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第一章
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しおりを挟むクラス会は、恵比寿にある駅から徒歩五分の場所にある大衆居酒屋で行われた。
暖色の照明にゆったりとした掘りごたつ。壁には焼き鳥メニューがずらりと並んでいる。
「いやー、まさか結乃ちゃんが来てくれるとは思わなかったよ」
両隣をサッカー部の陽気な男子に囲まれて、私は強張った笑みを浮かべる。
男子十五人、女子十人の合計二十五人が集まった。
全員で写真撮影をした後、各々飲み食いしながら近況報告を交えて談笑する。
「お前、もうさっきの集合写真とかSNSにアップしてんのかよ。つーか、これじゃ個人情報駄々洩れじゃん。ネットリテラシーねぇな」
「大丈夫だって。俺のSNSなんて見る奴ほとんどいねぇし。つーか、さっき陽介に自慢しようと思って【結乃ちゃんきた!可愛い!】ってメッセージ送っちゃった。あ、もう既読付いてる」
突然出た陽介くんの名前にドキッとする。
私ってば、なにを期待しているんだろう。彼が今日こないと知っているのに……。
陽介くんのことは何度かビジネス系の雑誌で見かけたことがある。
昔のような幼さは消え、大人の男性に成長していた。
けれど、端正な顔立ちは今も健在で、彼が掲載された雑誌は売り上げ部数が目に見えて増えるほどの人気ぶりらしい。
「俺らの中で一番出世したのって、やっぱり陽介だよな~。早瀬商事の御曹司とかマジで羨ましい。でもさ、よく考えたらアイツ早瀬社長の実の息子ではないんだよな?御曹司って言わないのか?」
「血の繋がりの有無なんて関係ないんじゃね?アイツ、顔も良いし性格も良いくせに、おまけに家柄と仕事もゲットだろ?無敵過ぎじゃん。毎日とっかえひっかえ綺麗な女抱きまくってんだろうなぁ。人生イージーモードじゃん!」
お酒が進み、みんなの声のボリュームが大きくなる。
「やべぇ、羨ましい!」
「ズルいよなぁ。俺なんてどんなに頑張ってもいまだ平社員だぜ?給料だって全然上がんないしよぉ」
高校時代の二人はムードメ―カーで明るく常にポジティブなタイプだった。けれど、アルコールのせいかどことなく愚痴っぽくなる。悪酔いしそうな彼らを見かねて、私は温かいお茶を注文する。
二人はなおも私越しにあれこれ愚痴をまき散らした後、同意を求めるように私を見た。
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