【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

文字の大きさ
86 / 354
第4章:エルゼリアと無骨なエルフ騎士編

第3話:金策!その2

しおりを挟む
「あ、そうだ。扱いに困ってる品があるんだが……」
 俺はシャロンに『ゴブリンの紋章』を見せる。
 木の板に掘られた、赤い文字。
 レア素材ということだが、価値が全く分からなかった。
 鑑定をかけて見ても『ゴブリンの群れでのみ使われる言葉を掘っているアイテム』という何とも言い難い結果が出てきたのだ。
 この分だと、武具にも使えそうにないし。
 ギルドでの換金額も1500Gとレア素材にしては安かった。
「あら……ゴブリンマージのレア素材ね……。これなら、私が3万Gで買い取ってあげるわよ?」
「どういうことだ?」
「オリジナルの魔導書を作る時って、色んな魔法言語を組み合わせて作るのよ。その時、このゴブリンの紋章に書いてある言葉を解読していれば、それも魔法言語として使えるの。『灰色の熊掌』と同じ。一部の人間にはとても価値のある素材なのよ」
 なるほどな……魔物素材は奥が深い。
 リズもキアラもある程度の知識はあるとはいえ、ルクシア周辺の魔物に限るだろうし。
 シレイドに至っては、裏家業で得たという凶悪知識しかないだろうし。
 この辺りの知識を豊富に持っている者を味方にできたなら、換金も楽になるのだろうか……。
 とりとめのないことを思いながら、俺はゴブリンの紋章をシャロンに買い取ってもらった。

「ああ、あと、これもここで買い取ってもらえるか?」
 俺はガラテアでの戦いの褒美としてもらった、大量の『オークの血』をシャロンに差し出した。
 これも、まあ、武具には使えないだろう。
「あら、珍しいもの持ってるわね」
 シャロンは赤い瓶を一つ持って、窓の光にかざす。
 そして、微笑んで答える。
「うん。純度も悪くないわ。買い取らせてもらうわよ。そうねえ……一本2000Gでどうかしら」
 ギルドの定価の倍だ。
「ああ、それで頼む」
 俺は五十本のオークの血の瓶をシャロンに買い取ってもらった。
「ちなみになんだが、それ、何に使うんだ?」
「あら……知りたい?」
 俺の問いに、シャロンは不気味な笑みを浮かべる。
「い、いや、やっぱりいいや」
「ぷっ……! ふふふ、そんなに怯えなくてもいいわよ。オークの血は強力な精力剤になるのよ」
 空恐ろしくなって質問を撤回しようとすると、シャロンは吹き出して笑いながら答えてくれる。
「精力剤?」
「ええ。年寄りの貴族なんかに高く売れるわ。貴族は基本的に暇だから、情事に耽る回数も密度も多いのよ。そうだ、レオくんにもあげるわ」
 シャロンが奥の棚から取り出したのは、渡したオークの血よりも透明度の増した赤い液体が並べられた木箱。
 瓶には『オークエクスタシー』と書いてある。
「せっかくだから、ダースで持っていきなさい」
 半ば、押し付けられるようにして、俺はオークエクスタシーを手に入れた。
 まあ、今度使ってみるか。
 べ、別に彼女に「す、すごい……」と思われたいとかそんなんじゃないけど、本当にそんなんじゃないけど。 

 換金を終えて、シャロンとしばらく談笑し、俺たちが店を出ようとした際、シャロンが大量の魔導書を持ってくる。
「せっかく、灰色の熊掌をたくさん譲ってもらったから、この魔導書、全部持って行っていいわよ。オリジナルの魔法じゃなくて既製品だけれど、レオくん、今、火属性しか使えないでしょう? 四つの基本属性くらいは押さえておいた方がいいわ」
 差し出された本にはそれぞれ『火』『水』『土』『風』に対応した本らしい。
「一式揃えようとしても、この町の道具屋じゃ下級魔法までの魔導書しか置いてないだろうしね。基本属性の中級魔法までのこの魔導書全部、どどーんと持っていっちゃっていいわよ……レオくんなら、全部習得できそうだしね」
「そうか。すまないな。遠慮なくいただくよ」
 俺はシャロンから魔導書を受け取って店を出た。
「暇じゃなかったか? 結構時間がかかってしまったから」
 知識人のシャロンの話はタメになるものが多く、ついつい長話をしてしまう。
 リズも、自分の換金が終わった後はずっと手持無沙汰だっただろうし。
「ううん、あの店、色んなアイテムがあるから見てて面白いのよ」
「ん……シレイドも、色んな自作道具を作る参考になる……」
「私も物珍しかったから、退屈しなかったぞ」
 リズとシレイドとキアラは、俺とシャロンがあれこれ話し込んでいる間、店の品物を見ていたらしい。
「それより、灰色の熊掌、あんなにあげちゃってよかったの?」
 リズが訊いてくる。
「ああ。あんなに食い切れんし、リズみたいに太い顧客を持っているわけでもないしな」
「あはは、そっか。まあ、グルメ貴婦人でも流石に五十個も買わないと思うけど」
 リズも俺ほどとはいかないにしろ、グレイベアにとどめを刺していたので、それなりに素材を獲得している。
 だが、大口の売却となると、今度は客側の都合もあるからな。
「なあに、売れなかったら食べればいいのだよ」
 キアラが笑って言うが、正直この町で調理できる奴は貴族お抱えの料理人くらいだろう。
 シャロンは「こんなの魔法で一発調理できるわよ」と豪語していたが。
 そんな便利な魔法があれば、習っておけばよかったかと少し後悔した。

 次は鍛冶屋に向かう。
 毛皮や牙と言った素材はここで買い取ってもらうのが一番経済的にお得だからだ。
 店に入ると、俺たちを見つけた鍛冶屋のおばさんが寄ってくる。
「おや、久しぶりだねえ。クロスボウの調子はどうだい?」
「はい! お陰様でバッチリ戦えてます! 本当にありがとうございます!」
 リズがぱっと顔を明るくして答える。
「それで、今日はどうしたんだい? お兄さんとお嬢ちゃんの武器でも作るかい?」
「いや、今日は買取をお願いしたい。深淵で活動してかなり素材が貯まっていてな」
「へえ、深淵かい。あそこを中心にした活動は初級者じゃなかなかできないはずだけど、あんたたち強いんだねえ」
 俺の言葉にニコニコしながら言うおばさん。
「それで? 素材はなんだい? 大口でも色を付けて買い取るよ? 武具の素材は飯のタネだ。いくらあっても困らないからねぇ」
「そうか、なら、これらを頼む」
 俺は、オーク、グレイベア、シルバーウルフの毛皮と、レッドビーの毒針を取り出した。
 ジャイアントコブラの毒袋、キングボアの牙、レッドオークの毛皮と牙は貴重そうなので持っておく。
「そうだねえ……全部で、20万Gでどうだい?」
「じゃあ、それでお願いする」
 リズも同じように換金する。
 ついに俺の所持金は100万Gを突破した。
 異世界に転生し、コツコツ魔物を倒し続けて約三ヵ月……実に感慨深い思いになった。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...