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第3章:エルフの国と優しい女王編
第5話:傲慢貴族カブラ
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四日後――。
兎肉の引き渡しの日がやってきた。
妙に気合の入ったリズとシレイドを連れて、ミレーユの酒場に向かう。
「あら、いらっしゃい。うふふ、今日はありがとうね。よろしくお願いするわ」
「ああ、しっかり護るから、安心してくれ」
「任せてください!」
「ん……シレイド、頑張る」
俺たち三人はカウンター席に座り、その時を待った。
そして、約束の正午。
バンッ!! ガコンガコン!!
入り口のドアが勢いよく開け放たれる。
「ミレーユ!! カブラじゃ! 依頼の品を取りに来たぞよ!」
お供の騎士を二人連れて、男が入ってくる。
「あら、カブラ様。いらっしゃいませ」
ぞんざいな態度で店に入ってきた例の貴族をミレーユが静かに頭を下げて出迎える。
顔は満面の笑顔だが、目元が笑っていない。
女性の怖さが少しわかる。
豚のような顔をした小柄で太ったカブラという男は、なめ回すような目でミレーユを見る。
そのいやらしい視線が、ミレーユの豊満な胸や、ぷりんとした尻、さらには艶めかしい色香を放つ唇に這っているところを見ていると、気分が悪く、こちらも胸やけがしそうだ。
あまりの態度の悪さに、リズが顔を引きつらせている。
「うむ。『角兎の肉』百五十個は手に入ったかの? まぁ、手に入ってないじゃろうなぁ! 仕方のないことじゃ! 本来、貴族ロースシュタイン家の依頼を果たせなかった者には、相応の罰を与えるところじゃが……特別に!! ワシの妾になることで許してやろう!!」
どこまでも横柄だな、この貴族。
「あら、ご心配には及びませんわ。きちんと手に入りましたので」
ミレーユが貯蔵庫から兎肉が積み上げられた台車を引いて現れる。
「な、なな、なななな、なんじゃと!?」
カブラが口をあんぐりさせて驚いている。
「ま、まさか……この田舎の町にこれほど短期間にそれだけのホーンラビットを狩れる冒険者がいるわけない……」
まあ、たまたま食うためにストックしていただけなんだがな。
「これで私は契約を果たしましたので。契約書通り、今後一切、私に近づかないと……」
「まだじゃああ!!」
ミレーユが言葉を言い終わる前に大声を上げるカブラ。
「そ、そうじゃ!! 実は来週にも宴会を予定しておっての!!」
カブラは慌てたようにまくし立てる。
「そこでルクシアの森で獲れる丸豚のステーキを振舞おうと思っておるのじゃ!! それでじゃ『丸豚の肉』を五十個、そうじゃなあ、明日までに!! また、よろしく頼むぞ!!」
「か、カブラ様、そういったことは、冒険者ギルドに依頼をして頂きたいのですが……。私の店は卸問屋ではなく酒場ですので……それに、明日までになんて……!」
ミレーユは笑顔だが、内心の焦りとメラメラした怒りのようなものが感じ取れる。
「おお? なんじゃ? ロースシュタイン家であるワシの言うことが聞けんのか? そっちがそのつもりなら、こちらも考えがある。貴族に対しての不敬ということで、この酒場ごと、おぬしを買い取って――」
「わ、分かりました。用意いたします」
ほぼ脅迫のようなカブラの要求に、苛立ちを感じている声色で答えるミレーユ。
貴族であるカブラの依頼を聞かなければ、問答無用で制裁を加えられるということか。
権力を持ったゲスはどうしようもなく厄介だな。
「そうかそうか。よいよい。その代わり、『丸豚の肉』五十個を用意できずに儂に恥をかかせたら、その時も同じようにおぬしのことを貰うぞい……ぐふ、ぐふふふふ」
ミレーユが不安そうにチラリとこちらを見る。
俺は、しっかりと頷いてやる。
丸豚の肉五十個、もちろん持っている。
伊達に森で魔物を狩り続けているわけではない。
毎日、肉が普通に出てくる世界で育った俺をなめるな。
食の充実は優先的にしているに決まっているだろう。
そのことを知っているからか、リズは笑いをこらえるのに必死だ。
シレイドは先日に引き続き、黙々とオムライスを食べている。
カブラの従者の動きをチラチラと警戒している気もするが。
相当気に入ったんだな、オムライス。
「承知しました。ですが、もし用意出来たら、今度こそ、今後この店にも私にも私の周りの方たちにも一切、関わらないと約束して頂けますね?」
確信を得たミレーユが強気に出る。
「もちろんじゃ!」
「では、こちらの『血の契約書』にサインを」
「ち、『血の契約書』? そ、そこまでするのか?」
「当然でございます。今回のように、また約束を反故にされたら堪りませんもの」
ミレーユが笑顔で言い放つ。
「なんだ? 『血の契約書』って」
「契約した内容を守らないと、死が訪れる魔道具よ」
俺の小声での問いかけに、リズが答えてくれる。
恐ろしい魔道具があったものだ。
というか、あのカブラとかいう奴、あそこまでミレーユを怒らせるようなことをしておいて、それでも言い寄るとかどんな図太い神経してるんだ?
