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勝手に人のフェチを決めつけないでほしい
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「……おい、どういうことだ、これは。」
ワープした先に広がっていたのはヒンメルの大地、ではなくどう見てもヒンメルの要塞だった。石造りの冷たい空気が感じられる壁と床、この部屋は作戦会議室か何かなのか机の上には地図や駒が置かれている。
こんな敵地の要塞の中で見つかりでもしたらどう考えても処刑場へ連れてかれるし、間違いなく命はない。一体何故わざわざここに連れてきたのか、とマクシムを見るとマクシムは俺の視線には答えず黙々とロッカーを漁っていた。
「おかしいですね、あるならここのはずなんですが。」
どうやって収まっているのか不思議なほどに散乱しているロッカーの中身は、パッと見ただけでもゴミのように見えるものだらけだ。明らかに汚れたシャツに何かわからない部品、そして丸められたぐちゃぐちゃの紙。俺も整理は苦手な方だからあまり言いたくないが、ちょっとこれは酷すぎるように思える。
手伝うべきか、でもあまり触りたくないなぁと思いながら見ていると、あったあったと言いながらマクシムはガスマスクのようなものを手に取りエニグマに渡した。
「ガスマスク? そんなものどうするんだ?」
「ちょっと倉庫の在庫が……っと、説明は後にしましょう。それよりもそろそろ来るはずなので。」
そう言ってマクシムは扉の方に視線を向ける。しかしその先には人影どころか気配さえも感じない。
「……誰もいなさそうだが。というか、こんなところで人に出会ったらまずいし、さっさと違う場所に行くべきじゃないのか?」
要塞にいる人間が軍人でない可能性は0だろうし、まず間違いなく乱闘にだってなるだろう。だが誰かを待っているらしいマクシムは動こうとせず、扉に向かって少し大きい声で話しだした。
「あ! こんなところにウフフな本が! 巨乳猫耳お姉さんのウフフな本が!」
えっ、と思わず俺が反応する前にすごい勢いで扉が開いた。そっちにもびっくりして扉の先を見ると、後ろで黒髪をポニーテールに縛っている20代前半であろう男性が凄い勢いでマクシムに向かって歩いてきた。
「俺の部屋にそんなものはない!」
「おやおや、やっぱりいたんですねシスイさん。いるならさっさと入ってきてくださいよ。あとガスマスク借りました。」
「勝手に人の部屋を漁るな。他の奴に見つかっても俺は助けんぞ。」
シスイと呼ばれた男はマクシムを睨みながらそう答えた。綺麗な顔立ちをしているが、涼しげな目元のせいかシスイは冷たい印象を与えている。
「そんなこと言わないでくださいよ。それよりどうです? 一緒に来ませんか? フィンとあなた多分良いコンビになると思いますよ。」
「フィンだと?」
俺の名を不思議そうに呟いて、シスイは初めてそこで俺の方見た。睨んでいなくても綺麗なのに仏頂面だからか、やはり少し怖い。
そしてその怖さを増長させるかのように、シスイは腰に刺している太刀に手をかけて今にも抜刀しようと構えてきた。
「ちょ、怖いって! 俺何もしてないだろ!」
思わず後退りながらそう言うも、シスイは居合いの体勢を崩しはしない。戦っているところを見たことはないが、一切の隙もない構えからかなりの腕前なことだけはわかる。俺なんて一瞬で死ぬかもしれないくらい力の差もあるだろう。
そんな格上の相手が醸し出すこれ以上近づいたら容赦なく斬り捨てると物語っている雰囲気に、俺は情けなくもマクシムの後ろに逃げた。かっこ悪いがそんなこと気にしていられる状況ではない。
「シスイさん、フィンが怖がってるので揶揄うのはその辺でお願いします。」
俺の姿を残念そうに見ながらマクシムがそう言うと、シスイはフンッと静かに笑って構えを解いた。とてもわかりにくいが、俺は揶揄われただけで敵対するつもりはなかったらしい。
