元チート大賢者の転生幼女物語

こずえ

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記憶の断片

機巧少女、戦う。

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「うっくし!」

「風邪ですか?」

当機…じゃなくて、自分は鼻水を垂らしてる主に問う。

「ん~…そんな風邪にかかるような事した記憶は無いけどなぁ…」

ティアラがシェラの鼻水をハンカチで拭き取りながら呆れた様子で言う。

「馬鹿は風邪にかからないですからね。脳内お花畑なシェラ様に限っては問題ないはずです。」

「ムッ…すんごいバカにしてるな?」

怒った様子でシェラが言う。

「当然です。いくら、前世の自分の家だとしても、ダンジョン化していて何が仕掛けられてるかもわからないのに、なんでも無警戒に触り過ぎです。先程も明らかに怪しい壁のボタンを押して飛び出して来た槍で全身串刺しになりかけてたじゃないですか。」

「あ、あれは…その…私の好奇心をくすぐる様なボタンが悪いと言いますか…その…」

「まだありますよ。ディアさんと会う前の掠っただけでも即死の猛毒の槍のトラップにかかって傷を負いましたし、ディアさんと会ってからも感電トラップ、異次元トラップ、凍結トラップ…酷いものなんて、明らかに罠だとわかってて、解析までしたのに起動させて、大岩に追いかけられたりもありましたよね?無警戒バカにもほどがあります!こんなのでは、命がいくつあっても足りたもんじゃ無いですよ!」

「ひぃ~!お、おひゃすけを~!」

ティアラがシェラの頬を引っ張りながら言うとシェラは涙目になって言う。

「…正直に言うと自分としてもシェラ様にはもう少し…考えて行動していただきたいものです。ティアラ様も仰られてるようにもう少し…いえ、かなーり!ものすごーく!警戒心を持って行動していただかなくてはなりません。」

