当たり前なこと

みかん

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一話

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「えっ! えっ?」
 雄斗は、パソコンに映る画面と手に持った紙切れを何度も交互に目を移す。
 何だ見ても、画面と紙に書かれた数字はすべて同じ……
「ほんとに……当たってる……」
 雄斗は宝くじに当選したのだ。
 雄斗は自分の頬をつねる。
 雄斗の頬に痛みが走る。
「夢じゃ……ない……」

 すぐ宝くじ売り場に行き、人生で初めての手続きを終えた。
「すごい……」
 雄斗は自分の通帳の中身を見て絶句する。
「見たことない桁だ……」
 一つ前の引き出しの記録からゼロの数が数え切れないくらい……増えている。
 税金で多少持っていかれたが正直気にならなかった。

 とりあえず、十万だけお金を下ろし、自宅へ向かった。
 自宅に向かうに連れ、変な臭いが鼻につくのがわかる。
「何だこの臭い……」
 そして角を曲がる。
 家が燃えている。
 自分の家だ。
 サイレンの音が近づいてくる。
 消防車が来た。
 消防士が出て、消火活動を始める。
 パトカーも来た。
「あの……」
 雄斗は警官に話しかける。
「どうしました?」
「僕はこの家に住んでるんですけれども……」
「そうですか! 他に中には?」
「いえ、一人暮らしです」
 三十分後、火は鎮火した。
「つまり……出火当時、家には誰もいなかったんですね?」
「はい……」
 雄斗は警官の事情聴取に答える。
「おそらく……放火ですね」
「放火……?」
「はい、火元が外側の壁であることがわかりました。電子機器からの出火ではありませんでした」
「そうですか……」

 翌日、家の中に入れるようになった。
「うわ……」
 家の中は消化の際の影響で水びたしである。
 雄斗は警官から放火の可能性があるため、中に何かなくなっているものはないか、確認するように言われた。
 雄斗はぼろぼろになった家の中を見ていく。
「ない……」
 棚の中に入れてあった高級ネックレス、代々受け継いでいた大昔の掛け軸がなくなっていた。
「おそらく、空き巣に入られたあと、放火されたのでしょう……」
 警官は言う。
 その後、連続放火事件の容疑者として、犯人は逮捕された。
 雄斗は火災保険に入っていたため、家具などの修繕などができた。
 他、保険適応外のものは自費で購入することとなった。
(まさか宝くじで当たったお金をこんなことで最初に使うことになるとは……)
 雄斗は思った。
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