【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

文字の大きさ
61 / 354
第3章:エルフの国と優しい女王編

第17話:冒険者として

しおりを挟む
「それでキアラ、ルクシアの町での出来事を詳細に報告していただけますか?」
「はっ! 実は――」
 キアラはルーティア女王に促されて、ルクシアの町で起こったことを話した。
 道中に感じた森の様子から、町に着いてから食べた美味な料理まで。
 そして、ルクシアの冒険者ギルドにて当該依頼を完遂できるほどの冒険者はおらず、騎士団を呼ぶ時間稼ぎとして俺たちを連れてきたこと。
 女王は、どの話も真剣に耳を傾け、うなずきながら聴いていた。
「なるほど、ではそちらの方々が、騎士団が到着するまでの三週間、この国を護ってくださるということですね」
「はっ!」
 女王の言葉にキアラが答える。
「レオ様、リズ様、シレイド様、でしたわね。慣れない地での活動かと思いますが、よろしくお願いできますか?」
「はい。しっかりと務めさせて頂きます」
 頭を下げて、女王の言葉に答える。

 謁見が終わり、俺とリズ、シレイドは大きな客間に通された。
 天蓋の大きなベッドがあり、ふかふかのソファーや大理石のテーブルなどがある。
「それでは、今日からこちらで寝泊まりしてもらう。奥にはトイレと風呂もある。何か足りないものがあったら、外のメイドに言ってもらえれば用意させる。ベッドが一つしかないな……何人迎えるか分からなかったから、あえて用意しなかったのか」
「ベッドはこれで十分だよ!」
「ん……シレイドたち、同じベッドで寝る……」
「そうか、ならいいが」
 待て。三人、同じベッドで寝るのか?
 確かにこのベッドの大きさだと三人余裕で寝られそうだが。
 追加のベッドをお願いしようとも思ったが、二人の即答で俺の意見は言葉にもできずに霧散してしまった。
「では、これで。魔物が現れたら知らせるから、この部屋で待機していてくれ」
 キアラの言葉に若干の違和感を覚える。
 その違和感は、リズも感じていたようですぐにキアラに尋ねる。
「エルフの国を見て回ったりはできないの?」
「すまないが、エルフの文化上、必要最低限の行動以外は制限させてもらいたい」
「そ、それって、この部屋で三週間缶詰めってこと!?」
「魔物が襲ってくれば、もちろん戦ってもらうことになる。が……まあ、いいようによってはそうとも言えるかな……すまない」
 なんとも、ばつの悪そうな顔で答えるキアラ。
 キアラも本意では無いことが見て取れる。
 なるほど、住民の反応も合わせてみるに、俺たちへの信頼みたいなものがガラテア側に無いのだろう。
 状況を打開したくて、冒険者を呼んだ。
 だけど、その冒険者は繋ぎで、あとから本命の騎士団が来る。
 その繋ぎの冒険者に、誰が期待しようか。いや、しないだろう。
 ガラテアとしては問題を起こすことなく国を護ってもらえればいいのだから、魔物が出るまで軟禁が一番簡単だ。
 俺はリズとシレイドを呼び、少々小声で話をさせてもらう。
 キアラも俺たちの言いたいことは解ってくれているようで、黙って待っていてくれた。
「リズ、ここに三週間、正直耐えられるか?」
「無理だよぉ……! あたし、じっとしてられなくて冒険者になったようなもんだもん……!」
「シレイドは?」
「……動かなかったら戦いの腕がなまる……あと、太る……冒険に行きたい」
「よし、じゃあ一つ提案だ。あの三つの指名依頼は形式上、俺たちが受けていることになっている。俺たちが本格的に討伐に動いても、ギルドは文句言えないはずだ。ギルドの人たちは俺たちが達成できないと踏んでいるがな」
 リズとシレイドは俺の話を頷きながら聴く。
「そこでだ。俺たちで三つの指名依頼を達成してしまうのはどうだ?」
 俺だって、こんな場所に三週間もただ居るだけなんてまっぴらごめんだ。
 自分の生活を充実させるために活動しているのに、何もせずにだらだらヒモみたいに軟禁生活を送るほど、暇ではないし自堕落にもなりたくない。
 ギルドやガラテアにとっちゃ単なる繋ぎの感覚なんだろうが、それなら繋ぎじゃなくなればいい。
 当然、勝算とリスクも考えたうえでの結論だ。
 今日戦った魔物は危険度Dが多かった。
 三件の討伐対象の魔物も危険度D、キングボアだけは危険度D+ということだったが、今日の戦いぶりを見るに十分戦えそうだ。
 三週間もの間、魔物たちに全く動きが無いとは考えにくい。
 ガラテアの想定している通り、魔物たちがこの国を襲ってくることも十分に考えられる。
 その場合、このエルフの国で戦って民を危険にさらすより、こちらから攻撃を仕掛けて魔物を潰していった方が被害は無い。
「全部倒して、ギルドの連中に一泡吹かせてやろうじゃないか」
「うん! 賛成!」
「シレイド……頑張る!」
 俺の言葉に、リズとシレイドも賛成してくれる。
「話は終わったか?」
 俺たちの様子を見て、キアラが問いかけてくる。
「ああ。キアラ、俺たちは明日から正式に指名依頼を遂行していこうと思う。ルーティア女王にもそう伝えておいてくれ」
「な……? 護衛のはずじゃなかったのか?」
「俺たちは冒険者だ。こんな狭い部屋の中で閉じ込められるくらいなら、依頼をこなすために堂々と外を歩きたい」
「……ふ、ふふふ。ははははは! 面白い! では、そのように伝える。明日から指名依頼に取り掛かるとな」
「ああ、だが、この森を歩くのは三人では不慣れだ。誰か付き添いが欲しい」
「それなら問題ない。私が付き添おう。もとより、戦闘の際は私も加わる予定だったしな」
 キアラが胸をトンと叩き、答えてくれる。
 話は決まった。
 俺たちは、冒険者として三件のクエストに取り組むことになった。