「ディアまで?!」

シェラが「ガーン」と効果音がつきそうな表情で言う。

「ディアさんもそう思いますよね?特に私はシェラ様と一心同体なのですから、生きた心地がしませんよ…ほんとに…」

ティアラが呆れた様に頭を抱えて言う。

「ぶぅ…私、強いから良いもーん…」

「そういう問題ではありませんっ!良いですか?まず貴方は…」

ティアラは説教を始めようとして止まる。

「チッ…邪魔が入りましたか…」

「ホッ…」

ティアラが警戒した様子で通路の先を見て舌打ちをする。

シェラは安心した様子で胸を撫で下ろす。

「シェラ様、いつまでも間抜けな顔してないで戦闘準備をしてください。数が多いですよ。」

ティアラがそう言うと奥の通路から大量のモンスターの群れがこちらに向かってくる。

「あれは…迷宮災害ダンジョンイベントの一つ、スタンピートだね。少なくともDクラスからBクラスのモンスターが群れになってるみたい。」

シェラはそう言うと鉄の剣を構える。

ティアラは魔力で拳に炎を纏う。

「戦闘システム、起動!対軍機巧、起動!戦闘システムオールグリーン!シェラ様、ティアラ様、自分も戦います!」

自分は機巧を組み替えて大型の砲台を展開する。

「オッケー!じゃあ、各自モンスターの殲滅を開始するよ!出来る限り一撃で倒して!」

シェラがそう言った瞬間、大量のモンスターが現れる。

「先手必勝!バーストショット!」

「ドゴォ!」と言う轟音と共に極太のレーザーが放たれて、モンスターの群れを半壊させる。

「行きます!ブレイジングアース!」

ティアラが地面に拳を叩きつけて燃え盛る爆炎をモンスターの群れの中心から噴き出させる事で群れに致命傷を与える。

「さーて!私もいっちょやったりますか!ソードハリケーン!」

シェラが勢い良く剣を振るうと目の前に強力な風の渦が発生し、モンスターの群れを斬り刻みながら突き進む。

モンスターの群れはほぼほぼ壊滅状態だが、残った手負いのBクラスの数匹がこちらに向かってくる。

「機巧変更、小規模軍団遠距離兵器起動…魔術インストール、雷属性充填完了!」

狙いを定めてモンスターたちの目の前に設置型魔法陣弾で電撃を設置する。

モンスター達は見事にその電撃にかかり、雷耐性が無い個体はそれで殲滅出来た。

「シェラ様、収納しますので、お任せします!」

ティアラがシェラの中に入るとシェラが剣に水を纏わせる。

「後は任せて!全部斬っちゃうよ!」

シェラがそう言って突っ込み、敵に剣を振るう度に水の刃が発生し、あっと言う間に残りを全滅させる。

「ふっふーん!この私に挑もうなど100年早いわよ!」

そう言って、シェラは胸を張ってドヤ顔する。

『シェラ様、油断しないでください!来ますよ!』

ティアラがシェラの中から火属性の魔力の結界を貼ると上からとてつもない冷気が降り注ぐ。

「データ解析…解析完了。氷結龍:コキュートスです!」


氷結龍:コキュートスは龍種に分類されるAクラスモンスターだ。

氷結龍の名が示す通りに冷気を自在に操る能力がある事以外はわかってないほどに凶暴で危険な龍種なのだ。


シェラはコキュートスが着地する前に炎の結界を解除して、瞬時にこちらまで戻って来る。

『愚かなる小さき者よ…我が領地に踏み入った事を後悔するが良い…』

コキュートスが威圧の波動を放って言う。

「なーんだ。ただのコキュートスか。」

シェラはそう言って炎を拳に纏わせる。

「ここはテメェの領地じゃねぇぞ。死ぬか、失せるか選べ。」

シェラの殺意はコキュートスなど可愛いものだと感じるほどに恐ろしかった。

『ふん。龍でも無い小さき者に我が劣ると?笑止!その傲り、地獄で後悔するが良い!』

愚かな氷結龍は誰に向かって、その言葉を言っているのかを理解していません。

「そう…死にたいのね…」

シェラは一瞬で愚かな氷結龍を覆い尽くす程の魔法陣を展開する。

火球ファイア

シェラの静かな言葉と共に全ての魔法陣から同時に火球が放たれる。

『温い…温いぞ!』

コキュートスが翼を羽ばたかせようと広げる。

風刃エアロ

シェラの無慈悲な風の刃がコキュートスと翼を切り落とす。

『おのれおのれ!我が身体に傷をつけるどころか、我が翼を切るとは何たる無礼!殺してやる…氷河に沈め!絶対零度コキュートス______!』

コキュートスの身体から全てを凍てつかせる冷気が溢れ出す。

シェラは突然全ての魔法陣を解除すると言う。

「期待外れね。燃えなさい。」

シェラがそう言った瞬間、コキュートスの腹を火柱が貫いた。

同時に頭にも巨大な火の槍が突き刺さっていた。

「フレイムピラー、フレアランス。どちらも中級魔法ではあるけど、私が龍人を殺さずに捕獲するには十分よ。」

シェラがそう言うとコキュートスの身体が霧散し、心臓部から龍の翼のある性別不明なヒトが落ちる。

長く透き通る様な空色の髪で背丈は低く、胸も平らで人間で言えば、幼女体型だったが、性別不明なのでどちらなのかは分からない。

「さてと…」

シェラが気絶しているヒトを魔力で編んだ縄で拘束すると担ぎあげる。

「シェラ、それはどうするのですか?」

自分が聞くとシェラは当然の様に言う。

「うちで飼うけど?広いから、ちょうど良いし、非常食にもなるしね。龍の肉って美味いんだよね。龍人の時だとちょっと執拗い味になって若干味が落ちるけど…」

「えぇ…」

『これぞシェラ様なのです。』

「え?なんで2人ともそんな呆れてんの…」

3人でそんな事を言いながら歩いていると非常食…じゃなかった!

龍人が目を覚ます。

「あれ…ボクは何を…」

龍人は自身の状況に気がつくと暴れようとしながら言う。

「んな?!どどどど、どうなってるんだ?!なんで縛られてんだ?!なんで担がれてんだ?!」

「うるさい!大人しくしろ!」

シェラがそう言って龍人のお尻をペンペンする。

「いてぇ!?」

龍人はしばらく大騒ぎしていたが、やがて落ち着いた様子で…と言うよりは、かなり諦めムードで力なく身体を任せていた。

「ようやく静かになったわね。全く…」

シェラはそのまま龍人に魔術印を刻んで縄を解く。

「…?動かせるようになった。」

龍人は落ち着いて身体を動かそうとする。

「あんま動かないでくれる?落ちるでしょ」

シェラが鬱陶しそうに言う。

「ご、ごめん…」

龍人はそう言うと動かなくなる。

「確かこの辺に…あったあった…」

シェラが何かの仕掛けを動かしている。

『シェラ様はまた無警戒に触ってますね…まあ、今回は大丈夫そうですけど。』

ティアラの呆れた声が聞こえる。

「この仕掛けは覚えてるから大丈夫だよ。間違えたら強酸の海で跡形もなくなるけど。」

「自分はかからないですけど、ここって即死トラップが多いんですね。」

「そうだねぇ…まあ、殺すのが一番手っ取り早いし、空き巣みたいなのが無断でこの家のものを取れない様にする為でもあるからね。」

サラッととんでもない発言をしながら、シェラが立ち上がる。

「さてと、後はこのボタンを押せば…」

「カチッ」と言う嫌な音と共に揺れが発生する。

今までの経験から、絶対ロクな事が起きないと思い身構える。

「うわあ!?なんだなんだ?!」

ゆっくりと扉が開いて、揺れが収まる。

「だいぶ老朽化が進んでるね。後、数十年で倒壊するかも。」

そんな事を言いながら、シェラは先に進む。

自分もシェラの後を追いかける。

「これは…」

自分の目の前に大きな箱が現れた。

「さてと…この中にあるはず…」

そう言ってシェラが箱を開けると…
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