「すみません、フィン。シスイさんはちょっとわかりにくいところがありますが、悪い人ではないですしフィンの同志ですよ。」
「同志?」
まさかこの男も暗殺部隊なのだろうか。それなら気配を完全に消して扉の前に立っていたり、隙のない完璧な構えを持っているのも頷ける。
「巨乳好きの同志です。」
「いや俺に対する偏見がすごいな。びっくりした。」
別に俺は巨乳好きというわけではない、と思いたい。確かにあればあるだけ良いと思ってはいるが、巨乳なら誰でも良いわけではない。
何故マクシムが俺にそんな偏見を持っているか疑問だが、ここはしっかりと誤解を解いておかないと後々厄介なことになりそうだ。さっきから黙っているがアリーチェだって呆れきった顔でこっちを見ているし、帰ってからリーナにチクられたらたまったもんじゃない。
「あのな、俺は巨乳ならなんでもいいというわけではなくてだな。」
「む、フィン殿も巨乳に何やらこだわりがあるのか。巨乳と一言で言ってもそこには奥深い物語が隠されている。触り心地や形、そして全てを包み込んでくれるかのようなあの癒し効果。まさに天からの贈り物であり神秘であり、また見た目も……。」
止まらない勢いで語り出したシスイに俺は若干引いた。まだ知り合って数分だが、こいつと同志だと思われるのは心外だと思う。
「相変わらずですわね、シスイ。未だにその綺麗な顔からそういう語りが出ると脳が混乱しますわ。」
アリーチェも困惑しつつ、諦めたような様子でシスイを見ている。確かに喋らなければとても綺麗な顔なので、喋ると残念なタイプなのかもしれない。
「まぁ、巨乳に関することとなると途端に変態さがキツいですが、シスイさんの居合いで右に出る者はいません。それに彼は今はここにいますが、東方出身なので忍術にも長けています。スミラさんに術と小太刀を教えたのも彼ですし。」
「マジか。それは頼もしいが……。」
東方にある国の忍術は魔法と違って属性こそないものの、気配を操ったり搦手を使ったり、一撃で相手を葬ったりする術に長けていると聞く。それを使えるだけでも凄いことだが、スミラに教えるだけの知識の深さもあるとなれば戦力として申し分ないどころではない。
逆に言えば敵では絶対に会いたくない相手でもある。
「どうです? うちにくればフィンと巨乳談義ができますし、スミラさんも師匠がいると嬉しいと思いますよ。」
「ふむ、スミラ殿もそちらにいるのだな。しかし俺はヒンメルを離れるつもりはない。ここでの契約期間がまだ残っている以上、俺は何があろうと任務を全うする。」
真面目なのか頭がかたいのか、マクシムの勧誘にシスイは首を横に振った。シスイからしてみればこっちに寝返る利点は俺と巨乳談義ができる、いや実際にする気はないが今の提示ではそれだけ。そのためだけに契約を一方的に破棄するなど軍人としては許せないのだろう。
何か他にシスイの利点になるようなものでもあれば、と思うが残念ながらパッと思いつかない。リベラシオンが今持っている魅力といえば、ただ常にヒンメルから追いかけられるスリルを味わえるという何一つ楽しくないものだ。
他にあるものはキャラが濃すぎる仲間くらいだし、と考えて思い出した。ソフィアは、巨乳だ。
「うちにくれば巨乳で美人のおっとり系お姉さんがいるぞ。しかも薬師だから癒し効果も抜群だ。」
仲間を売るようで気分はあまり良くないが、俺は卑怯にもソフィアの話で興味をひこうとした。アリーチェが思いっきり目で最低だと訴えてきているが、気付いてないフリで乗り切りたい。
「誠か、フィン殿! その言葉に嘘偽りなしであれば、ヒンメルにいる場合ではない! 俺もそちらに行くとしよう。」
つい先ほど何があろうと任務を全うすると言った口でよくそんなことが言えるな、と清々しいほどの裏切りの瞬間を見た気がする。このチョロさは大丈夫なのだろうか。
