【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第2章:ルクシアの森と奴隷暗殺者編

第14話:錬成屋シャロン

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「錬成屋……『紫煙の白猫』」
 町の南側の表通りを一本外れたところに、その店はあった。
 他の家が、茶色い木や赤土色のレンガなどで建てられている中、その店は紫色の石で出来た珍妙な建物だ。
 ラズベリーのリストによると、ここが『スライムの粘液』を高く買い取ってくれる店らしい。
 通りとは外れた薄暗い道に建てられた不気味な店。
 俺は意を決して、中に入る。
 誰もいない。
 店内は薄暗く、そこかしこに使い方の分からない道具や見たことのない液体が並べられている。
 珍しい物ばかりでキョロキョロと店内を見渡していると、奥の階段から女性が下りてきた。
 魔女だ。
 年は25歳くらいだろうか。
 真っ白のローブを羽織っているが、その下に着ている服は、もの凄く露出度が高い。
 海で着るビキニのような白い服だ。
 スタイルがよく、特に胸が大きい。サマンサ以上だろうか。
「あら……お客さん?」
 切れ長の妖艶な瞳でジロリとなめ回すように俺を見る魔女。
「ふーん……君がレオくんかぁ……」
 俺のことを知っている?
 警戒していると、魔女がくすくすと笑う。
「心配しないで。鑑定を使っただけだから、それにこの町では有名よ? 冒険者になって一ヵ月足らず、冒険者ランクEで危険度Dのシルバーウルフを討伐した異界人の男の子ってね」
 そこまで知っているのか。
「お姉さんのことを鑑定しても?」
「ええ……どうぞどうぞ、できるなら……ね♡」
 俺は頭の中で鑑定を唱える。

名前:シャロン・アルバイン
警告:魔法により阻害されております。閲覧できません。

「な!? 閲覧できない!?」
「うふふふ、教えてあげる。鑑定の魔法はね『魔物』や『アイテム』は魔力値に関係なく鑑定できるけど、鑑定阻害の魔法を持つ『人』に対しては名前以外鑑定できなくなっているのよ。あと他人のこと、勝手に鑑定するのは結構失礼に当たるから気をつけてね、異界人さん♪」
「シャロンさんは俺のことを速攻で鑑定していたみたいですが……?」
「お姉さんはいいのよ。可愛いんだから♪」
 屈託のない笑顔で身も蓋も無いことを言われてしまった。
 だが、勉強になった。無暗に他人を詮索しないように気をつけよう。
「さて、遊ぶのはここらで止めにして。今日は何の御用かしら、レオくん♪」
「ああ、『スライムの粘液』をシャロンさんに買い取ってほしくて。ここなら、高く買い取ってくれると聞いて来たんだ」
 名前を強調してくるシャロンさんに対し、俺も応酬する。
「シャロンでいいわよ。『スライムの粘液』ねえ……切れてたからちょうどいいけど、何個持ってきたの? 三個? 五個? 言っておくけど、基本私は大口の取引しかしないわよ?」
「今、百二十三個持っている。すべて買い取ってほしいんだが」
 俺の言葉を聴いたシャロンは目を丸くする。
「へえ……一ヵ月足らずで百二十匹以上のスライムを倒しちゃったんだ……。なるほど、噂通り。適性SSSは伊達じゃないわねぇ」
 口許を緩ませるシャロン。
 こっちの武器適性までキチンと筒抜けのようだ。
 俺は指定された場所に百二十三個の『スライムの粘液』を置いた。
「うん、確かに。買い取り額は……そうねぇ1万5000Gでどうかしら?」
「ええ!? そんなに!?」
 高い。買取金額がべらぼうに高い。
 スライムの粘液1個の換金額が50Gだから普通に換金したら6000Gちょい。
 シャロンの提示した額はその二倍以上だ。
「ありがたいが、本当にいいのか?」
「ええ、私はチマチマした取引は嫌いなの。取るならドーンと取る、出すならドーンと出す。それに、キミのこと少し気に入っちゃってね。それでも悪いと思うんだったら、うちの店の商品、また今度買っていってくれない?」
「ああ、ありがとう。もちろんだ」
 お金を受け取り、店内を見回す。
「しかし、ここは一体何の店なんだ? 色んなものが置いてあるけど」
「言うなれば、魔女である私の作品を売る店……かな。色んな素材を錬成して、魔道具や薬なんかを作ってるの。そうそう、時々オリジナルの魔導書なんかも作ってるわよ」
 シャロンが視線をやった先の本棚には様々な魔導書が飾られていた。
「オリジナルなのか?」
「ええ。魔法を一から込めて作ったオリジナルの魔導書。魔法適性はある程度必要だけど、誰でも使えるのが特徴よ。もっとも、世界に一つだけの魔法になるから価格は最低50万G以上だけどね」
「それは、買えないな」
 苦笑いする俺を妖艶な笑みで笑うシャロン。
「いいわよ、無理しなくて。お金に余裕ができたら買ってちょうだい♪ その様子だと、今は、お金が必要なんでしょう? 頑張って稼いで頂戴ね」
「ありがとう。また来るよ」
 俺はシャロンの励ましを受けて、店を出た。

