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第2章「虹が完成した日」
虹が完成した日 その④
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家の中に入って来たのは、黄泉と紫月だった。
黄泉は廊下で朱珠の左手を握りしめた橙羽を目にすると、『また、口説いてる。』と怪訝な表情を見せた。
日廻 橙羽
『もう!』『ユリちゃんは、邪魔しないで!』
『ユリちゃん、あっち行って!』
百合 黄泉
『言われなくても、あんたに興味なんて無いわよ。』
『紫月ちゃん、あっち行こ。』
黄泉と紫月は共に靴を脱ぎ、黄泉は橙羽の前を素通りし、ソファの置かれた部屋へと入っていった。
そんな中、紫月は朱珠の前で立ち止まり、優しそうな表情で朱珠に語りかけてきた。
朝顔 紫月
『会うのは、今日が初めてだね。宜しくね。』
昨日、電話で話した紫月という少女は、紫色のエクステを髪に編み込み、束ねた髪の毛先を遊ばせた派手な見た目ではあるものの、細身で落ち着きのある容姿をしていた。
神原 朱珠
『き、昨日は、お世話になりました!』
頭を深く下げる朱珠に対して、『頭なんて下げないでよ!』と紫月は苦笑いを浮かべていた。
すると奥の部屋から、『まだ仕事まで少し時間もあるし、
コーヒー飲みたいんだけど、誰か他にも飲む人いる?』と黄泉の声が聞こえてきた。
林藤 白華
『そうだね。今日は少し肌寒いし、私も貰おうかな。』
『リーダーは、どうする?』
綾女 葵
『私はココアを貰おうかしら。バラちゃんは?』
神原 朱珠
『じゃあ、私もココアを貰おうかなぁ?』
3人が話していると、緑莉が嬉しそうに『注文していたコーヒーとか紅茶も、昨日、届いたから見てみる?』と話しに入ってきた。
そんな緑莉の言葉に食いついたのは、紫月であった。
朝顔 紫月
『それって、この間、話してたやつ?』
四葉 緑莉
『うん♪』
朝顔 紫月
『そうなんだ!』
『バラちゃん、一緒に見に行こうよ!』
神原 朱珠
『う、うん!』
日廻 橙羽
『橙羽も見たい、橙羽も見たい!』
部屋に集まった7人は、それぞれが好きな飲み物を選び、
コの字型のソファーに左から、橙羽、朱珠、葵、紫月、黄泉、緑莉、白華、の順に座った。
飲み物を飲む黄泉の方を眺める朱珠。
百合 黄泉
『何?』『何か付いてる?』
クールな黄泉の態度に怖気ずく朱珠。
神原 朱珠
『あ!』『ごめん!』
『ただな・・・右のお尻だけ、何で突き出てんのかなと思って・・・。』
黄泉は制服のスカートの下に、ジャージのボトムを着用しており、右の腰の辺りに、スカート越しでも分かる程の膨らみがあった。
百合 黄泉
『あゝ、これ?』
そういうと黄泉は立ち上がり、右側のスカートを捲り上げた。
『何してんねん!』と言い、顔を赤る朱珠。
スカートを捲り上げると、腰に大きめのポシェットが付いていた。
神原 朱珠
『なあ、それって外に付けた方が、ええんやないの?』
百合 黄泉
『blancの人間とはいえ、拳銃をぶら下げてるところを、友達とかに見られたく無いから、この中に入れて隠しているのよ。』
神原 朱珠
『拳銃?』
葵は飲み物を一口口にすると、マグカップをテーブルに置き口を開いた。
綾女 葵
『そう言えば、説明がまだだったわね。』
百合 黄泉
『えっ!』『嘘でしょ!』
『まだ説明してなかったの?』
林藤 白華
『さっき挨拶を済ませたところだったからね。』
苦笑いを浮かべる白華。
神原 朱珠
『何やねん!』『まだ何かあんの?!』
葵は立ち上がり、『こっちに来てもらえるかしら?』と言うと、パソコンが設置された部屋へ入っていった。
その少し後を、不安そうな表情で部屋に入る朱珠。
そんな2人に続いて、部屋に緑莉と白華も入ってきた。
四葉 緑莉
