【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第3章:エルフの国と優しい女王編

第16話:エルフの国

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「このハチの巣はどうする?」
 レッドビーとクイーンビーを倒した後に、直径50センチほどの大きな巣だけが残されている。
「その蜂の巣には大量の蜂蜜が詰め込まれている。丸ごと袋に入れて後で採取すればいい。『マノハチノコ』という食材も採取できるしな」
『マノハチノコ』……? ああ、『魔のハチノコ』ということか。
「ハチノコって……また、食べづらそうな食材だね……」
 リズが苦笑いをしている。
 キアラの助言を受けて、残ったハチの巣を丸ごと布で包み魔法の袋に入れた。
 食べる気にならない食材ならギルドで換金するか、グルメ貴族に売ってしまえばいい。

 その後も、何度か戦闘を重ねる。
 アイビーデビルという蔦が固まったものが動いているような魔物や、グリーンデアと呼ばれる鹿の魔物にも遭遇し、素材を頂いた。
 特に、グリーンデアの角は良薬の材料になり、高値で取引されるらしい。
 深淵に入って、かなり順調に金策できている気がする。
 やはり、平原や森の浅い部分の魔物に比べ、高価な素材を落とす。
 当然、その分の危険度は増すのだが。

 休憩をはさみながら、森を二時間ほど歩いただろうか。
 鬱蒼とした森を抜け、日が当たる大きな花畑に着いた。
「うわー、綺麗な場所♪」
「キレイ……」
 リズとシレイドが感動している。
 一面、七色の花が栄えている美しい花畑だ。
 確かに綺麗だ。都会暮らしだった俺には眩しいくらいだ。
「ここを抜ければエルフの国だ。国の者も事情は解っているが、外の者が国を歩くのを良しとしない者も多い。私から離れないようにしてほしい」
「分かった。リズ、シレイド、単独行動禁止な」
「ええ」
「……分かった」
 花畑を進んだ所に、大きな樹が生えている。
 森の中ではひときわ大きい、RPGでいうと世界樹のような感じだ。
 その根元が白く輝いている。
「さあ、ここがエルフの国への入口だ。ここに飛び込むんだ」
「こ、ここにか?」
 この真っ白に輝く空間に飛び込むというのか?
 未知の経験に少しばかり臆してしまう。
 ええい、ここまで来たんだ、仕方ない!
 恐る恐る、手を入れて、足を入れて、身体を入れて、最後に頭を白い空間に突っ込む。
 閉じていた目を開けると、そこには緑が何とも美しい、綺麗な街並みが広がっている。
 木々でできた家々は年季が入っているのか、蔦が絡まっている。
 街の中央には小川がさらさらと流れており、ほとりでエルフの子供たちが駆け回っている。
 高い樹木に囲まれているのに鬱蒼とした感じはなく、真上からは太陽が燦々と差し込んでいる。
 町の奥に大理石のように真っ白な大きな城が建っていた。
 あそこがエルフの王宮だろうか。
 遅れてリズ、シレイド、キアラが白い入口から出てくる。
「すごい……不思議な入口ね」
「転移魔法の一種なのだ。この国の本当の場所は深淵のさらに奥地にあるからな。ちなみに、この転移魔法も今回特別に使うのを許可してもらったのだ。本来、エルフしか使ってはいけないものだからな。ルクシアに帰ってからふれ回ったり、勝手に使ってはダメだぞ?」
 リズの言葉にキアラが微笑んで答える。
「わぁ……すごい場所、ここがエルフの国……!」
「キレイ……おいしいものいっぱいありそう……」
「ようこそ、エルフの国『ガラテア』へ。レオ、リズ、シレイド、歓迎するぞ。さあ、さっそく城へ行こう。女王様がお待ちだ」
 小川に沿って、キアラの後をついていく。
 エルフの国にはお年寄りに見える人がおらず、みんな若々しい。
 農作業をしている人や、小川で釣りをしている人、その人たちを見守るように巡回する弓や剣を持った兵士のようなエルフ。
 みんな自然の中で生きているからか、余裕があり、表情が柔らかい。
 だが、俺たちに気づくと、驚いた後、少し複雑そうな顔をする。
 やはり、人間が自分たちの住処に入ってくるのは、あまりいい気がしていないらしい。
 城の前に着くと、門番の兵士二人がキアラに話しかける。
「やあ、キアラ。そちらが、例の冒険者たちか?」
「そうだ、ルクシアの町で一番の力を持つ冒険者パーティだ。実力はここに来る途中に存分に見せてもらった。腕は確かだ、私が保証しよう」
「そうか、キアラが言うなら本物なのだろう。うむ……確かのようだ。女王様に粗相のないようにな」
 門番は顎に手を当て、俺たちを見た後、門の内側に通してくれる。
「ねえ……今、多分……」
「ああ、『鑑定』されただろうな」
 俺たちの素性や実力を見るのに鑑定をかけるのは当たり前だ。
 門番をしている以上、たとえ国一番の戦士であるキアラが連れてきたとしても身元の分からない怪しい者は、通すわけにはいかないだろうしな。

 赤い絨毯の敷かれた大広間を通り、大理石の階段を上ると女王の間に着く。
 両脇に兵士と従者を侍らせて、豪奢な玉座に鎮座していたのは女神のように柔らかい雰囲気を持つ、ダイナマイトボディのエルフの女性。
 白く、神々しいドレスを着ており、白金色の長髪、月桂樹のような王冠をつけている。
 そして、何よりも目を引くのは、その大きな大きな胸だ。
 サマンサよりもミレーユよりも大きい、巨乳や爆乳という騒ぎではない。
 あれは超乳だ。神乳だ。
 薄く、胸元がある程度開いたドレスなので、余計にその色気が強調される。
 失礼に当たると思い、慌てて胸から視線を逸らす。
「女王様! エルフの騎士キアラ・ガラテア、ただいま戻りました!」
 キアラがさっと片膝を折り、頭を下げたので、俺たちも同じように敬服のポーズをとる。
 こういうことが苦手そうなシレイドも、ちゃんとポーズをとっている。
 やり慣れていないらしく、多少、足がプルプルと震えているようだが。
「おかえりなさい、キアラ。そちらが、今回の依頼を受けてくださった冒険者の方々ですか?」
「はい! ルクシアの町で一番の腕と称される冒険者たちです」
「そちらの冒険者の方、お名前は?」
 キアラの言葉に頬を緩めて俺たちに尋ねてくる女王様。
「レオと申します」
「り、リズです」
「し、シレイド……ます、です」
 あたふたしながら、挨拶する俺たち。
 女王様はそんな俺たちを温かい眼差しで見つめてくれていた。
「わたくしはルーティア・ガラテア。このエルフの国『ガラテア』の女王です。よろしくお願いしますね」
 女王は立ち上がり、ドレスの裾を持ち上げ頭を下げる。
 聖母のような微笑みが眩しい。
 よそ者を良しとしないと言われるエルフの文化の中で、女王ともある御方が一介の冒険者に過ぎない俺たちにこんなにも慈愛に満ちた態度を示せるのか。
 その高い品位が計り知れた。
 そして、俺は一層、依頼への意気込みを大きくしたのだった。
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