39 / 74
心の声は聞かせられない
しおりを挟む
「すいませんでした。以後気をつけます。いやあの、ほんとあの時リーナがとても可愛く見えてつい止まらなかったと言いますか……。」
坑道でみんなが立って見下ろす中、俺はただ1人正座でリーナに謝っていた。謝罪内容はもちろん、みんなが巨大なキノコのモンスターと戦っている間にリーナを抱きしめ、それだけでは飽き足らず手でありとあらゆるところを弄りまくったことである。
これだけ言うと本当に俺がただの変態クソ野郎そのものであるが、あの時はキノコの胞子にやられて精神がおかしくなっていただけで、決して俺がムッツリ変態クソ野郎というわけではない。
と、俺は本気でそう思っているが他のみんなはどうやら違うらしく、俺に向けられる視線はわりと軽蔑したものだった。
まだシンティアやソフィアからそういった類の視線を感じるのはわからなくもない。女性側からしたらきっと俺にはわからないあれこれもあるだろう。だがアドラーやルキは俺の味方をしてくれてもいいじゃないか、と俺は思わず一番助けてくれそうなルキの顔を見る。
今までだってこういう時はルキがうまいこと助けてくれた。きっと今回も言いくるめてくれるに違いない。
そう期待してジッと見つめているとルキは面倒臭そうな表情をしてため息を吐き、ポンッとリーナの肩に手を乗せてだるそうに話し出した。
「はーあ。あー、フィンもまぁ、ほら、キノコのせいでおかしくなってただけでセクハラするつもりはなかっただろうし、な? もうこの辺にして先に進もうぜ。」
「……それはわかってるけど、本当に反省してるのかしら。」
リーナが疑いの眼差しで俺を見下ろす。一応これでも俺の意思ではなかったとはいえ、やりすぎたことはわかっているし反省もしている。
だがそれと同時に柔らかかったアレコレを思い出してしまうのも事実。変態と思われようと確実にあの時の俺は世界で一番幸せを感じていたはずだ。
もちろんそんなことを言ったらどんな目に遭うか想像もしたくないので、この幸せ部分は俺の中で永遠に閉まっておくつもりである。間違ってもセクハラを楽しんでしまっていた部分だけは言ってはいけない。
そう、大いに反省しているということだけを言うために俺は恐る恐るリーナを見上げて口を開く。誠心誠意の謝罪であればきっとリーナもわかってくれるはずだ。もう3時間はこうして正座しているのだから。
「リーナ、本当にすまなかった。いくら正気でなかったとは言えやり過ぎたと思ってる。当分リーナが当番の日のキャンプの掃除とか料理とか、いろいろ変わるから許してくれないか?」
「荷物持ちもしてくれるなら許してあげなくもないわ。」
そう言ってそっぽを向くリーナにもう怒りはなく、ただ代わりに呆れが見えていた。怒っているのも疲れてきたというやつかもしれない。
よしこのまま許してもらってさっさと先に進もう、と俺はリーナから出された要求に頷いて承諾した。荷物持ちくらいで許されるならいつだってしてやる。
「じゃあこれお願いね。別に重くないし持てると思うけど。」
そう渡されたリーナの荷物は本当に軽く、逆に何が入っているのか気になるほどだった。もちろん長いこと歩くので重たいよりはありがたいが、女の子はもっといろいろ荷物があるものではないのだろうか。
俺はその軽い荷物を受け取ってからようやく立ちあがろうと足に力を入れた。絶対に痺れていてフラつくだろうと思っていたが、意外にもそんなことはなくスッと何事もなかったかのように立ち上がる。
軽く足首などを動かしてみても特に痺れや痛みも感じない。3時間本当に正座をしていたのか自分でも疑問に思うくらいだ。
それが少し不気味ではあるが、今はそんな俺の体のことを気にしている場合ではない。正直忘れかけていたが、まだ見当たらないブルーダイヤを探すという使命が俺たちにはあるのだから。
先に進もうか、とみんなに声をかけて俺は来た方向とは逆に歩き出した。まだ少し視線に棘を感じるのは気のせいだと思いたい。
