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第2章「虹が完成した日」
虹が完成した日 その③
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白華は奥の部屋の扉を開き、朱珠に向かって『どうぞ!』と部屋に向かって手を指し示した。
神原 朱珠
『あ・・・あんがと!』
朱珠に対して、笑顔で『いいえ』と返す白華。
朱珠、葵、白華の順に部屋の中へ入ると、目の前には大きなテーブルと、そのテーブルをコの字で囲うように設置された大きなソファが目に飛び込んできた。
更に突き当たりの壁には、バスルームとトイレと思われる扉とは別に、開いた扉の突き当たりの壁には、まだ2つもの扉があったのだ。
朱珠が一番驚いたのは、部屋の右奥にクイーンサイズのベットがランプを挟んで2つ設置されていたことであった。
神原 朱珠
『何やねん!』『ここ!』
朱珠は驚きの余り、普段の口調で驚きを表現した。
その光景を眺めて、微笑む白華。
林藤 白華
『いつも皆、仕事前とか仕事終わりに、この部屋で寛いでいるんだ。』
『その一番左の部屋には、パソコンが2台設置してあって、この家を所有している子がblancの本部と連絡をしたり、近隣で霊障に悩まされている人や、町に異変が無いかを常に調べてくれているんだよ。』
神原 朱珠
『この家を所有している子って・・・。』
『嘘やろ!』『ここ民家なん!』
綾女 葵
『ここは、ヨツバちゃんの家よ。入っても怒ったりはしないと思うけど、左から2番目の部屋は彼女の部屋だから入らないであげて。それ以外は、許可を取っているから自由に使ってもらっても構わないわ。』
葵は右から3番目の扉を指差し、話しを続けた。
綾女 葵
『右端の扉がトイレで、その隣の扉がバスルーム。この家を集会所として使わせてもらうにあたって、光熱費やシャンプー、リンス等の共有物は、blancが出してくれているから、その辺りも気にせずに使ってくれて大丈夫よ。』
神原 朱珠
『はあ・・・。あかん、頭が追い付かんなってきた。』
そんな話しをしていると左端の扉が開き、前髪の右半分を緑色に染めた、ぽわんとした表情の少女が顔を覗かせた。
どうやらこの子が、この家を所有している、ヨツバという少女らしい。
葵は、その少女の方に手を指し示し『この子がヨツバちゃん。この家のオーナーよ。』と朱珠に紹介した。
すると、その少女はあどけない笑顔で『私は、四葉 緑莉(しば みれい)。四葉(しば)が漢字で四葉(よつば)だから、皆にはヨツバって呼ばれているの。宜しくね。』と話すと、右手に持っていた紙を葵に手渡した。
四葉 緑莉
『はい、これ始末書。』
神原 朱珠
『始末書?』
綾女 葵
『昨日、球体を沢山割ってしまったから、本社が怒っているそうなの。』
どうやら昨日、白と黒で彩られた球体を沢山割ったことで、始末書を書くことになったようであった。
四葉 緑莉
『怒っているどころじゃ無かったんだよ。』
林藤 白華
『早朝から対応に、追われていたみたいだもんね。』
困り顔の緑莉と、苦笑いを浮かべる白華。
神原 朱珠
『ごめんな!』『私のせいや!』
綾女 葵
『気にしなくて良いわ。始末書からは逃れられなかったけど、ヨツバちゃんが、上手く話しをつけてくれたから。』
四葉 緑莉
『でも、リーダー!』『もう持ち出さないでね!』
『持ち出しすら禁止されている物を、大量に持ち出して全部使っちゃうから、怒りを宥めるの本当に大変だったんだよ。』
林藤 白華
『値段も値段だしね。』
神原 朱珠
『ごめんな!』『私、弁償するわ!』
その言葉を聞き、葵、白華、緑莉は顔を見合わせ、白華と緑莉は少し笑っていた。
神原 朱珠
『何なん?』『そんなに高いん?』
綾女 葵
『1個5千円よ。私が持ち出して割ったのは10個。』
神原 朱珠
『えっ!』『嘘やろ!』『5万円!』
『お小遣い10ヶ月分前借り出来るかなぁ・・・?』
綾女 葵
『その必要は無いわ。本社からの支給品だから、返金対応になる可能性もあったけど、ここまで大きなミスも初めてだったから許してくれたそうよ。』
四葉 緑莉
『一応、「返し忘れに気がついて、返しに行く最中転んで割れた」ってことにしたの。』
