【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第12章:砂の国オラシア王国と砂漠の女王編

第16話:策謀

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「ふぅ、終わったかぁ……ははっ、美味しい所は団長に持っていかれちまった」
 ベオウルフがへなへなとその場にしゃがみ込んで笑う。
 ジェネラルファルコンの瘴気が薄れたのか、動けなくなっていた者たちも徐々に動きを取り戻していった。
「レオー!!」
「おうふっ!?」
 近くで見ていたリズが駆け寄ってきて飛び込んでくる。
 俺はそんな彼女を抱きとめて頭を撫でてやった。
 キアラも静かにこちらに歩いてきてニッコリと微笑む。
「あの蝶、キアラのお陰なんだろう?」
「ふふふ、私は何もしていない。動けなかったからな。ただ、周囲の精霊に『少し助けてほしい』とお願いしただけだ。砂漠だろうと『砂』や『風』に宿る精霊はいるからな」
「ははは、ならやっぱりキアラのお陰でもあるじゃないか。ありがとう」
 キアラの艶やかな髪をそっと撫でてやると、彼女はくすぐったそうに頬を赤らめた。
「皆の者、よく戦ってくれた!! 怪我人を救護してやってくれ!! ……死者も弔ってやらねばならない。ギルド職員は処置に当たるように——」
「……は、ははははは……」
 ゼルフィア団長が命令を出そうとした直後、袈裟切りにされたジェネラルファルコンが地に伏しながら僅かに笑う。
「こ、こいつ、まだ生きて……!!」
 斥候部隊長がすかさずナイフを振り上げる。
「……待て」
 その時、ゼルフィア団長が斥候部隊長を止める。
 尚も不気味な笑みを浮かべるジェネラルファルコン。
 周囲の空気が少しずつ怪しいものになっていく。
「……貴様、何を隠している?」
 ゼルフィア団長が険しい顔でジェネラルファルコンを睨みつける。
「……どうして私たちが『お前たちがここに来る事を知っていた』のだろうなぁ……」
 ジェネラルファルコンはとぼけるように言う。
 そういえば……戦闘前に確か、奴は『自分たちの方が上手だった』と言っていた。
「ま、まさか……!?」
 ゼルフィア団長の顔が曇る。
「……は、ははは……お前たちが帰るまでに、オラシア王国があればいいなぁ……ごふっ!!」
 それだけ言うと、今度こそジェネラルファルコンは息絶えた。