『ちょっと待っててね。パスワードを送ってもらうから。』
綾女 葵
『助かるわ。有難う。』
その会話から2分程の時間が過ぎた頃、緑莉が『リーダー、パスワード届いたよ♪』と葵に伝えた。
葵と緑莉がパソコンに表示されたパスワードを見た後、部屋の片隅に置かれた長方形の「金庫」のような箱の方へ向かった。
その箱は長辺が120cm程で、高さも膝の高さ程はあり、天板は平らなものの、メイクボックスや宝箱のように手前から開くタイプで、材質もスチール製で頑丈な見た目をしていた。
葵と緑莉が箱の前にしゃがみ込み、開き口に設置された「8桁のダイヤル」を回し箱を開くと、中から複数の刀と拳銃が姿を現した。
神原 朱珠
『何やねん!』『これ!』
『あかん、あかんで!』『シャレにならへん!』
中身を見て取り乱し部屋を出ようとする朱珠と、その朱珠の左腕を掴み『まあ、まあ、落ち着いて。』と、涼しげな表情を浮べ掴む白華。
神原 朱珠
『嫌や!』『怖い!』『私帰る!』
朱珠の声を聞き『煩いわねぇ。』と怪訝な表情で部屋の方に近寄る黄泉と、後ろで苦笑いを浮かべる紫月。
綾女 葵
『そんなに怖がらなくても大丈夫よ。余り使う機会は無いから。』
神原 朱珠
『嫌や!』『少しは使うんやろ!』
日廻 橙羽
『大丈夫だよ。まだ橙羽は、1回も使ったこと無いから。』
橙羽は、ちゃっかりと部屋に入り混んでおり、朱珠の右側をキープしていた。
神原 朱珠
『うわっ!』『いつから居ってん!』
橙羽の存在に驚く朱珠に、少し困り顔で緑莉が近寄ってきた。
四葉 緑莉
『私達、本当に怪しい集団じゃ無いよ。この刀とか拳銃を使う為に"これ"があるの。』
そういうと、同じく箱の中に入っていた、白と黒に彩られた球体を朱珠に見せた。
神原 朱珠
『うわっ!』
『やっぱそれ拷問の道具やったんやな!』
葵は立ち上がり、球体を見て更に怯えている朱珠に近寄ってきた。
綾女 葵
『先ずは、あの球体のことを、詳しく話しておかないといけないわね。』
神原 朱珠
『あの球体のこと・・・?』
黄泉は廊下で朱珠の左手を握りしめた橙羽を目にすると、『また、口説いてる。』と怪訝な表情を見せた。
日廻 橙羽
『もう!』『ユリちゃんは、邪魔しないで!』
『ユリちゃん、あっち行って!』
百合 黄泉
『言われなくても、あんたに興味なんて無いわよ。』
『紫月ちゃん、あっち行こ。』
黄泉と紫月は共に靴を脱ぎ、黄泉は橙羽の前を素通りし、ソファの置かれた部屋へと入っていった。
そんな中、紫月は朱珠の前で立ち止まり、優しそうな表情で朱珠に語りかけてきた。
朝顔 紫月
『会うのは、今日が初めてだね。宜しくね。』
昨日、電話で話した紫月という少女は、紫色のエクステを髪に編み込み、束ねた髪の毛先を遊ばせた派手な見た目ではあるものの、細身で落ち着きのある容姿をしていた。
神原 朱珠
『き、昨日は、お世話になりました!』
頭を深く下げる朱珠に対して、『頭なんて下げないでよ!』と紫月は苦笑いを浮かべていた。
すると奥の部屋から、『まだ仕事まで少し時間もあるし、
コーヒー飲みたいんだけど、誰か他にも飲む人いる?』と黄泉の声が聞こえてきた。
林藤 白華
『そうだね。今日は少し肌寒いし、私も貰おうかな。』
『リーダーは、どうする?』
綾女 葵
『私はココアを貰おうかしら。バラちゃんは?』
神原 朱珠
『じゃあ、私もココアを貰おうかなぁ?』
3人が話していると、緑莉が嬉しそうに『注文していたコーヒーとか紅茶も、昨日、届いたから見てみる?』と話しに入ってきた。
そんな緑莉の言葉に食いついたのは、紫月であった。
朝顔 紫月
『それって、この間、話してたやつ?』
四葉 緑莉
『うん♪』
朝顔 紫月
『そうなんだ!』
『バラちゃん、一緒に見に行こうよ!』
神原 朱珠
『う、うん!』
日廻 橙羽
『橙羽も見たい、橙羽も見たい!』
