部屋の前で唇を噛み締める。
歯がゆさに眉をしかめるロイドの耳に、扉を開く音が聞こえた。
「先生、アルはっ!?」
ロイドは医者に詰め寄った。
「ああ…意識は回復したし、まあ、傷は大したことはないです…」
ロイドはその言葉に思わずホッと息をつく…
「……が…」
―――!?
続く言葉を濁らせた医者に、ロイドは掴みかかりそうな勢いを見せた。
「他に悪いところでも!?」
不安な表情のロイドに、医者は難しい顔を向けて顎に手を置く。
そして、ぽつりと言った…
・
「幼児返り…ですな」
「………は? 幼児…返り?」
医者は頷いた。
医者が言うには、意識そのものに障害は見られないが、記憶的なものに少し支障をきたしていると口ごもる…
「私も医学書でしか読んだことがないが、………普通の記憶喪失とはちと違いが…たぶんに症状はそれだと思うのですが」
打ち所が悪かったのでしょう…
医者は気の毒そうに、そう付け足した。
幼児返り………
ロイドは不安を抱えてアルを見舞った。
「アル…大丈夫か?」
診察室に入りきょとんとした顔を向けるアルに、ロイドは恐る恐る声を掛けた。
「うん! 大丈夫!それよりお腹すいちゃった!!」
「お腹? あ、ああ…そうだな…」
無邪気にアルは笑顔を向ける。
普通には見えるんだが…
ロイドは戸惑いながらアルと診療所を後にした。
“一時的なものかも知れません…ちょっと様子を見ることにしましょう”
医者の言葉を思い出しながら今夜とってある宿へ向かうロイドの手をいきなり、きゅっとアルは握ってきた。
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