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第7章:海竜の洞窟と美人漁師編
第14話:クロムメタルガン
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一週間のバカンスを終えて、リズと共にエルゼリアに帰ってくる。
理由はもちろん、新しい武器を受け取るためだ。
オルガ工房を訪れると、店主のオルガが笑顔で出迎えてくれる。
「やあ、お二人さん。武器を取りに来たのかい?」
「うん! もうできてる?」
「当り前さ。鍛冶師オルガはきっちり納期は守るよ!」
リズの言葉に胸を張って答えるオルガ。
そして、工房の棚から長方形の木箱を持ってくる。
「これが、リズの新しい武器だよ」
蓋を開けると、そこには黒光りする見事な銃があった。
「わあぁ!! かっこいい!! レオ、この銃、凄くカッコイイよぉ!!」
すぐさま取り出し、銃に頬ずりするリズ。
「武器名は『クロムメタルガン』だ。多数の鉱石を用いて作る、王道ながら高性能の銃だよ」
「弾は?」
「これさ。貰った鉱石を溶かして型にはめて作った鉛弾ってところだね」
バッグ一杯に入った弾を見せてもらう。
長細く、僅かに重みを感じる至って普通の銃弾だ。
鉄鉱石を多く含むからか、黒い色が特徴的だ。
「あと、これ。サラマンダーの鱗で作った特製の銃弾『小火竜弾』だよ」
赤く輝いた弾が入った小袋を渡してくるオルガ。
「『小火竜弾』……!」
カッコいい響きに、リズが目を輝かせている。
「弾自体にサラマンダーの膨大な熱エネルギーが蓄えられていて、撃ち込むことでそれを爆発させる弾さ。相手を火だるまにしたい時に使いな」
ニッコリと笑いながら、恐ろしいことを言うオルガ。
「何から何まで世話になったな。ありがとう、オルガ」
「そ、そう思うんだったら……約束、守ってよね……」
「ああ、もちろん。『海竜の洞窟』を踏破したら、きっちり約束を果たすよ」
「ん……待ってる」
俺の言葉に頬を赤らめてモジモジしながら答えるオルガ。
そして、代金50万Gをオルガに払い店を後にした。
何か武器の不備があった時のために、時間を多めにとって予定を立てたので、ポートルートには明日帰る予定だ。
というわけで、銃の性能を確かめるためにエルゼリア平原にリズと二人で向かった。
パンッ! パンッ!!
乾いた銃声と共にキングリザードがどさりと崩れ落ちる。
「これ、すっごいよ!! レオ!!」
リズが感動の声をあげる。
剣でも組合いをする時があるキングリザードを一撃で屠るほどの威力に、俺も驚愕していた。
これ、普通の弓使いとかはやってられないと思ってしまうほどじゃないだろうか。
「じゃあ……今度はちょっと試してみようか……」
リズは次に出てきたヘルハウンド二匹に対して何やら試したいことがあるようだ。
そんなことはお構いなく、ヘルハウンドがこちらに向かって突撃してくる。
「『ヘビーショット』!!」
リズが武技を発動する。
遠距離系の武技とはいえ、もとは弓矢を想定して作られた武技だ。
さて、どうなるか……。
ドゥッン!! ドゥッン!!