部屋に集まった7人は、それぞれが好きな飲み物を選び、
コの字型のソファーに左から、橙羽、朱珠、葵、紫月、黄泉、緑莉、白華、の順に座った。
飲み物を飲む黄泉の方を眺める朱珠。
百合 黄泉
『何?』『何か付いてる?』
クールな黄泉の態度に怖気ずく朱珠。
神原 朱珠
『あ!』『ごめん!』
『ただな・・・右のお尻だけ、何で突き出てんのかなと思って・・・。』
黄泉は制服のスカートの下に、ジャージのボトムを着用しており、右の腰の辺りに、スカート越しでも分かる程の膨らみがあった。
百合 黄泉
『あゝ、これ?』
そういうと黄泉は立ち上がり、右側のスカートを捲り上げた。
『何してんねん!』と言い、顔を赤る朱珠。
スカートを捲り上げると、腰に大きめのポシェットが付いていた。
神原 朱珠
『なあ、それって外に付けた方が、ええんやないの?』
百合 黄泉
『blancの人間とはいえ、拳銃をぶら下げてるところを、友達とかに見られたく無いから、この中に入れて隠しているのよ。』
神原 朱珠
『拳銃?』
葵は飲み物を一口口にすると、マグカップをテーブルに置き口を開いた。
綾女 葵
『そう言えば、説明がまだだったわね。』
百合 黄泉
『えっ!』『嘘でしょ!』
『まだ説明してなかったの?』
林藤 白華
『さっき挨拶を済ませたところだったからね。』
苦笑いを浮かべる白華。
神原 朱珠
『何やねん!』『まだ何かあんの?!』
葵は立ち上がり、『こっちに来てもらえるかしら?』と言うと、パソコンが設置された部屋へ入っていった。
その少し後を、不安そうな表情で部屋に入る朱珠。
そんな2人に続いて、部屋に緑莉と白華も入ってきた。
四葉 緑莉
『ちょっと待っててね。パスワードを送ってもらうから。』
綾女 葵
『助かるわ。有難う。』
その会話から2分程の時間が過ぎた頃、緑莉が『リーダー、パスワード届いたよ♪』と葵に伝えた。
葵と緑莉がパソコンに表示されたパスワードを見た後、部屋の片隅に置かれた長方形の「金庫」のような箱の方へ向かった。
その箱は長辺が120cm程で、高さも膝の高さ程はあり、天板は平らなものの、メイクボックスや宝箱のように手前から開くタイプで、材質もスチール製で頑丈な見た目をしていた。
葵と緑莉が箱の前にしゃがみ込み、開き口に設置された「8桁のダイヤル」を回し箱を開くと、中から複数の刀と拳銃が姿を現した。
神原 朱珠
『何やねん!』『これ!』
『あかん、あかんで!』『シャレにならへん!』
中身を見て取り乱し部屋を出ようとする朱珠と、その朱珠の左腕を掴み『まあ、まあ、落ち着いて。』と、涼しげな表情を浮べ掴む白華。
神原 朱珠
『嫌や!』『怖い!』『私帰る!』
朱珠の声を聞き『煩いわねぇ。』と怪訝な表情で部屋の方に近寄る黄泉と、後ろで苦笑いを浮かべる紫月。
綾女 葵
『そんなに怖がらなくても大丈夫よ。余り使う機会は無いから。』
神原 朱珠
『嫌や!』『少しは使うんやろ!』
日廻 橙羽
『大丈夫だよ。まだ橙羽は、1回も使ったこと無いから。』
橙羽は、ちゃっかりと部屋に入り混んでおり、朱珠の右側をキープしていた。
神原 朱珠
『うわっ!』『いつから居ってん!』
橙羽の存在に驚く朱珠に、少し困り顔で緑莉が近寄ってきた。
四葉 緑莉
『私達、本当に怪しい集団じゃ無いよ。この刀とか拳銃を使う為に"これ"があるの。』
そういうと、同じく箱の中に入っていた、白と黒に彩られた球体を朱珠に見せた。
神原 朱珠
『うわっ!』
『やっぱそれ拷問の道具やったんやな!』
葵は立ち上がり、球体を見て更に怯えている朱珠に近寄ってきた。
綾女 葵
『先ずは、あの球体のことを、詳しく話しておかないといけないわね。』
神原 朱珠
『あの球体のこと・・・?』
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