林藤 白華
『そうは言っても土日を挟んでいたり、10個も持ち出していたから、暫く"悪用しようと持ち出した"って疑われたんでしょ?』
四葉 緑莉
『うん。でも「学生に全て任せている本社側も悪い」って、サクラちゃんが間に入ってくれたから、お昼頃にやっと許してもらえたの。』
神原 朱珠
『ごめんな・・・。』
綾女 葵
『あなたが謝る必要は無いわ。』
そんな話しをしていると、玄関の扉が開く音が聞こえてきた。
朱珠が扉の方を眺めると、そこには小学生くらいの、髪の毛の毛先をオレンジに染めた小柄な少女が立っていた。
その少女は朱珠の顔を見ると、頬を赤くして恥ずかしそうに『リーダー、もしかしてその子がバラちゃん?』と尋ねてきた。
その少女の問いに葵が『ええ、そうよ。』と答えると、葵は朱珠に向かって『この子が、1月前に入ってきたヒマワリちゃん。』と小柄な少女を紹介した。
紹介されると同時に、小柄な少女は朱珠の左手を両手で握り締めながら、『私は日廻 橙羽(ひまわり とわ)。皆はヒマワリちゃんって言うけど、バラちゃんは橙羽のことを、橙羽ちゃんって言っても良いからね。』と目を輝かせながら接近してきた。
神原 朱珠
『はぁ・・・。私は神原 朱珠。宜しく・・・。』
『にしても・・・、小学生も居るんやなぁ。』
その言葉を聞き笑う白華と緑莉。
橙羽は左手を掴んだまま、少し怒った表情をしている。
綾女 葵
『ヒマワリちゃんは、年齢も学年も、あなたと一緒よ。』
神原 朱珠
『嘘やろ!』『ありえへん!』
『どこから見ても小学生やん!』
日廻 橙羽
『橙羽は、小学生じゃないよ!』
『上はスポーツブラだけど、下にはちゃんと紐パンを履いてるんだから!』
神原 朱珠
『嘘やろ!』『小学生の紐パンとか見とないわ!』
そんな中、橙羽は再び頬を赤く染めながら、語りかけてきた。
日廻 橙羽
『そんなことは、どうでもいいけど、バラちゃんは、付き合ってる人とかいるの?』
『いなかったら橙羽と付き合わない?』
そう朱珠に問いかけてきた。
神原 朱珠
『なっ、何やねん!』『いきなり!』
日廻 橙羽
『橙羽のこと嫌い?』
神原 朱珠
『嫌いとか好きとかでは、無くてやなぁ!』
『今、初めて会ったとこやし!』
『(どないすんねん! )』『(この状況!)』
橙羽と朱珠が話していると、玄関の扉が開いた。
神原 朱珠
『あ・・・あんがと!』
朱珠に対して、笑顔で『いいえ』と返す白華。
朱珠、葵、白華の順に部屋の中へ入ると、目の前には大きなテーブルと、そのテーブルをコの字で囲うように設置された大きなソファが目に飛び込んできた。
更に突き当たりの壁には、バスルームとトイレと思われる扉とは別に、開いた扉の突き当たりの壁には、まだ2つもの扉があったのだ。
朱珠が一番驚いたのは、部屋の右奥にクイーンサイズのベットがランプを挟んで2つ設置されていたことであった。
神原 朱珠
『何やねん!』『ここ!』
朱珠は驚きの余り、普段の口調で驚きを表現した。
その光景を眺めて、微笑む白華。
林藤 白華
『いつも皆、仕事前とか仕事終わりに、この部屋で寛いでいるんだ。』
『その一番左の部屋には、パソコンが2台設置してあって、この家を所有している子がblancの本部と連絡をしたり、近隣で霊障に悩まされている人や、町に異変が無いかを常に調べてくれているんだよ。』
神原 朱珠
『この家を所有している子って・・・。』
『嘘やろ!』『ここ民家なん!』
綾女 葵
『ここは、ヨツバちゃんの家よ。入っても怒ったりはしないと思うけど、左から2番目の部屋は彼女の部屋だから入らないであげて。それ以外は、許可を取っているから自由に使ってもらっても構わないわ。』
葵は右から3番目の扉を指差し、話しを続けた。
綾女 葵
『右端の扉がトイレで、その隣の扉がバスルーム。この家を集会所として使わせてもらうにあたって、光熱費やシャンプー、リンス等の共有物は、blancが出してくれているから、その辺りも気にせずに使ってくれて大丈夫よ。』
神原 朱珠
『はあ・・・。あかん、頭が追い付かんなってきた。』
そんな話しをしていると左端の扉が開き、前髪の右半分を緑色に染めた、ぽわんとした表情の少女が顔を覗かせた。
どうやらこの子が、この家を所有している、ヨツバという少女らしい。