しかし戦力が増えたのは純粋に嬉しいので、俺は素直に手を差し出して歓迎した。
「フィン・クラウザーだ。よろしくな。」
「シスイ・ツキシロ。居合いと忍術なら任せておけ。」
まともなことを言ってれば恐ろしくかっこいいんだな、この人、と少し失礼なことを思いつつ俺たちは握手をした。
ワープした先に広がっていたのはヒンメルの大地、ではなくどう見てもヒンメルの要塞だった。石造りの冷たい空気が感じられる壁と床、この部屋は作戦会議室か何かなのか机の上には地図や駒が置かれている。
こんな敵地の要塞の中で見つかりでもしたらどう考えても処刑場へ連れてかれるし、間違いなく命はない。一体何故わざわざここに連れてきたのか、とマクシムを見るとマクシムは俺の視線には答えず黙々とロッカーを漁っていた。
「おかしいですね、あるならここのはずなんですが。」
どうやって収まっているのか不思議なほどに散乱しているロッカーの中身は、パッと見ただけでもゴミのように見えるものだらけだ。明らかに汚れたシャツに何かわからない部品、そして丸められたぐちゃぐちゃの紙。俺も整理は苦手な方だからあまり言いたくないが、ちょっとこれは酷すぎるように思える。
手伝うべきか、でもあまり触りたくないなぁと思いながら見ていると、あったあったと言いながらマクシムはガスマスクのようなものを手に取りエニグマに渡した。
「ガスマスク? そんなものどうするんだ?」
「ちょっと倉庫の在庫が……っと、説明は後にしましょう。それよりもそろそろ来るはずなので。」
そう言ってマクシムは扉の方に視線を向ける。しかしその先には人影どころか気配さえも感じない。
「……誰もいなさそうだが。というか、こんなところで人に出会ったらまずいし、さっさと違う場所に行くべきじゃないのか?」
要塞にいる人間が軍人でない可能性は0だろうし、まず間違いなく乱闘にだってなるだろう。だが誰かを待っているらしいマクシムは動こうとせず、扉に向かって少し大きい声で話しだした。
「あ! こんなところにウフフな本が! 巨乳猫耳お姉さんのウフフな本が!」
えっ、と思わず俺が反応する前にすごい勢いで扉が開いた。そっちにもびっくりして扉の先を見ると、後ろで黒髪をポニーテールに縛っている20代前半であろう男性が凄い勢いでマクシムに向かって歩いてきた。
「俺の部屋にそんなものはない!」
「おやおや、やっぱりいたんですねシスイさん。いるならさっさと入ってきてくださいよ。あとガスマスク借りました。」
「勝手に人の部屋を漁るな。他の奴に見つかっても俺は助けんぞ。」
シスイと呼ばれた男はマクシムを睨みながらそう答えた。綺麗な顔立ちをしているが、涼しげな目元のせいかシスイは冷たい印象を与えている。
「そんなこと言わないでくださいよ。それよりどうです? 一緒に来ませんか? フィンとあなた多分良いコンビになると思いますよ。」
「フィンだと?」
俺の名を不思議そうに呟いて、シスイは初めてそこで俺の方見た。睨んでいなくても綺麗なのに仏頂面だからか、やはり少し怖い。
そしてその怖さを増長させるかのように、シスイは腰に刺している太刀に手をかけて今にも抜刀しようと構えてきた。
「ちょ、怖いって! 俺何もしてないだろ!」
思わず後退りながらそう言うも、シスイは居合いの体勢を崩しはしない。戦っているところを見たことはないが、一切の隙もない構えからかなりの腕前なことだけはわかる。俺なんて一瞬で死ぬかもしれないくらい力の差もあるだろう。
そんな格上の相手が醸し出すこれ以上近づいたら容赦なく斬り捨てると物語っている雰囲気に、俺は情けなくもマクシムの後ろに逃げた。かっこ悪いがそんなこと気にしていられる状況ではない。
「シスイさん、フィンが怖がってるので揶揄うのはその辺でお願いします。」
俺の姿を残念そうに見ながらマクシムがそう言うと、シスイはフンッと静かに笑って構えを解いた。とてもわかりにくいが、俺は揶揄われただけで敵対するつもりはなかったらしい。
