地底魔物侵略

みかん

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二話 希望と喪失

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「あれから三年か……」
 雅彦は言う。
「……きつかったな」
 純一は言った。
「でも無事、僕たちは戦士になれた」
「三年間のきつい訓練を終えて……あのときの思いを晴らす……絶対に……」
「あぁ!」
 雅彦の言葉に純一は強く返事をした。
「一緒に頑張ろう!」
 雅彦は純一の方を向いて言った。
「あぁ!」
 純一は更に大きく返事をした。

 そして地上への出撃のときが来た。
「ついに来たか……」
 雅彦は言う。
「そうだな……」
 純一は感慨深そうに返事をする。
「早かったな……」
「絶対に晴らすぞ……あのときの気持を……」
 純一は雅彦の方を向いて言った。
「全員俺たちでぶっ倒してやる!」
「はは! それは頼もしいな!」
 純一は笑いながら言った。

「全隊員、整列!」
 隊長の鋭い声が響き渡った。
「全隊員出撃!」
「うおぉぉぉ」
 二人は隊長の合図と同時に雄叫びを上げながら、前進した。

 地上の日差しは明るく照っていた。
 日差しが皮膚に照りつける。
 陽の光はこんなにも暑いのか二人はそう思った。
 目の前に魔物の姿が見えた。
 あのとき以来の対面である。
「やるぞ!」
 雅彦は純一の方をっ向いていった。
「あぁ!」
 笑顔で答える純一の顔は日差しで明るく照らされていた。
「はっ」
 雅彦が魔物へ県を降り掛かった。
「よし!」
 雅彦が振った剣は魔物の姿を真っ二つにし、半分になった魔物がその場に転がった。
「よくやった!」
 純一は言う。
「また来るぞ!」
 魔物が次々と迫ってくる。
「とりゃ!」
 純一も戦う。
 純一の周りにも魔物の死体が転がる。
「よっし!」
 純一がガッツポーズをする。
「やったな!」
「おぉ!」
 魔物が次々と迫ってくるも次々と敵を捌いていく。
「いいぞ! 訓練の成果が出てる!」
 雅彦が言う。
「戦えるぞ!」
「あぁ!」
 純一が言ったその時だった。
「うっ」
 純一がそういったと同時に純一の顔がみるみると青ざめていくのがわかった。
「どうした?」
 雅彦が魔物を倒した後、純一の方を向く。
「っな!」
 純一を見て雅彦は驚愕した。
 魔物の爪が背中から純一のお腹に貫通していたのだ。
 そしてお腹に刺さった爪が抜けた。
「グハッ」
 純一が口から吐いた血が地面に落ち、その場に倒れ込むと同時に、鳥の魔物は空へと飛び去った。
「おい!」
 雅彦はすぐさま純一の方へと駆け寄る。
「大丈夫か?」
 純一は目を開かない。
「そんな……」
(俺の勘違いだった……俺はあの時から何も……変わってなかった……)
 雅彦は純一を背に抱えて走り出した。
「くそっ!」
「死ぬな!……」
(俺は何も変わってない!)
(あの時から!)
(何一つ!)
(……)

 雅彦は純一を抱え、なんとか基地まで戻って来た。
「はっはぁ」
 雅彦は呼吸が荒くなっている。
「おい! 大丈夫か?」
 返事はない。
 雅彦は純一を医務室まで運んだ。
「……くそ!……」
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