 ——オラシア王国王宮・王の間。
「ほう。おどろいた……戦場におるはずの総大将がこんなところに現れるとは……。どうやってここまで忍び込んだのか……」
 パトラ女王は眼前の光景に少しばかり目を見開く。
 王の間の扉を蹴破って、パトラ女王の前に現れたのは反乱軍総大将サルベであった。
 先刻、反乱軍が予想を裏切り遥かに早くオラシア王国に攻め込んできたのだ。
 見張りからの第一報を受けたパトラ女王は、当然、抗戦するために王国の外に王国軍を敷き、四つの外門を全て封鎖した。
 今現在、王国の外では王国軍と反乱軍が激しい戦闘を行っているはずである。
 だが、反乱軍の最後方にいるはずの敵の総大将が、十数人の反乱軍兵士を引き連れて、王の間に入ってきたのだ。
「ギャハハハ!! ようやくお目にかかれたな!! パトラ!! 会いたかったぜぇ……俺を王の座から引きずり下ろしたあの時から、てめえをぶち犯してぶっ殺してやりたいと何度夢見たことか!!」
 パトラ女王を前にして、サルベがあくどい笑いを浮かべる。
「おぉおぉ……怖い怖い」
 そんなサルベをあしらう様に返すパトラ女王。
「大人しく降伏しやがれ……!! てめえのその椅子は俺様が頂く!! そして、もう一つ……伝説の宝玉『リビアンライト』もな!!」
「どちらもお前には過ぎたる物だ……妾の命に代えても、渡すわけにはいかんな」
 すごむサルベに対するパトラ女王の言葉に、王の間にいた数名のオラシア王国兵が武器を構える。
「セガール。奴らの動きを封じよ」
「はっ。かしこまりました……『アースバインド』!!」
 セガールが魔法を詠唱する。
 床から無数の土の紐が現れる。
 しかし、それらは……パトラ女王を始めとする王国兵士を拘束した。
「くっ……!? せ、セガール!? お前、な、何を……!?」
「お気づきになられませんでしたかな、女王? なぜ、今まで反乱軍のアジトが掴めなかったのか……なぜ、城の警備を掻い潜って総大将サルベがこの場にいるのか……なぜ、エルゼリアからの援軍が魔物退治に赴いている時に反乱軍が攻めてきたのか……それは全て『私』が情報を反乱軍に渡して仕組んだものなのですよ……」
「せ、セガール……!! 貴様……!!」
 土の紐に身体を縛られて、身動きが取れない状態で歯噛みするパトラ女王。
「よくやった、セガール! 褒めて遣わすぞ!」
「ありがたき幸せでございます。サルベ国王」
 サルベの言葉に、恭しいお辞儀をするセガール。
「何故だ!? 何故裏切った、セガール!?」
「裏切った? 違いますよ、パトラ様。私は元来、王の座に血筋を重んじる思想なのです。サルベ国王が王の座を追いやられる前より、ずっとね……」
 セガールの言葉に、パトラ女王は苦虫を噛むような顔をする。
「じょ、女王……!!」
「くっ、う、動けない……!!」
 その場にいた王国兵も動きを封じられ、呻くような声を上げるだけだ。
「さて、本題だ。『リビアンライト』はどこにある? あれがありゃあ、簡単に国民共に俺を王だと認めさせる事ができるからなぁ」
 磔の恰好をさせられているパトラ女王の顎を手で持ち上げるサルベ。
「ふっ……ふふふ、あんな危険な物、捨ててしまった。今頃、海の底にでもあるのではないか?」
 パトラ女王の返答に、眉をひくつかせるサルベ。
 そして……。
「……セガール」
「はっ」
 名前を呼ばれたセガールが懐からナイフを取り出し、パトラ女王の腕に突き立てる!
「ぐあああああああっ!!」
 痛みに絶叫する女王。
「もう一度だけ……訊く。これに答えなかったらてめえを殺す。『リビアンライト』はどこにある?」
「ふっ、ふふふ……殺すがいい。妾のこの命が果てようとも、貴様だけは王にするわけにはいかん……!! 妾を殺せば、『リビアンライト』がどこにあるのか、永久に漏れんしな……!!」
 サルベの問いに、尚も気丈に返すパトラ女王。
「ほぉ、そうかそうか。なら……そこで捕まっている兵士どもを殺していくとしようか……!!」
「なっ……!?」
「可哀想になぁ!! てめえのせいで、てめえを守る何の罪もない兵士が目の前で死ぬんだ!!」
「よ、止せっ!! やめろ!!」
 サルベの言葉に、動揺するパトラ女王。
「女王!! わ、我らは命など惜しくありません!!」
「この者を、王にしてはいけない!!」
 拘束されている兵士たちが口々に叫ぶ。
「お、お前たち……くっ……!!」
「ちっ、五月蠅いゴミどもが……そんなに死にてえなら、ぶっ殺してやるよ!!」
 サルベがイラつきながら、拘束されている王国兵に近づき、剣を振り上げる!!
「やめろおおおおおおおぉぉぉ!!」
 パトラ女王の悲痛な叫びが王の間に木霊する!!
「あの世で、女王を恨みな!!」
 剣が振り下ろされたその瞬間——!!
 ガキイイイイイイイイイイイイン!!
 その剣が、止められる。
 そこにいたのは……。
「そ、そなたは……エルゼリアの冒険者の……?」
「間に合ってよかったです……パトラ女王」
 サルベの剣を止めたのは、この世界では見慣れない黒髪黒目の冒険者『レオ』だった。


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