「ぐふぐふ……明日までに『丸豚の肉』五十個など用意できまい……これでミレーユは儂のもの……」
いや、何も考えてないだけか。
カブラは笑いをこらえきれないという様子で、契約書にサインしている。
カブラがきちんとサインし終わったのを見て、俺はミレーユに近づいていく。
「どうする? 今出せるぞ?」
「ええ、お願いするわ」
「ん? 誰じゃ? お前? 出せるとはどういうことじゃ?」
俺は肉が積まれた台車に、丸豚の肉を出していく。
「そ、それは……ま『丸豚の肉』!? なんでじゃ!? どうしてじゃ!? なんなんじゃお前は!?」
突然の俺の行動にパニックになるカブラ。
「『丸豚の肉』、必要なんだろう? 今その契約を完了させてやるよ」
俺が五十個の丸豚の肉を積み上げると、カブラの隣の従者が言う。
「か、カブラ様、きっちり五十個ありましたぞ!? これで、契約を破れば、カブラ様のお命が……!!」
「なんでじゃあああ!? 誰なんじゃ!! 貴様!?」
「えっとー……」
「この人♡ 私の彼氏なの♡」
「えっ!?」
返答に困っていると、カブラに見せつけるようにミレーユが俺の腕に抱きついてくる。
あまりの展開に変な声が出てしまった。
「う、嘘じゃ!! で、でたらめを申すな!!」
それでもカブラは信じようとしない。
「み、ミレーユ……!?」
「あら、ホントよ? その証拠に……あむちゅっ……♡」
ミレーユがいきなり唇を重ねてきた。
しかも、柔らかくねっとりした舌を潜り込ませてくる。
いつも酒を飲んでいるからなのか、微かに葡萄のような甘く芳醇な味と香りが口に広がる。
「う、嘘じゃあああああアアアア!!」
カブラは泣きながら叫んで走り去った。
「カブラ様、お待ちください!!」
従者たちも肉の台車を引きながら、追いかけていく。
まあ、惚れた女と他の男のディープキスを見たらそうなるか。
「こ、こんなことして良かったのか……?」
「いいのよ。このくらいしないと、あいつ、私のこと諦めない感じだったでしょ?」
リズたちの方を見る。
リズは目が点になっていた。
シレイドも、もぐもぐしながら俺をじっと見ていた。
「ご主人様……やっぱりジゴロ……」
「ち、違うって! 誤解だ!」
「ま、まあ、なんにせよ、良かったじゃない。うん……無事、契約も終わったし!」
リズが何も見ていなかったように話し出す。
「とりあえず、みんなにお礼を言うわ。ありがとう。これで店も私もあの男から解放されたわ。丸豚の分の報酬は後日、ギルドを通してきちんと払わせてもらうから」
「わ、分かった。よ、よーっし、リズ、シレイド。帰るぞ」
「う、うん! そうね! 帰りましょう!」
「んー……ミレーユ、また来る……オムライス食べに」
「いつでもきて頂戴ねー♪」
笑顔で手を振るミレーユに見送られて、店を後にする俺たち。
「はぁ……また、ライバルが増えてしまったぁ……」
帰り際、リズが深い溜め息をついていた。
ふと、ポケットに手を入れると、小さな羊皮紙が入っていた。
『今日の夜、酒場で待ってるわ。必ず来てね。ミレーユ』
俺は高鳴る胸を抑えつつ、羊皮紙を大切にポケットに突っ込んだ。
兎肉の引き渡しの日がやってきた。
妙に気合の入ったリズとシレイドを連れて、ミレーユの酒場に向かう。
「あら、いらっしゃい。うふふ、今日はありがとうね。よろしくお願いするわ」
「ああ、しっかり護るから、安心してくれ」
「任せてください!」
「ん……シレイド、頑張る」
俺たち三人はカウンター席に座り、その時を待った。
そして、約束の正午。
バンッ!! ガコンガコン!!
