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揺れる乙女心
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ウンチク長いです。
飛ばして読んでいただいても全く問題ありませんョ。
※※※
私の朝は早い。
欲望を満たすために重要な仕事があるからだ。
突然だが、家庭での豆腐の作り方はご存知だろうか?
大豆はよく洗い水に浸け一晩置いておく。
次に水分を含み倍くらいの大きさになった大豆と同量~1.5倍の水と共にすり鉢ですり潰していく。
ミキサーがあれば楽にできるが、そんなもんないのでひたすら手間をかける。
滑らかになるまでひたすら潰すのみ!
それを鍋に入れ弱火にかけ10分ほど煮る。
このとき注意しなければいけないのは、生呉(大豆をすり潰した汁のこと)はとても濃度が濃く焦げやすいので、ひたすら鍋の底のほうからヘラでかき混ぜることだ。
火を止めた後表面の泡を綺麗にすくって捨て、布巾で2~3回ほどこす。
ここでオカラと豆乳が出来上がるので、オカラは後でクッキーに、豆乳はしっかりと冷やし温度を下げておく。
ここでキチンと冷やさないとニガリを入れる作業のときドロドロになってしまうから要注意だ。
冷やした豆乳にニガリを加え、特注の容器に入れ布巾をかけ、蒸し器で蒸すこと15分。
適度な大きさに切り分け、更に冷水に30分ほどさらせば絹ごし豆腐の出来上がりだ。
ブッチャケ豆乳があれば豆腐は簡単にできる。
が、残念ながらこの世界にはまだ豆乳は存在しなかった。
なぜこんなに手間をかけてまで豆腐を作るのかというと、どうしても作らなければいけない理由があるからだ。
私は味噌汁の具は豆腐が最強だと思っている。
木綿ではない、絹ごしでなければ絶対ダメだ。
贅沢を言えば豆腐となめこの味噌汁が一番好きなのだが、なめこがどうしても探し出せなかった……。
無念………。
だが手作り豆腐は大豆の味がとても濃厚で、スーパーの豆腐など食べられなくなるほど美味なので、充分贅沢品なのだ。
手作り豆腐は冷奴が一番なのだが、あえて味噌汁の具として使ってしまおう。
煮干しと鰹節で出汁をとり、手作り豆腐とワカメ、もしくはネギを加えて一煮立ちしたら火を止める。
味噌は風味を損なわないように、火を止めてから加えるのがミソだ。
味噌汁だけに。
たかが味噌汁、されど味噌汁。
食堂で人々が笑顔で美味いと言って飲んでくれるなら、手間など苦にもならないのだ。
「毎日君の作った味噌汁が飲みたい。」
………………。
まるでプロポーズみたいなことを言われた。
や、日本式プロポーズなのは間違いないのだが、この世界の人々が知ってる訳ないし。
味噌汁が喜ばれたならとても嬉しいのだが……。
「エーミル様、毎日食堂で飲んでいるではないですか。」
「グッ……そうなのだが、そうじゃなくて。
その、俺と結婚してくれないか?」
んんん?何故?
確かに毎日食堂で顔を合わせお喋りはしているが、甘いトキメキなどあっただろうか?
それにイケメンは心が癒されるが、残念ながら結婚はできない。
何故なら私は王女で、自由に結婚などできないからだ。
たとえ政略結婚でも、結婚する方に心を捧げたい。
イケメン好きは病気だから仕方ない。
ほらあれだ、亭主も子供もいるが、アイドルの追っかけはやめられない的な。
エーミル様は心のアイドルとして応援していきたい。
「エーミル様、大変申し訳ございません。
私は結婚できない身なのです……。」
エーミル様はハッとする。
そうそう、何か事情があると察してほしい。
「親に決められた婚約者でもいるのか?」
突っ込んで聞いてくるのね。
んーー、まぁ手違いではあるが、一応婚約者扱いなのかなぁ?
まぁ詳しい事情も言えないから、適当に誤魔化しとくか?
「はい、申し訳ございません。」
納得してくれた?
「ではその男に決闘を申し込む!」
…………王太子ですけど、大丈夫?
や、そんな冗談言っている場合じゃなかった。
「と、とにかくごめんなさい!」
「あっ!待って!」
逃げるが勝ちだ、逃げてしまえ!