 キアラが部屋を出て行ってから、部屋の隅に例のハチの巣を取り出す。
 さっさと素材を取り分けて、要らない部分を捨てたほうがいいと思ったからだ。
 今日できることは今日しないと、どんどん溜まり、いつかの生活を圧迫する。
 小さなナイフを使って、巣を切り分け、小瓶の中に蜂蜜を削ぎ取っていく。
 リズとシレイドも手伝ってくれた。
「わわ!? 白いのが巣から出てきた!?」
 リズが慌てる。
 見ると、コロコロした白い小さな塊が蜜を削ぎ取っている巣からポロポロと落ちていく。
 鑑定をかける。

名前:マノハチノコ
素材ランク:B
説明:蜂系の魔物の幼体。まだ、姿かたちが定まっておらず、ぷにぷにと柔らかい。食べるとパチッと弾け、中から甘味が広がっていく。

「なるほど、これが、キアラが言ってた『マノハチノコ』か……」
 どれだけ地球のハチノコに近いのか分からないが、少なくとも『マノハチノコ』はそのまま食べられるらしい。
 試しに、一つ食べてみた。
 プチッ……ニュル、ジュワァ……!
 うん、なんとも独特の触感。
 味は悪くない、甘い。
 中にジェルが入っているグミのような感覚か。
 シレイドもパクリと食べた。
「ん……おいしい……甘い……あーん」
 パクパクとマノハチノコを食べるシレイド。
「どれだけ採れるか分からんから、その辺にしとこうな」
「ん……分かった」
 シレイドは食べる手を止めて、蜂蜜の削ぎ取り作業に戻る。
「あはは……あたしは無理だな……『マノハチノコ』……」
 リズが苦い顔をしている。
 それでいいと思う。
 人には得意不得意が必ずある。
 みんな違って、みんな良いのだ。
『赤色蜂蜜』が大量に手に入ったのと、『マノハチノコ』が瓶五本分手に入った。
『赤色蜂蜜』をリズにいくらか分けて、残りは俺がもらった。
『マノハチノコ』が思った以上に取れたので、シレイドに瓶一本丸々渡してやると、目を輝かせて「むふー……♪」と喜んでいた。
 お腹がすいた時にでも食べればいいさ。
 解体が終わったころには、すっかりと日が落ち、エルフの国の王宮料理に舌鼓を打った。
 灰熊の手を渡しそびれて食べ損ねたが、それは依頼を達成した後のお楽しみとしておこう。
 部屋に備えられていた大きな風呂に三人で入り、同じベッドで眠る。
 久しぶりの湯船は言うまでもなく最高だ。
 自分が日本人だということを深く実感する。
 ちなみに、客人として招かれていることもあり、そういうことは自重した。
 当然、風呂やベッドで無防備な女の子の姿をこれでもかと見せつけられた俺の欲望のタガは崩壊寸前だった。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...