 これで合計、4万8000G。
 初日でこれだけ稼げたのなら、上々だろう。
 さて、これからだ。
 素材を結構断捨離したし、残った素材は大きく動かすのにはまだ数は足りない。
 明日からは、魔物を倒しに夜の平原に籠ることにするか。

「そのためには情報を収集しないとな」
 夜の平原に籠ったところで大したお金にならないなら意味がない。
 俺はギルドに併設されている酒場に向かった。
「おう、あんちゃん。今日は一人なんだな。どうだあ、いい奴隷はいたか?」
 冒険者グレゴがエールの瓶を持って近づいてくる。
「ああ、今買おうと動いてる。ちょっと訊きたいことがあるんだが」
「おう、先輩に何でも聞けぇ」
 酒が回っているらしく、ずいぶんご機嫌だが、話を進めよう。
「夜の平原の魔物って、昼の魔物に比べて金になるのか?」
「夜の魔物って……おめえの方が知ってんじゃねえか? 牧場の依頼、受けてたの夜だったろ?」
「いや、ウルフとの戦いに万全を期すために、魔物の気配がしたら、避けるように動いてたんだ。だから、夜はウルフ以外の魔物とは出くわしてない」
「そうか。それなら答えは『金になる』だ。夜の魔物は昼の魔物に比べて凶暴な奴が多く、危険度も増す。その分、素材の希少性も上がるからな。素材の価値は全体的に昼よりも上だ。まあ……ウルフっていう例外もいるがな」
「そうか、その中でも特に金になりそうな魔物はいるか?」
「うーむ……そうさなぁ。平原の夜の魔物で金になると言えば、『シャドウ』だろうな」
 グレゴが親身になって教えてくれる。
「そいつを倒したら、黒い石っころを落とすんだけどよ。『影の結晶』って呼ばれる魔石で、売ればそれなりに金になる。200Gってところかな」
「それは、なかなかいいな」
「ああ、レア素材はさらに高価だ。魔力のこもった宝石として取り扱われるらしい」
「そうか。ありがとう、狙ってみることにする」
「おおっと、言い忘れてたが、シャドウは斬撃や打撃は効かねえんだ。戦うなら奴らの弱点である魔法を使うんだぞ」
「分かった。恩に着るよ」
 シャドウ……影ということもあって武器は効かないのか。
 知らずに戦っていたら、苦戦していたかもな。
 いい情報を貰った。

 これで、ターゲットも決まった。
 宿に戻ると、リズが出迎えてくれた。
 森で見つけたキングトリュフをグルメな貴婦人に直接売りつけたらしく、かなり儲かったらしい。
 当面の生活費は心配いらないそうだ。
「で、どうだった? お金、集まった?」
「なんとか半分近くまで。残り半分はまた魔物を倒して素材を稼ぐことにする。そこでだ、しばらくサマンサの家を拠点にして、平原の夜の魔物を狩ろうと思う」
「そっか。確かに、昼の魔物よりも夜の魔物の方が強いし、いいもの持ってそうだものね……まあ、ウルフは素材へぼいけど」
「ああ、リズはこの町で待っていてくれるか?」
「うん……仕方ないよね」
 ロッククロウラーの件がよぎったのが、リズが俯いて答える。
 リズを護りながらの戦いだと、やはりどうしても全力が出せない。
 これは、戦闘メンバーが増えれば自ずと解決すると思うのだが。
 また、シルバーウルフのような危険度の高い魔物が出てくる特殊なケースが、起こるとも限らない。
 その時に、リズを連れていたら、二人とも危険だ。
 リズも、そのことを重々解っているからか、ちゃんと頷いてくれた。
「ねえ……レオ?」
「どうした?」
「その……サマンサと仲良くし過ぎて、あたしに飽きたらイヤだよ?」
 また可愛らしいことを言ってくれる。
 どうやらリズの心配事はそっちの方が大きいらしい。
 俺はリズにそっとキスをする。
 唇を離し、見つめ合い、囁いてやる。
「心配し過ぎだ、リズ。彼女がどれだけ増えようが、俺がリズを捨てることは絶対にない。必ず幸せにする。だから、安心しろ」
「うん……分かった……♡」
 リズは恍惚の笑みを浮かべて、首肯する。
「ねえ……レオ……? あたし、まだ不安だから……ちゃんと安心させてくれる?」
 リズが上目遣いで訊いてくる。
「もちろんだ」と一言答えて、俺はリズを情熱的に抱きしめたのだった。
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