脱兎のごとく逃げてきた先に赤茶の大壁……いやフラン様がいた。
何故か真っ赤な薔薇の花束を持っている。
まさか、この流れは………。
「サラ、君の作った塩玉を毎日食べたい。
どうか俺と結婚してくれ。」
遂にきたか!?モテ期!!
いや、これは罰ゲームで告白させられてるとかか?
私がこんなにモテるわけない。
や、でも、フラン様はそんな中学生のイタズラみたいなことはしないか。
「お気持ちは大変ありがたいのですが、私には婚約者がおります。
申し訳ございません。」
「では「決闘もご勘弁を。」………。」
かぶせ気味にお断りする。
王太子に決闘を申し込むなど、スライムが勇者に決闘を挑む行為に等しい。
勝てるわけがない。
「せ、せめて相手の名前を……。」
「教えられません!」
教えたら正体が即バレしちゃうじゃないか!
逃げてしまえ!
ハアハア……、もう追っ手は来ないな?
貴族社会、怖い。
お付き合いをすっ飛ばしてプロポーズが常識なのか?
自国でもそんなことはなかったはずだ。
あれか?男を掴むなら胃袋を掴めと言うが、ウッカリ掴んじゃったのか?
「サラさん。」
ビクッとしたのは仕方ないだろう。
あぁなんだ、ミカル様かぁ。
癒されるー!
ミカル様は童顔でちょっと中性的な雰囲気だから、エーミル様やフラン様のような男性的な威圧感がない。
ホッとする癒し系なのだ。
あれ?ミカル様、なぜ珍しい香辛料をお持ちなので?
……………ま、まさか……。
「サラさん、僕のお嫁さんになりませんか?
僕の家では他国と交易もしているので、珍しい食材も沢山手に入りますよ?」
ハッキリ言おう。
今までで一番グッときた。
一瞬だけど、心の天秤がまだ見ぬ将来の夫より、ミカル様にガクンと傾いてしまった。
まだまだ作りたい料理は沢山ある。
もしかしたらなめこが手に入るかもしれない。
が、私は王女、以下略。
「さよーならーー!!」
「あ!サラさん!!」
なんなんだ、この乙女ゲームのような展開は……。
なめこに乙女心がグラグラしたのは、名誉のために内緒にしておこうと思う……。
飛ばして読んでいただいても全く問題ありませんョ。
※※※
私の朝は早い。
欲望を満たすために重要な仕事があるからだ。
突然だが、家庭での豆腐の作り方はご存知だろうか?
大豆はよく洗い水に浸け一晩置いておく。
次に水分を含み倍くらいの大きさになった大豆と同量~1.5倍の水と共にすり鉢ですり潰していく。
ミキサーがあれば楽にできるが、そんなもんないのでひたすら手間をかける。
滑らかになるまでひたすら潰すのみ!
それを鍋に入れ弱火にかけ10分ほど煮る。
このとき注意しなければいけないのは、生呉(大豆をすり潰した汁のこと)はとても濃度が濃く焦げやすいので、ひたすら鍋の底のほうからヘラでかき混ぜることだ。
火を止めた後表面の泡を綺麗にすくって捨て、布巾で2~3回ほどこす。
ここでオカラと豆乳が出来上がるので、オカラは後でクッキーに、豆乳はしっかりと冷やし温度を下げておく。
ここでキチンと冷やさないとニガリを入れる作業のときドロドロになってしまうから要注意だ。
冷やした豆乳にニガリを加え、特注の容器に入れ布巾をかけ、蒸し器で蒸すこと15分。
適度な大きさに切り分け、更に冷水に30分ほどさらせば絹ごし豆腐の出来上がりだ。
ブッチャケ豆乳があれば豆腐は簡単にできる。
が、残念ながらこの世界にはまだ豆乳は存在しなかった。
なぜこんなに手間をかけてまで豆腐を作るのかというと、どうしても作らなければいけない理由があるからだ。
私は味噌汁の具は豆腐が最強だと思っている。
木綿ではない、絹ごしでなければ絶対ダメだ。
贅沢を言えば豆腐となめこの味噌汁が一番好きなのだが、なめこがどうしても探し出せなかった……。
無念………。
だが手作り豆腐は大豆の味がとても濃厚で、スーパーの豆腐など食べられなくなるほど美味なので、充分贅沢品なのだ。
手作り豆腐は冷奴が一番なのだが、あえて味噌汁の具として使ってしまおう。
煮干しと鰹節で出汁をとり、手作り豆腐とワカメ、もしくはネギを加えて一煮立ちしたら火を止める。
味噌は風味を損なわないように、火を止めてから加えるのがミソだ。
味噌汁だけに。
たかが味噌汁、されど味噌汁。
食堂で人々が笑顔で美味いと言って飲んでくれるなら、手間など苦にもならないのだ。
「毎日君の作った味噌汁が飲みたい。」
………………。
まるでプロポーズみたいなことを言われた。
や、日本式プロポーズなのは間違いないのだが、この世界の人々が知ってる訳ないし。
味噌汁が喜ばれたならとても嬉しいのだが……。
「エーミル様、毎日食堂で飲んでいるではないですか。」
「グッ……そうなのだが、そうじゃなくて。
その、俺と結婚してくれないか?」
んんん?何故?