入り口のドアが勢いよく開け放たれる。
「ミレーユ!! カブラじゃ! 依頼の品を取りに来たぞよ!」
お供の騎士を二人連れて、男が入ってくる。
「あら、カブラ様。いらっしゃいませ」
ぞんざいな態度で店に入ってきた例の貴族をミレーユが静かに頭を下げて出迎える。
顔は満面の笑顔だが、目元が笑っていない。
女性の怖さが少しわかる。
豚のような顔をした小柄で太ったカブラという男は、なめ回すような目でミレーユを見る。
そのいやらしい視線が、ミレーユの豊満な胸や、ぷりんとした尻、さらには艶めかしい色香を放つ唇に這っているところを見ていると、気分が悪く、こちらも胸やけがしそうだ。
あまりの態度の悪さに、リズが顔を引きつらせている。
「うむ。『角兎の肉』百五十個は手に入ったかの? まぁ、手に入ってないじゃろうなぁ! 仕方のないことじゃ! 本来、貴族ロースシュタイン家の依頼を果たせなかった者には、相応の罰を与えるところじゃが……特別に!! ワシの妾になることで許してやろう!!」
どこまでも横柄だな、この貴族。
「あら、ご心配には及びませんわ。きちんと手に入りましたので」
ミレーユが貯蔵庫から兎肉が積み上げられた台車を引いて現れる。
「な、なな、なななな、なんじゃと!?」
カブラが口をあんぐりさせて驚いている。
「ま、まさか……この田舎の町にこれほど短期間にそれだけのホーンラビットを狩れる冒険者がいるわけない……」
まあ、たまたま食うためにストックしていただけなんだがな。
「これで私は契約を果たしましたので。契約書通り、今後一切、私に近づかないと……」
「まだじゃああ!!」
ミレーユが言葉を言い終わる前に大声を上げるカブラ。
「そ、そうじゃ!! 実は来週にも宴会を予定しておっての!!」
カブラは慌てたようにまくし立てる。
「そこでルクシアの森で獲れる丸豚のステーキを振舞おうと思っておるのじゃ!! それでじゃ『丸豚の肉』を五十個、そうじゃなあ、明日までに!! また、よろしく頼むぞ!!」
「か、カブラ様、そういったことは、冒険者ギルドに依頼をして頂きたいのですが……。私の店は卸問屋ではなく酒場ですので……それに、明日までになんて……!」
ミレーユは笑顔だが、内心の焦りとメラメラした怒りのようなものが感じ取れる。
「おお? なんじゃ? ロースシュタイン家であるワシの言うことが聞けんのか? そっちがそのつもりなら、こちらも考えがある。貴族に対しての不敬ということで、この酒場ごと、おぬしを買い取って――」
「わ、分かりました。用意いたします」
ほぼ脅迫のようなカブラの要求に、苛立ちを感じている声色で答えるミレーユ。
貴族であるカブラの依頼を聞かなければ、問答無用で制裁を加えられるということか。
権力を持ったゲスはどうしようもなく厄介だな。
「そうかそうか。よいよい。その代わり、『丸豚の肉』五十個を用意できずに儂に恥をかかせたら、その時も同じようにおぬしのことを貰うぞい……ぐふ、ぐふふふふ」
ミレーユが不安そうにチラリとこちらを見る。
俺は、しっかりと頷いてやる。
丸豚の肉五十個、もちろん持っている。
伊達に森で魔物を狩り続けているわけではない。
毎日、肉が普通に出てくる世界で育った俺をなめるな。
食の充実は優先的にしているに決まっているだろう。
そのことを知っているからか、リズは笑いをこらえるのに必死だ。
シレイドは先日に引き続き、黙々とオムライスを食べている。
カブラの従者の動きをチラチラと警戒している気もするが。
相当気に入ったんだな、オムライス。
「承知しました。ですが、もし用意出来たら、今度こそ、今後この店にも私にも私の周りの方たちにも一切、関わらないと約束して頂けますね?」
確信を得たミレーユが強気に出る。
「もちろんじゃ!」
「では、こちらの『血の契約書』にサインを」
「ち、『血の契約書』? そ、そこまでするのか?」
「当然でございます。今回のように、また約束を反故にされたら堪りませんもの」
ミレーユが笑顔で言い放つ。
「なんだ? 『血の契約書』って」
「契約した内容を守らないと、死が訪れる魔道具よ」
俺の小声での問いかけに、リズが答えてくれる。
恐ろしい魔道具があったものだ。
というか、あのカブラとかいう奴、あそこまでミレーユを怒らせるようなことをしておいて、それでも言い寄るとかどんな図太い神経してるんだ?
