【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第4章:エルゼリアと無骨なエルフ騎士編

第13話:テルマエ

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 宿で一休みした後、夕方、俺たちは揃ってテルマエに来ていた。
 外観は神殿のような石造りの大きな建物。
「テルマエなんて初めてだわ♪」
「ん……シレイドも。初めての温泉……ワクワク」
「ガラテアでは女王であるルーティア様しか入ることの許されなかった大きな大きなテルマエ……わ、私が入ってしまってもいいのだろうか……」
 みんなも楽しみなようだ、一人だけ恐縮しているみたいだが。
「よし、入ろう」
 中に入ると受付らしきカウンターによぼよぼのおじいさんが立っていた。
「男一人、女三人、テルマエに入りたいんだが」
「あいあい、一人1500G。四人で6000Gだよ」
 結構な値段だな、家の近所にあった銭湯よりも高い。
 まあ、天然温泉のようだし、この異世界だとこんなものなのだろう。
 俺がまとめて支払おうとすると、リズが慌てたように6000Gを差し出してくる。
「こ、ここは私が出すよ! 冒険者として、支払われっぱなしじゃ嫌だからね!」
 リズなりのプライドがあるのか、かなり強気に出してきた。
 キアラも、自分の分を出せないのが気まずいのか、少し居心地が悪そうだ。
 俺としては、シレイドくらい清々しく払ってもらう気満々の方がやりやすいのだが。
 うーむ、異世界の冒険者としての常識と、俺の中にある男女の交際感覚というものの齟齬は結構あるのかもしれないな。
 出せるときは俺の金で出せばいいと思っていたが、適度に個人個人で支払わせてあげた方がプライドを妙に傷つけなくていいのかもしれない。
「じゃあ、今日はリズに奢られるよ。ありがとう」
「ん……ありがと、リズ」
「す、すすす、すまない。この借りはクエストをバンバン受けて稼いで返す!」
 一悶着あったが、無事代金を払う。
 おじいさんからは桶と洗体用の布、それに固形の石鹸が渡された。
 洗体用の布は今まで使っていた布より遥かにフカフカで、泡立ちのよさそうな作りだ。
 石鹸は『ジャンボスライム石鹸』という魔道具の一種らしく、これひとつで髪から身体まで全部洗えるという優れものらしい。
 どちらも、高そうである。
 まあ、ゆくゆくはこういうのも揃えて豪邸に住みたいが。
 中に入ると、大きな休憩スペースが広がっており、温泉から上がった寝間着姿の客たちがゆったりと椅子に座ったり、飲み物を飲んだりして休んでいた。
 奥の扉は男女で分かれており、男湯女湯にそれぞれ続いているようだ。
「む。レオと一緒に入れないのかー」
「みたいだな」
 リズが残念そうに言う。
「ん……シレイド、男湯に行ってもいいよ」
「無茶言うな」
 シレイドがぶちかます爆弾発言にツッコミを入れる。
 自分の彼女の肌を他の男に見させるわけないだろ。
「レオ。待ち合わせはいつ頃にする?」
「そうだな……とりあえず、三人とも好きなだけ入ってきな。男はそんなに時間はかからないけど、女の子はゆっくり入りたいだろう? 俺はのんびり待っているから」
「そ、そうか! ああ、分かった」
 キアラの顔がパッと明るくなる。
 緊張も大分ほぐれて、楽しみの方が大きくなっているのだろう。
 リズたちと別れて、男湯に入る。
 脱衣所は、通気性のいい網目状の床が敷かれていた。
「この色は……竹か? にしては、しっかりとしているな。水分もサッと吸うようだし……」
 この異世界にしかない植物なのだろうか、便利なものだ。
 俺は服を脱ぎ捨て、タオルを持ってテルマエ浴場に入る。
 中には屈強な男たちがわんさかいた。
 恰幅のいい貴族らしき人もいるにはいるが、やはり筋骨隆々の男たちの方が多い。
 やはり、この町は冒険者が多いようだ。
 見たところ貴族は少ないようだ。
 まあ、貴族ならテルマエに入らずとも自前の大浴場などを持ってそうな気がするしな。
 貰った石鹸を泡立てて体を洗っていく。
 おおおお……なんじゃこりゃ、ものすごい泡立つ……。
 魔道具とか言っていたが、錬成屋に頼めば作れたりするのだろうか。
 ルクシアにはここまで泡立つものは置いてなかったと思うから、おそらくこの辺りでとれる素材で作ったものなのだろう。
 エルフの国にも泡立つ石鹸はあったが、あれは大量に使ってやっとという感じだった。
 だが、エルゼリアのこれは三擦りほどで十分な泡が出る。
 地球にもここまでのものはないかもしれない。
「魔法の力ってすげー……」
 思わず感嘆の呟きが出てしまった。
 しっかり身体を清めた後、満を持して湯船につかる。
「ふぃ~~~~」
 気の抜けた声が出る。
 そりゃあ、天然の温泉だもんな。
 気持ちいいわけだ。
 これだけでも、エルゼリアに移住した価値はあるというものだ。
 じっくり温まりながら、改めて周りを見る。
 横にはボディービルダーのようなムキムキマッチョの中年が温泉を堪能していた。
 身体中傷だらけで歴戦の戦士といった感じだ。
 ゴリマッチョとはいかないが、俺も戦いを通してそれなりに仕上がった体つきにはなって来た。
 プロボクサーみたいな無駄を削ぎ落した筋肉の付き方、いつの間にか腹筋も六つに分かれている。
 背筋がついたからか、肩幅も大きくなった気がする。
 転生して、健康体になったのも嬉しいが、こうして自分があらゆる点でメキメキ魅力を上げ自信がついたのが何よりも僥倖である。
 これなら、彼女たちにいつ見せても恥ずかしくないだろう。
 自分で自分のことを好きになれるのが、こんなにも幸せなことなのだと、改めて思ったのだった。
 改めて自分の筋肉を触りまくっていると、周りの人から訝しげに見られたのは気にしないでおこう。

