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レズビアン・・・
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しおりを挟む中庭に面した造りになっていたそこは、緑も同時に眺められ解放感いっぱい。
会費っていくらぐらいなんだろ…
思わず庶民らしく疑問に思ってしまう。
エステなんて独身の頃に一、二万円のコースが精一杯。
一生、来れないような聖地に足を踏み入れてしまった…
「さ、こっちへ…」
扉口で尻込みする私を彼女は庭へとせり出したシャワーの場所へと手招く。
「え、あ…あのっ」
「どうしたの?」
服に手を掛けられて戸惑う私に彼女は不思議そうに尋ねた。
「私はっ…どうしたら…」
何だか緊張するっ…
彼女は恥ずかしがる私の服を躊躇わず脱がし始めた。
「ふふ…大丈夫よ、海外のエステではエステティシャンが全部するの…何も恥ずかしがることはないわ」
“私に任せて…”
耳元で吐息混じりに囁いた声にぞくりとうなじが痺れる。
「で、でもっ…」
どうしていいかもわからずに立ちすくんだままの私の下着まで彼女は取り去ってしまった。
おどおどとする私を見て彼女はふっと口元を緩める。
「わかったわ…私も脱ぎましょ。女同士裸なら気にならないでしょう?…」
「…えっ…」
大事な部分を必死で隠す私の前で彼女は大胆に自分の衣服を脱ぎ始めた。
・
脱いだドレスを籠に置き、乱れた髪を無造作に掻き上げて簡単にまとめる。
潔く晒されたビィーナスの全裸。
その姿があまりにも完璧過ぎて………
「……っ…」
私は慌てて自分の躰のラインを両手で庇っていた…
「ふふ…さあ、これなら問題ないでしょ?」
ちょっ…問題ありありだってばっ!!
比べること自体が間違えてる…
それはわかっているのに嫉妬心が自然と沸いてしまう。
憧れと羨みの狭間…
何だか複雑だ。
「早く」
心の奥底で葛藤する私を彼女は呼ぶ。
目もくらむ程の笑みを浮かべ、美しい妖魔が誘いを掛ける…
彼女はほどよい温かさのシャワーを私に向けるとそっとしなやかな指先で私の肌を撫でていた。
勝手がまったくわからない…
慣れない扱われ方…
今まで、味わった事もないような触れられ方に私の肌が正直に反応する………
「やっぱり綺麗よ貴方…」
「…っ!……」
背筋に添って這う指先が私を試すように上下に滑る。
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