「すみません、フィン。シスイさんはちょっとわかりにくいところがありますが、悪い人ではないですしフィンの同志ですよ。」
「同志?」
まさかこの男も暗殺部隊なのだろうか。それなら気配を完全に消して扉の前に立っていたり、隙のない完璧な構えを持っているのも頷ける。
「巨乳好きの同志です。」
「いや俺に対する偏見がすごいな。びっくりした。」
別に俺は巨乳好きというわけではない、と思いたい。確かにあればあるだけ良いと思ってはいるが、巨乳なら誰でも良いわけではない。
何故マクシムが俺にそんな偏見を持っているか疑問だが、ここはしっかりと誤解を解いておかないと後々厄介なことになりそうだ。さっきから黙っているがアリーチェだって呆れきった顔でこっちを見ているし、帰ってからリーナにチクられたらたまったもんじゃない。
「あのな、俺は巨乳ならなんでもいいというわけではなくてだな。」
「む、フィン殿も巨乳に何やらこだわりがあるのか。巨乳と一言で言ってもそこには奥深い物語が隠されている。触り心地や形、そして全てを包み込んでくれるかのようなあの癒し効果。まさに天からの贈り物であり神秘であり、また見た目も……。」
止まらない勢いで語り出したシスイに俺は若干引いた。まだ知り合って数分だが、こいつと同志だと思われるのは心外だと思う。
「相変わらずですわね、シスイ。未だにその綺麗な顔からそういう語りが出ると脳が混乱しますわ。」
アリーチェも困惑しつつ、諦めたような様子でシスイを見ている。確かに喋らなければとても綺麗な顔なので、喋ると残念なタイプなのかもしれない。
「まぁ、巨乳に関することとなると途端に変態さがキツいですが、シスイさんの居合いで右に出る者はいません。それに彼は今はここにいますが、東方出身なので忍術にも長けています。スミラさんに術と小太刀を教えたのも彼ですし。」
「マジか。それは頼もしいが……。」
東方にある国の忍術は魔法と違って属性こそないものの、気配を操ったり搦手を使ったり、一撃で相手を葬ったりする術に長けていると聞く。それを使えるだけでも凄いことだが、スミラに教えるだけの知識の深さもあるとなれば戦力として申し分ないどころではない。
逆に言えば敵では絶対に会いたくない相手でもある。
「どうです? うちにくればフィンと巨乳談義ができますし、スミラさんも師匠がいると嬉しいと思いますよ。」
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真面目なのか頭がかたいのか、マクシムの勧誘にシスイは首を横に振った。シスイからしてみればこっちに寝返る利点は俺と巨乳談義ができる、いや実際にする気はないが今の提示ではそれだけ。そのためだけに契約を一方的に破棄するなど軍人としては許せないのだろう。
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他にあるものはキャラが濃すぎる仲間くらいだし、と考えて思い出した。ソフィアは、巨乳だ。
「うちにくれば巨乳で美人のおっとり系お姉さんがいるぞ。しかも薬師だから癒し効果も抜群だ。」
仲間を売るようで気分はあまり良くないが、俺は卑怯にもソフィアの話で興味をひこうとした。アリーチェが思いっきり目で最低だと訴えてきているが、気付いてないフリで乗り切りたい。
「誠か、フィン殿! その言葉に嘘偽りなしであれば、ヒンメルにいる場合ではない! 俺もそちらに行くとしよう。」
つい先ほど何があろうと任務を全うすると言った口でよくそんなことが言えるな、と清々しいほどの裏切りの瞬間を見た気がする。このチョロさは大丈夫なのだろうか。
しかし戦力が増えたのは純粋に嬉しいので、俺は素直に手を差し出して歓迎した。
「フィン・クラウザーだ。よろしくな。」
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