「ぐふぐふ……明日までに『丸豚の肉』五十個など用意できまい……これでミレーユは儂のもの……」
いや、何も考えてないだけか。
カブラは笑いをこらえきれないという様子で、契約書にサインしている。
カブラがきちんとサインし終わったのを見て、俺はミレーユに近づいていく。
「どうする? 今出せるぞ?」
「ええ、お願いするわ」
「ん? 誰じゃ? お前? 出せるとはどういうことじゃ?」
俺は肉が積まれた台車に、丸豚の肉を出していく。
「そ、それは……ま『丸豚の肉』!? なんでじゃ!? どうしてじゃ!? なんなんじゃお前は!?」
突然の俺の行動にパニックになるカブラ。
「『丸豚の肉』、必要なんだろう? 今その契約を完了させてやるよ」
俺が五十個の丸豚の肉を積み上げると、カブラの隣の従者が言う。
「か、カブラ様、きっちり五十個ありましたぞ!? これで、契約を破れば、カブラ様のお命が……!!」
「なんでじゃあああ!? 誰なんじゃ!! 貴様!?」
「えっとー……」
「この人♡ 私の彼氏なの♡」
「えっ!?」
返答に困っていると、カブラに見せつけるようにミレーユが俺の腕に抱きついてくる。
あまりの展開に変な声が出てしまった。
「う、嘘じゃ!! で、でたらめを申すな!!」
それでもカブラは信じようとしない。
「み、ミレーユ……!?」
「あら、ホントよ? その証拠に……あむちゅっ……♡」
ミレーユがいきなり唇を重ねてきた。
しかも、柔らかくねっとりした舌を潜り込ませてくる。
いつも酒を飲んでいるからなのか、微かに葡萄のような甘く芳醇な味と香りが口に広がる。
「う、嘘じゃあああああアアアア!!」
カブラは泣きながら叫んで走り去った。
「カブラ様、お待ちください!!」
従者たちも肉の台車を引きながら、追いかけていく。
まあ、惚れた女と他の男のディープキスを見たらそうなるか。
「こ、こんなことして良かったのか……?」
「いいのよ。このくらいしないと、あいつ、私のこと諦めない感じだったでしょ?」
リズたちの方を見る。
リズは目が点になっていた。
シレイドも、もぐもぐしながら俺をじっと見ていた。
「ご主人様……やっぱりジゴロ……」
「ち、違うって! 誤解だ!」
「ま、まあ、なんにせよ、良かったじゃない。うん……無事、契約も終わったし!」
リズが何も見ていなかったように話し出す。
「とりあえず、みんなにお礼を言うわ。ありがとう。これで店も私もあの男から解放されたわ。丸豚の分の報酬は後日、ギルドを通してきちんと払わせてもらうから」
「わ、分かった。よ、よーっし、リズ、シレイド。帰るぞ」
「う、うん! そうね! 帰りましょう!」
「んー……ミレーユ、また来る……オムライス食べに」
「いつでもきて頂戴ねー♪」
笑顔で手を振るミレーユに見送られて、店を後にする俺たち。
「はぁ……また、ライバルが増えてしまったぁ……」
帰り際、リズが深い溜め息をついていた。
ふと、ポケットに手を入れると、小さな羊皮紙が入っていた。
『今日の夜、酒場で待ってるわ。必ず来てね。ミレーユ』
俺は高鳴る胸を抑えつつ、羊皮紙を大切にポケットに突っ込んだ。
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