坑道でみんなが立って見下ろす中、俺はただ1人正座でリーナに謝っていた。謝罪内容はもちろん、みんなが巨大なキノコのモンスターと戦っている間にリーナを抱きしめ、それだけでは飽き足らず手でありとあらゆるところを弄りまくったことである。
これだけ言うと本当に俺がただの変態クソ野郎そのものであるが、あの時はキノコの胞子にやられて精神がおかしくなっていただけで、決して俺がムッツリ変態クソ野郎というわけではない。
と、俺は本気でそう思っているが他のみんなはどうやら違うらしく、俺に向けられる視線はわりと軽蔑したものだった。
まだシンティアやソフィアからそういった類の視線を感じるのはわからなくもない。女性側からしたらきっと俺にはわからないあれこれもあるだろう。だがアドラーやルキは俺の味方をしてくれてもいいじゃないか、と俺は思わず一番助けてくれそうなルキの顔を見る。
今までだってこういう時はルキがうまいこと助けてくれた。きっと今回も言いくるめてくれるに違いない。
そう期待してジッと見つめているとルキは面倒臭そうな表情をしてため息を吐き、ポンッとリーナの肩に手を乗せてだるそうに話し出した。
「はーあ。あー、フィンもまぁ、ほら、キノコのせいでおかしくなってただけでセクハラするつもりはなかっただろうし、な? もうこの辺にして先に進もうぜ。」
「……それはわかってるけど、本当に反省してるのかしら。」
リーナが疑いの眼差しで俺を見下ろす。一応これでも俺の意思ではなかったとはいえ、やりすぎたことはわかっているし反省もしている。
だがそれと同時に柔らかかったアレコレを思い出してしまうのも事実。変態と思われようと確実にあの時の俺は世界で一番幸せを感じていたはずだ。
もちろんそんなことを言ったらどんな目に遭うか想像もしたくないので、この幸せ部分は俺の中で永遠に閉まっておくつもりである。間違ってもセクハラを楽しんでしまっていた部分だけは言ってはいけない。
そう、大いに反省しているということだけを言うために俺は恐る恐るリーナを見上げて口を開く。誠心誠意の謝罪であればきっとリーナもわかってくれるはずだ。もう3時間はこうして正座しているのだから。
「リーナ、本当にすまなかった。いくら正気でなかったとは言えやり過ぎたと思ってる。当分リーナが当番の日のキャンプの掃除とか料理とか、いろいろ変わるから許してくれないか?」
「荷物持ちもしてくれるなら許してあげなくもないわ。」
そう言ってそっぽを向くリーナにもう怒りはなく、ただ代わりに呆れが見えていた。怒っているのも疲れてきたというやつかもしれない。
よしこのまま許してもらってさっさと先に進もう、と俺はリーナから出された要求に頷いて承諾した。荷物持ちくらいで許されるならいつだってしてやる。
「じゃあこれお願いね。別に重くないし持てると思うけど。」
そう渡されたリーナの荷物は本当に軽く、逆に何が入っているのか気になるほどだった。もちろん長いこと歩くので重たいよりはありがたいが、女の子はもっといろいろ荷物があるものではないのだろうか。
俺はその軽い荷物を受け取ってからようやく立ちあがろうと足に力を入れた。絶対に痺れていてフラつくだろうと思っていたが、意外にもそんなことはなくスッと何事もなかったかのように立ち上がる。
軽く足首などを動かしてみても特に痺れや痛みも感じない。3時間本当に正座をしていたのか自分でも疑問に思うくらいだ。
それが少し不気味ではあるが、今はそんな俺の体のことを気にしている場合ではない。正直忘れかけていたが、まだ見当たらないブルーダイヤを探すという使命が俺たちにはあるのだから。
先に進もうか、とみんなに声をかけて俺は来た方向とは逆に歩き出した。まだ少し視線に棘を感じるのは気のせいだと思いたい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる