紅の神子

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第二十三章 大人への過渡期

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 気がついたら寝台に押し倒され、暁に伸しかかられていた。

 右手は透を執拗になぶり、左手は襟元から胸元へと滑らせている。

 抵抗したいのに全身で押さえ込まれて身動きひとつできない。

(本当に抵抗したいのか? ならどうして受け入れてる? 暁に触れられているところに丁寧に火を灯されてる感覚。怖くて少し逃げただけでも、暁はすぐに優しくキスしてくれる。それだけで怖がることはないんだと思えて、抵抗しようなんて意思は消えていく)

「あきら。わかったから暁もひとりの男だってわかったからっ。だからっ」

 必死になって懇願した。

 やめてほしい、と。

 だってまだ聞いてない。

 暁が何故こんな真似をするのか、その理由を。

 透の拒絶の言葉に、ビクリと暁の身体が震える。

 それから顔を配き込んできた。

 冷静なその顔はひとりの男の顔だった。

 そこにはもう可愛い弟だった暁はいなかった。

「ホントにわかってる?」

「ここまでされて自覚できないほど、俺も鈍くないよ。抗議で教え込むにしても、酷くないか? まさか弟にされるなんて」

「やっぱりわかってない」

 暁は絶望的に呟いた。

 どうしてそういう顔をされるのか、イマイチよくわからない。

「それに兄さん、このままじゃ辛いんじゃないの? 今にもイキそうだ」

 軽く弾かれてビクリと腰が震える。

 経験なんてないはずなのに、快感に敏感になっていることがわかる。

「いいよ。イカせてあげるから」

「あきら?」

 慌てて逃げようとしたときには、しっかり暁に腰を押さえつけられて無理だった。

「いくら切迫詰まってても弟にそこまで世話になれるか! いいからやめてくれ!」

 ジタバタと抵抗したけど、まるで大人と子供。

 暁はちょっとだけ笑ってそうして当然なように透の下肢に顔を埋めた。

「嘘だろぉ。なんでそんなにっ」

 急速に高まる射精感に焦りが生まれる。

 暁は知らないのかむしれない。

 透のはただの精液ではない。

 神の精液なのだ。甘露とも言うべきもの。そんなものを飲ませたら、暁を変えてしまいかねない。

 一度くらいなら平気だろろけど、それでも影響は受ける。

 必死になって逃げようとしたけど、巧みな舌の動きと指の動きに翻弄され、もう腕に力が入らなかった。

「あきら。頼むから、もうやめてくれっ」

 懇願は泣き声に近かった。

 もうそのときが近い。

 本当に解放してもらわないと困るのに、時は透を口に含んだまま、器用に笑った。

「イケば?」

 その動きさえ刺激にしかならない。

 躰がビクビクと跳ねる。

 それでも最後の一波を堪えようと透は全力で我慢した。

 だだ暁を変えてはならないとその一念で。

 はあと暁が大きな息を吐き出した。

「兄さんも頑固だね。イケば楽になれるのに。そんなにイヤ?」

 答える言葉もない。

 躰から意識を逸らしたら射精してしまいそうで。

「兄さんは知らないかもしれないけど、本番はしてないとも噂で聞いたけど、それでもランドール王には抱かれた経験、あるんだよね。だったらこの刺激。耐えられる?」

 なにを言っているのか理解する必要もなかった。

「んっ」

 体内に侵入し抜き差しされる感触がすべてを物語っている。細さから指だとわかる。

 さすがに暁も最後までいく気はないのだろう。

 でも、言葉通り刺際は濃厚になって、今にも意識が飛びそうだった。

「感じてるみたいだね。また大きくなった」

「あきらーっ」

 名を呼ぶことしかできなくて、必死になって名を呼んだ。

 自分を攻め苛む弟の名を。

「兄さんって色っぽいね。イケナイ妄想しそう」

 妄想で済んでるのか、これ?

 文句を言いたかったけど、もう口から出るのは端ぎだけだった。

「兄さん? そろそろイカないと最後までするよ?」

 それは射精以上に嫌だった。

 射精して飲ませた場合で済まないからだ。

「それともまだイイところに当たってないのかな? ここ?」

「!」

 暁の指先がどこかに触れて、一瞬、視界が真っ白になった。

 のけ反った喉元に暁がキスしているが、それにすら気づけなかった。

「兄さん、可愛い。それにすごく綺麗だよ。乱れる姿。綺麗だ」

 もうダメ。

「ここ前立腺っていうんだよ? 覚えさせてあげる。男が前立腺を刺激されるとどうなるかってことをね」

(兄さんとこうなる日を夢見て、こっそりネットで調べたりしてたんだよ? 兄さんは知らないだろうね。兄さんを気持ち良くさせてあげるために何歳から、研究してたかなんて。我ながらマセた子供だったな)


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