「お? レオくんじゃん!」
 浴場を出て寝間着に着替え、受付奥にある休憩スペースの椅子で涼んでいると、後ろから声を掛けられる。
 ハルカとケイティ、カリーナだ。
 三人とも緩い寝間着姿で、髪が少し濡れていて風呂上がりの妙な色気が漂っている。
 うっとりと見惚れてしまいそうなのをこらえて、会話する。
「ハルカたちか、奇遇だな」
「そうだね、そうだね♪ 今日の今日でもう会っちゃうとは、何か運命めいた縁を感じるねえ」
 ハルカが距離をずいっと縮めてくる。
 なまじ端正な顔立ちだから、心臓に悪い。
 石鹸のいい香りが至近距離から漂ってくる。
「はいはい、ハルカ……近づきすぎない。レオくん困ってるでしょ?」
「え? そっかぁ? ハルカに近づかれて喜んでそうだけど……ぷぷっ」
 ハルカを引きはがすケイティのすぐ横でカリーナが俺を見て笑っている。
「男の純情をもてあそぶな」
「えへへー、ごめんごめん」
 反省しているのかしていないのか、ハルカが頭を掻きながら苦笑いする。
 と、その時、周りの視線が結構注がれているのが分かる。
「なんか、見られてるな……まあ、ハルカたちは綺麗だから仕方ないと思うが」
「またまたぁ! そんなお世辞言ってー!」
 カリーナに背中をバシンッと叩かれる。
 お世辞のつもりじゃないんだが……。
「多分、違う理由ですよ」
 ケイティがふぅっとため息交じりに息を吐いて言う。
「私たちがエルゼリア三大クランの一つ『赤の女王』の団長と幹部だからですよ」
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