確かに毎日食堂で顔を合わせお喋りはしているが、甘いトキメキなどあっただろうか?
それにイケメンは心が癒されるが、残念ながら結婚はできない。
何故なら私は王女で、自由に結婚などできないからだ。
たとえ政略結婚でも、結婚する方に心を捧げたい。
イケメン好きは病気だから仕方ない。
ほらあれだ、亭主も子供もいるが、アイドルの追っかけはやめられない的な。
エーミル様は心のアイドルとして応援していきたい。
「エーミル様、大変申し訳ございません。
私は結婚できない身なのです……。」
エーミル様はハッとする。
そうそう、何か事情があると察してほしい。
「親に決められた婚約者でもいるのか?」
突っ込んで聞いてくるのね。
んーー、まぁ手違いではあるが、一応婚約者扱いなのかなぁ?
まぁ詳しい事情も言えないから、適当に誤魔化しとくか?
「はい、申し訳ございません。」
納得してくれた?
「ではその男に決闘を申し込む!」
…………王太子ですけど、大丈夫?
や、そんな冗談言っている場合じゃなかった。
「と、とにかくごめんなさい!」
「あっ!待って!」
逃げるが勝ちだ、逃げてしまえ!
脱兎のごとく逃げてきた先に赤茶の大壁……いやフラン様がいた。
何故か真っ赤な薔薇の花束を持っている。
まさか、この流れは………。
「サラ、君の作った塩玉を毎日食べたい。
どうか俺と結婚してくれ。」
遂にきたか!?モテ期!!
いや、これは罰ゲームで告白させられてるとかか?
私がこんなにモテるわけない。
や、でも、フラン様はそんな中学生のイタズラみたいなことはしないか。
「お気持ちは大変ありがたいのですが、私には婚約者がおります。
申し訳ございません。」
「では「決闘もご勘弁を。」………。」
かぶせ気味にお断りする。
王太子に決闘を申し込むなど、スライムが勇者に決闘を挑む行為に等しい。
勝てるわけがない。
「せ、せめて相手の名前を……。」
「教えられません!」
教えたら正体が即バレしちゃうじゃないか!
逃げてしまえ!
ハアハア……、もう追っ手は来ないな?
貴族社会、怖い。
お付き合いをすっ飛ばしてプロポーズが常識なのか?
自国でもそんなことはなかったはずだ。
あれか?男を掴むなら胃袋を掴めと言うが、ウッカリ掴んじゃったのか?
「サラさん。」
ビクッとしたのは仕方ないだろう。
あぁなんだ、ミカル様かぁ。
癒されるー!
ミカル様は童顔でちょっと中性的な雰囲気だから、エーミル様やフラン様のような男性的な威圧感がない。
ホッとする癒し系なのだ。
あれ?ミカル様、なぜ珍しい香辛料をお持ちなので?
……………ま、まさか……。
「サラさん、僕のお嫁さんになりませんか?
僕の家では他国と交易もしているので、珍しい食材も沢山手に入りますよ?」
ハッキリ言おう。
今までで一番グッときた。
一瞬だけど、心の天秤がまだ見ぬ将来の夫より、ミカル様にガクンと傾いてしまった。
まだまだ作りたい料理は沢山ある。
もしかしたらなめこが手に入るかもしれない。
が、私は王女、以下略。
「さよーならーー!!」
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