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第六章 芽生えた感情
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唇を離すと、智哉さんは瞳に欲情の色が浮かびあがらせながら私を見下ろした。
普段は温厚で穏やかに見えるけれど、こういうときの彼はスイッチが入ったかのように雄の顔になる。
見つめ合っているだけで、彼に抱かれたあの日の晩の熱が蘇りそうになる。
ごくりと唾を飲み込む私の唇を彼は再び奪った。
「んっ……」
智哉さんは角度を変えて何度も私の唇を貪る。
いやらしく求められる感覚に、頭の中が真っ白になる。
ぬるついた舌が私の口の中を蠢く。
「っ……ふっ……っ」
「舌、出して。もっと実咲を味わいたい」
官能的な囁きとクチュックチュッというという唾液の絡まり合う淫靡な音が静かなリビングに響く。
すると、大きな手のひらが私の腰を撫でつけた。たまらず体をビクッと震わせる。
彼に抱かれたいと本能が叫んでいた。ジクジクとうねるように疼く下半身。
けれど、私は必死に本能に理性で抗う。
なんせ同じ家の中に春ちゃんがいるのだ。今はぐっすり眠っているものの、いつ起きてくるか分からない。
「智哉さん、待っ――」
私が言いかけた瞬間、智哉さんは私の体から手を離した。
「……今日はダメだ。春ちゃんがいるし、あの日のように勢いのまま実咲を抱きたくない」
智哉さんはそう言うと、私の体を支えてゆっくりと抱き起してくれた。
「今日は我慢するよ。それに、今はこうやって一緒にいられるだけで十分だから」
智哉さんは私の体を優しく包み込むように抱きしめて、頭を撫でてくれた。
私はそれにこたえる様に、彼の背中に腕を回す。
今まで感じたことがないほどの安堵感に包まれているときだった。
ブーッブーッと私のスマホが音を立てて鳴り出した。
それに気付いた彼が、私の体に回す腕の力を弱める。
「電話でなくていいの?」
「……はい」
確認しなくても誰がかけてきたのか分かる。
こんな夜遅くに電話をかけてくる相手はひとりしかない。
元カレの俊介に違いない。俊介の私への執着は日に日にひどくなっている。
時間関係なく、こうやって執拗に電話をかけてくる。
しばらくすると、電話はプツリと切れた。
静寂の訪れた室内で私はようやく手に入れた幸せが離れていかないように、ギュッと彼の背中に腕を回した。
普段は温厚で穏やかに見えるけれど、こういうときの彼はスイッチが入ったかのように雄の顔になる。
見つめ合っているだけで、彼に抱かれたあの日の晩の熱が蘇りそうになる。
ごくりと唾を飲み込む私の唇を彼は再び奪った。
「んっ……」
智哉さんは角度を変えて何度も私の唇を貪る。
いやらしく求められる感覚に、頭の中が真っ白になる。
ぬるついた舌が私の口の中を蠢く。
「っ……ふっ……っ」
「舌、出して。もっと実咲を味わいたい」
官能的な囁きとクチュックチュッというという唾液の絡まり合う淫靡な音が静かなリビングに響く。
すると、大きな手のひらが私の腰を撫でつけた。たまらず体をビクッと震わせる。
彼に抱かれたいと本能が叫んでいた。ジクジクとうねるように疼く下半身。
けれど、私は必死に本能に理性で抗う。
なんせ同じ家の中に春ちゃんがいるのだ。今はぐっすり眠っているものの、いつ起きてくるか分からない。
「智哉さん、待っ――」
私が言いかけた瞬間、智哉さんは私の体から手を離した。
「……今日はダメだ。春ちゃんがいるし、あの日のように勢いのまま実咲を抱きたくない」
智哉さんはそう言うと、私の体を支えてゆっくりと抱き起してくれた。
「今日は我慢するよ。それに、今はこうやって一緒にいられるだけで十分だから」
智哉さんは私の体を優しく包み込むように抱きしめて、頭を撫でてくれた。
私はそれにこたえる様に、彼の背中に腕を回す。
今まで感じたことがないほどの安堵感に包まれているときだった。
ブーッブーッと私のスマホが音を立てて鳴り出した。
それに気付いた彼が、私の体に回す腕の力を弱める。
「電話でなくていいの?」
「……はい」
確認しなくても誰がかけてきたのか分かる。
こんな夜遅くに電話をかけてくる相手はひとりしかない。
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時間関係なく、こうやって執拗に電話をかけてくる。
しばらくすると、電話はプツリと切れた。
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