【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第12章:砂の国オラシア王国と砂漠の女王編

第2話:いざ、オラシア王国へ

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 ——そうして、二日後。
 朝早くから、俺とリズ、キアラはギルドが用意した馬車に乗り込む。
 他のパーティメンバーや、町に住んでいる彼女たちが見送りに来てくれた。
「三人とも……ちゃんと、ご飯食べる……!」
「そうだぜ。飯食わないと、力でないからな」
「お水も十分とってくださいね。暑い地域での脱水は命に関わりますから」
 まるで母親のように心配してくるシレイドたち。
「レオさん。頑張って来てくださいね」
「そうですよぉ、でも、無理しちゃ『メッ』ですからねぇ」
 ラズベリーとチェリーも応援してくれている。
「辛くなったら、いつでもワープで酒場に来るのよ」
「お兄さん! あたし、いつでも待ってるからね!」
「風神剣でパパッと解決して、早く戻ってきなよ!」
 ミレーユとボニー、オルガも笑って見送ってくれる。
「……レオくん。無事に帰ってくるのよ?」
 シャロンも柄になく名残惜しそうに俺に言ってくる。
 エルゼリアに住む彼女たちが全集合してくれた。
 彼女同士でギスギスしないか心配だったが、みんな気にしていないようだ。
 そこはやはり、地球と異世界の文化の違いなのだろう。
 日本育ちの俺は、少しばかり気まずい気分になってしまっているが……。
 まあ、全員俺の大事な彼女だ。
 ちゃんと遠征を終えて、また一人ひとり可愛がってやろう。
 もちろん、離れた所に住むサマンサやルーティア、ロゼリアにも遠征の件は伝えている。
 三人とも、心配そうにしながらも応援してくれた。
「モテモテだな。レオ」
 ゼルフィア団長が少しばかり含みのある声で微笑みかけてくる。
 その言葉は上司としての言葉だろうか。
 はたまた、友達以上恋人未満の関係としての嫉妬の言葉なのだろうか。
 いずれにせよ彼女との関係も、しっかり前進させなければな。
 彼女の言葉に「ありがたいことだよ」と微笑みながら応え、『まだまだ男として甲斐性をつけなければ』と改めて、気を引き締める。
「そろそろ出ますよー!」
 馬車引きのドルトンがギルドの馬車隊に号令をかける。
「じゃあ、みんな! 行ってくる!」
「頑張ってくるよー!!」
「うむ! お土産もちゃんと買ってくるからな!」
 俺、リズ、キアラを乗せた馬車もゆっくりと出発していく。
 次第に遠くなるエルゼリア。
 果たして、砂漠の国ではどんな冒険が待っているのだろうか。
 期待と不安に心を膨らませながら、俺たちはポートルートへと向かうのだった。

 ——馬車に揺られること半日。
 俺たちは昼頃、無事ポートルートに到着する。
 ここからは船の移動である。
 エルゼリアギルドの一団は、すぐに船のある港へと向かった。
 ——その時。
「レオー!」
「お兄ちゃーん!」
 遠征団を見ようと人が集まっている沿道から、俺のことを呼ぶ声が聞こえる。
 タニスとルルだ。
「頑張ってくるんだよ!」
「お兄ちゃん! 頑張ってー!!」
 ぶんぶんと手を振ってくれる愛しの彼女と、愛する義娘。
 俺は「ああ! ありがとう! 行ってくる!」と手を振り返した。
「にしし! やっぱ、愛されてるねー、レオは♪」
「ああ。皆の最愛の人だからな。私たちの彼氏は本当にモテるな」
 リズとキアラがくすぐったい会話をしている。
 これだけ彼女たちに応援されては、ちゃんと帰ってくるしかあるまい。
 俺たち含むギルドの一団は船に乗り込み、アルバイン王国を後にして、遠征先のオラシア王国を目指すのだった。

 ——船で海上を南に進むこと三日。
 俺は船の甲板で海風に当たっていた。
 眩しい太陽に照らされ、眼前にはマリンブルー、上空には海鳥が「クエークエー」と鳴きながら飛んでいる。
 都会育ちの自分にとっては新鮮で、実に気持ちのいいシチュエーションだ。
 とは言いつつ、ものすごくヒマである。
 海で魔物と戦闘になるかとも思っていたが、どうやらこの船は国から貸与された特別製の船で魔物を寄せ付けないらしい。
 なんでも、船底が魔物除けの魔石で作られているようで、魔物が寄ってこないのだとか。
 俺たち以外の冒険者も、皆、身体を動かせずにウンザリとした顔をしている。
 ゼルフィアに従うギルドの職員は、オラシア王国に着いてからの外交対応などをテキパキと打ち合わせしていて忙しそうだ。
 この辺りは、正社員である『ギルド職員』と、責任の少ないバイトのような『冒険者』の仕事の違いだろう。
 そんなつまらない事を考えていると、リズが甲板に出てくる。
「あ、レオー! こんなところにいたんだー!」
 俺の姿を見つけて嬉しそうに笑って手を振ってくる。
「ああ。朝ご飯は食べたか?」
「うん! 食べたよー!」
 船は割と大きめなので、冒険者たちは個室を与えられている。
 食事もメイドさんが部屋まで持ってきてくれるので、メンバーと会う機会もあまり無いのだ。
「キアラの具合はどうだ?」
「さっき部屋まで見に行ったけど、相変わらずグッタリしてたよ。……船酔い激しいみたいで」
「うーむ、そうか。可哀そうに」
 陸から離れたことのない種族だからか海での適応力が低いみたいで、キアラは出港して一日ほどで酷い船酔いに苦しんでいるらしい。
 こんなことなら、ロウナを連れてきた方が良かったか……いや、S級の魔物を相手にするのだ。
 全力を出せそうにないシレイドやロウナを連れてくるのはやはりマズいだろう。
 陸地に下りれば、船酔いも収まるだろうし。
 色々と考えていると、リズがぴっとりと肩を寄せ合ってくる。
「ねぇ……レオ……? なんか、ロマンチックなシチュエーションじゃない? 船の上で寄り添う恋人同士って……♡」
 嬉しそうに微笑む彼女の肩に手を回し「そうだな」微笑んでやると、嬉しそうに笑い返してくれる。
 旅行などの非日常は、人の心を刺激して高揚させてくれる。
 これは一応『冒険者としての仕事』なのだが、今だけは大目に見てもらおう。
 ぼーっと肩を並べて海を見ていると、船首の方から声がする。
「おーい! 見えてきたぞ!! オラシア王国だー!!」
 航海士らしき船員が叫んで教えてくれる。
「あはっ♪ どうやら船旅も終わりみたいだね♪ 見に行こうよ♪」
 はしゃぐリズが俺の手を引いて、船首の方に向かう。
「お、おおおおーーーーっ!!」
 見えてきた大陸は……!!
 どこもかしこも黄土色……!!
 見える範囲に緑は一切ない。
 暑さを物語るような陽炎がユラユラと踊っている。
「あれが……砂漠の国オラシア王国か!!」
 新たな大陸の冒険の始まり。
 俺とリズはワクワクしながら、それを感じていた。
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