【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第2章:ルクシアの森と奴隷暗殺者編

第1話:ショッピング

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 サマンサの家からルクシアの町の宿に帰り、数日間のんびりリズと過ごした。
 転生してからここまで休みという休みを取ってなかった上、先の依頼で死にかけたこともあり、ゆっくり休もうとリズと決めたのである。
 サマンサの依頼の報酬金は少なかったものの、幸い5000Gほど持ち金があったので、宿に泊まり、街中で買い食いをするくらいは軽くできた。
 その間、リズとの生活は実に甘いものだった。
 もともと『世話焼き』で『尽くすタイプ』の彼女は甲斐甲斐しく身の回りの世話をしてくれたり、話し相手になってくれたり。
 もちろん、アバンチュールの方も付き合ってくれる。
『浮気』という概念は薄いものの『嫉妬』という概念はきちんとあるようだ。
 リズは、なまじ負けず嫌いなため、自分が一番になろうと必死なのもあった。
 それだけ好かれているのかと、俺自身、心が熱くなった。

 ある朝、二人でしこたまベッドでゴロゴロした後、朝の支度をする。
 そろそろ休暇も終わろうかと昨晩話し合ったのだ。
 今日からまた、冒険者稼業に勤しむことにしよう。
「新しい防具を買わなきゃいけないわね」
 リズは、ボロボロに裂かれた俺の皮の服を見て言った。
「武器もだな」
 鉄の剣を抜いてみると、刃が見事に欠けている。
 シルバーウルフと鍔競り合った時に欠けたのだろう。
 ちゃんと手入れはしていた。
 リズに習いながら、油で拭き上げ、砥石を買って磨いていた。
 より良い武具を持たないと、強い魔物には勝てない。
 危険度Dのシルバーウルフには鉄の剣では不足だったというわけだ。
「よし。リズ、武器屋と防具屋に行こう。剣と胴装備を買う。ついでに服屋にも」
 普段着は、転生してきた時に着ていた服一着しかない。
 宿の寝間着があるとはいえ、休みが続くと着る服が無くなる。
「うん! じゃあ、行きましょう?」

 俺とリズは町に繰り出した。
 歩いていると、あたたかい風が吹いてくる。
「そういえば、この世界の日付や季節ってどうなってるんだ? 俺の世界では春・夏・秋・冬に分かれていて、一年は十二ヵ月だったんだが」
「えっと、基本的にアルティナでも同じね。春・夏・秋・冬に分かれているわ。一年は十二ヵ月。一ヵ月は三十日で、それぞれ、四月は『ブロッサムの月』、七月は『オーシャンの月』みたいに各月に名称があるの。今は四月、ブロッサムの月の二十六日よ」
 なるほど、一年は三百六十日ってことか、閏年みたいなものはないみたいだ。
 月の数え方や、春夏秋冬に分かれているのも同じみたいだな。
 考えてみれば、転生してから生活費を稼ぐことで手一杯で、この世界の常識的なところはすっ飛ばしてきた部分が多い。
 まあ、これから少しずつ知っていけばいいか。

 転生した当初に、鉄の剣をリズに買ってもらった武器屋に着いた。
「いらっしゃいませ! レオ様、リズ様」
 髭面の店長が、手を揉みながら近づいてくる。
 さすがは商売人と言うべきだろうか、一度しか来ていない俺の顔と名前まで覚えているとは。
「聞きましたよ! シルバーウルフを討伐されたとか! いやはや、まだ冒険者になって間もないでしょうに素晴らしいご活躍ですね!」
 そこまで知っているのか。
 まあ、ギルドでも大変な噂になっているようだったから、ある程度広まるのは覚悟していた。
 ましてや、冒険者が多く来店する武器屋だ。知っているのが普通だろう。
「まあな。だが、その戦いで剣をやられてしまってな……」
 前はリズに全てを任せてしまっていたが、今回は俺が対応する。
 これまでの戦いを通して、剣の良し悪しはそれなりに理解できるようになってきた。
 欠けた鉄の剣を差し出すと、店主はじっとそれを見る。
「なるほど……相当の激闘だったのでしょうね。これは鍛冶屋で直すより、新しい武器を買った方が良いと思いますね」
 営業トーク丸出しだが、もとよりこちらもそのつもりだ。
「この『鉄の剣』より良い剣はあるか?」
「それなら、ワンランク上の『鋼の剣』はどうでしょうか?」
 店長が棚から取り出した『鋼の剣』を手に取る。
 鋼というから、大層重い剣なのかと思っていたが、思いのほか軽い。
 武器として扱うのだから、重すぎるのも駄目なのだろう。
 鞘から抜き、振ってみる。
 悪くない。
「こちらの商品なら、たとえシルバーウルフとの戦いでも欠けることはもう無いかと」
 営業トークを続ける店主。
「この鋼の剣、値段はいくらだ?」
「750Gとなります」
「よし。貰おう」
 俺は鋼の剣を買って、店を出た。
「よかったわね! 良い剣が見つかって!」
 リズが笑顔で話しかけてくる。
「ああ、そうだな。次は防具屋だ」

 防具屋に着くと、中年の女店主が声をかけてくる。
「おや、リズちゃんじゃないか。それにレオさんも。今日はどうしたんだい?」
「レオの皮の服が破れちゃって。良い防具無いかなって探しに来たの」
「そうかい。そっちの棚が初級冒険者用の防具だね。軽いのは服や衣、重いのは鎧で分別してあるから自由に見なよ」
 武器屋より商売っ気の薄い話し方で、実に話しやすい。
 いや、商人としてはそれでは生きていけないのか?
 俺は、棚にある防具を見てみる。
 攻撃を真正面から受けるのではなく、躱す方が多いから、軽いものが良い。
 俺は、棚の中で一番高価な『騎士のマント』を手に取る。
「わぁ……! それ、カッコイイわね! レオにぴったりだよ!」
 隣でリズが飛び跳ねている。
 紺色を基調とした燕尾服のようなデザインの胴装備。
 マントという名前だが、上着だけでなく、ちゃんとズボンまでセットになっている。
 試着してみた感じ、皮の服よりも厚めの服だが、柔らかく動きやすい。
 通気性も良く、野暮ったい感じもない。スタイリッシュだ。
「お目が高いね。そいつは金銭に余裕のできた初級冒険者が真っ先に買う防具だよ。防御力もあって見てくれも良いから、人気なんだ」
 女店主が説明してくれる。
「それにしなよ! レオによく似合っているわよ!」
 武器屋の時は意見を言わなかったリズがグイグイ推してくる。
 防具などの着るものに、こだわりがあるのはいかにも女の子らしい。
「分かった。これを貰おう」
「毎度あり。1000Gだよ」
 鋼の剣よりも高くついたが、リズも満足げだし、良い買い物ができただろう。

 その後、服屋に行き普段着を数着買った。
 ここでは、さらにリズが元気になり、完全にリズ好みの服を買わされた。
 まあ、俺自身服にこだわりはあまりないからそれで良かったのだが。
 ここでも250Gの消費。
 この日の買い物で、合計2000Gの出費だ。
 5000G近くあった所持金が、休みの間の宿代や贅沢も重なり約1000Gまで減る。
 仕方ない。必要経費だ。生きている限り、金は消費するものだ。
 買い物を終えて、とりあえず宿に帰った。
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