葵は、その少女の方に手を指し示し『この子がヨツバちゃん。この家のオーナーよ。』と朱珠に紹介した。
すると、その少女はあどけない笑顔で『私は、四葉 緑莉(しば みれい)。四葉(しば)が漢字で四葉(よつば)だから、皆にはヨツバって呼ばれているの。宜しくね。』と話すと、右手に持っていた紙を葵に手渡した。
四葉 緑莉
『はい、これ始末書。』
神原 朱珠
『始末書?』
綾女 葵
『昨日、球体を沢山割ってしまったから、本社が怒っているそうなの。』
どうやら昨日、白と黒で彩られた球体を沢山割ったことで、始末書を書くことになったようであった。
四葉 緑莉
『怒っているどころじゃ無かったんだよ。』
林藤 白華
『早朝から対応に、追われていたみたいだもんね。』
困り顔の緑莉と、苦笑いを浮かべる白華。
神原 朱珠
『ごめんな!』『私のせいや!』
綾女 葵
『気にしなくて良いわ。始末書からは逃れられなかったけど、ヨツバちゃんが、上手く話しをつけてくれたから。』
四葉 緑莉
『でも、リーダー!』『もう持ち出さないでね!』
『持ち出しすら禁止されている物を、大量に持ち出して全部使っちゃうから、怒りを宥めるの本当に大変だったんだよ。』
林藤 白華
『値段も値段だしね。』
神原 朱珠
『ごめんな!』『私、弁償するわ!』
その言葉を聞き、葵、白華、緑莉は顔を見合わせ、白華と緑莉は少し笑っていた。
神原 朱珠
『何なん?』『そんなに高いん?』
綾女 葵
『1個5千円よ。私が持ち出して割ったのは10個。』
神原 朱珠
『えっ!』『嘘やろ!』『5万円!』
『お小遣い10ヶ月分前借り出来るかなぁ・・・?』
綾女 葵
『その必要は無いわ。本社からの支給品だから、返金対応になる可能性もあったけど、ここまで大きなミスも初めてだったから許してくれたそうよ。』
四葉 緑莉
『一応、「返し忘れに気がついて、返しに行く最中転んで割れた」ってことにしたの。』
林藤 白華
『そうは言っても土日を挟んでいたり、10個も持ち出していたから、暫く"悪用しようと持ち出した"って疑われたんでしょ?』
四葉 緑莉
『うん。でも「学生に全て任せている本社側も悪い」って、サクラちゃんが間に入ってくれたから、お昼頃にやっと許してもらえたの。』
神原 朱珠
『ごめんな・・・。』
綾女 葵
『あなたが謝る必要は無いわ。』
そんな話しをしていると、玄関の扉が開く音が聞こえてきた。
朱珠が扉の方を眺めると、そこには小学生くらいの、髪の毛の毛先をオレンジに染めた小柄な少女が立っていた。
その少女は朱珠の顔を見ると、頬を赤くして恥ずかしそうに『リーダー、もしかしてその子がバラちゃん?』と尋ねてきた。
その少女の問いに葵が『ええ、そうよ。』と答えると、葵は朱珠に向かって『この子が、1月前に入ってきたヒマワリちゃん。』と小柄な少女を紹介した。
紹介されると同時に、小柄な少女は朱珠の左手を両手で握り締めながら、『私は日廻 橙羽(ひまわり とわ)。皆はヒマワリちゃんって言うけど、バラちゃんは橙羽のことを、橙羽ちゃんって言っても良いからね。』と目を輝かせながら接近してきた。
神原 朱珠
『はぁ・・・。私は神原 朱珠。宜しく・・・。』
『にしても・・・、小学生も居るんやなぁ。』
その言葉を聞き笑う白華と緑莉。
橙羽は左手を掴んだまま、少し怒った表情をしている。
綾女 葵
『ヒマワリちゃんは、年齢も学年も、あなたと一緒よ。』
神原 朱珠
『嘘やろ!』『ありえへん!』
『どこから見ても小学生やん!』
日廻 橙羽
『橙羽は、小学生じゃないよ!』
『上はスポーツブラだけど、下にはちゃんと紐パンを履いてるんだから!』
神原 朱珠
『嘘やろ!』『小学生の紐パンとか見とないわ!』
そんな中、橙羽は再び頬を赤く染めながら、語りかけてきた。
日廻 橙羽
『そんなことは、どうでもいいけど、バラちゃんは、付き合ってる人とかいるの?』
『いなかったら橙羽と付き合わない?』
そう朱珠に問いかけてきた。
神原 朱珠
『なっ、何やねん!』『いきなり!』
日廻 橙羽
『橙羽のこと嫌い?』
神原 朱珠
『嫌いとか好きとかでは、無くてやなぁ!』
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