すさまじい勢いで二発の弾が発射されて、ヘルハウンドたちをぶち抜く。
これも一撃だ。
どうやら取得している武技もちゃんと効果が乗るようだ。
結果、数回の戦闘を試したが過剰戦力ともいえる圧倒的な威力でどの敵も一撃だった。
「こ、こんな強力な武器……買ってもらっちゃっていいのかな……」
最初の感動はどこへやら。
すっかり、戸惑い気味のリズが上目遣いで見てくる。
「いいに決まってるだろう? 俺の彼女なんだから、胸を張って奢られな」
俺はそんなリズの頭を優しく撫でてやった。
そうすると、彼女は嬉しそうに顔をほころばせるのだった。
エルゼリアでの用件もすべて終わり、ポートルートへワープしようかと思っていた時、服の裾をリズに引っ張られる。
「どうした? リズ」
「え、ええっと……その……」
もじもじと顔を赤らめて、どこか煮え切らないリズ。
リズの言葉を待っていると、いきなり抱き着かれる。
「えっとさ……その……まだ、戻りたくないな……」
「え? でも、皆待ってるぞ?」
「も、もう……! あたしは、レオにお礼がしたいの!」
察しの悪い俺を、手を引っ張って宿の部屋に引きずってくるリズ。
そして、ポンと突き飛ばされ、俺はベッドの上に放り出される。
「にへへ……前にもあったね、こういうこと……」
「クロスボウを買った時だな……」
あの時も、ベッドの上でたっぷりとお礼を貰った。
「今日は50万G分だからね……? 覚悟して受け取ってね……♡」
そう言って、手早く自分の服を脱ぎ去り、下着姿で覆いかぶさってくるリズ。
俺の服も器用に脱がしていき、唇に吸い付いてくる。
「んちゅ……ちゅぱ、れろっ……むちゅ、えろれろっ」
舌を絡ませる濃厚な甘いキス。
もう何百回と交わした前戯だが、いつも幸せな気分で満たされる。
それは、リズも同じみたいで……。
「あふっ、ぷちゅう……んふふ、レオ……好き。こうするといつも心があったかくなるよ」
「だな。さあ、ここまできたんだ。たっぷりと楽しもう」
すでに身体に熱を持った彼女を抱き寄せて、今度はこちらから唇を奪う。
まだ日が高いうちから、俺たちは淫靡な遊びに興じるのだった。
理由はもちろん、新しい武器を受け取るためだ。
オルガ工房を訪れると、店主のオルガが笑顔で出迎えてくれる。
「やあ、お二人さん。武器を取りに来たのかい?」
「うん! もうできてる?」
「当り前さ。鍛冶師オルガはきっちり納期は守るよ!」
リズの言葉に胸を張って答えるオルガ。
そして、工房の棚から長方形の木箱を持ってくる。
「これが、リズの新しい武器だよ」
蓋を開けると、そこには黒光りする見事な銃があった。
「わあぁ!! かっこいい!! レオ、この銃、凄くカッコイイよぉ!!」
すぐさま取り出し、銃に頬ずりするリズ。
「武器名は『クロムメタルガン』だ。多数の鉱石を用いて作る、王道ながら高性能の銃だよ」
「弾は?」
「これさ。貰った鉱石を溶かして型にはめて作った鉛弾ってところだね」
バッグ一杯に入った弾を見せてもらう。
長細く、僅かに重みを感じる至って普通の銃弾だ。
鉄鉱石を多く含むからか、黒い色が特徴的だ。
「あと、これ。サラマンダーの鱗で作った特製の銃弾『小火竜弾』だよ」
赤く輝いた弾が入った小袋を渡してくるオルガ。
「『小火竜弾』……!」
カッコいい響きに、リズが目を輝かせている。
「弾自体にサラマンダーの膨大な熱エネルギーが蓄えられていて、撃ち込むことでそれを爆発させる弾さ。相手を火だるまにしたい時に使いな」
ニッコリと笑いながら、恐ろしいことを言うオルガ。
「何から何まで世話になったな。ありがとう、オルガ」
「そ、そう思うんだったら……約束、守ってよね……」
「ああ、もちろん。『海竜の洞窟』を踏破したら、きっちり約束を果たすよ」
「ん……待ってる」
俺の言葉に頬を赤らめてモジモジしながら答えるオルガ。
そして、代金50万Gをオルガに払い店を後にした。
何か武器の不備があった時のために、時間を多めにとって予定を立てたので、ポートルートには明日帰る予定だ。
というわけで、銃の性能を確かめるためにエルゼリア平原にリズと二人で向かった。
パンッ! パンッ!!
乾いた銃声と共にキングリザードがどさりと崩れ落ちる。
「これ、すっごいよ!! レオ!!」
リズが感動の声をあげる。
剣でも組合いをする時があるキングリザードを一撃で屠るほどの威力に、俺も驚愕していた。
これ、普通の弓使いとかはやってられないと思ってしまうほどじゃないだろうか。
「じゃあ……今度はちょっと試してみようか……」
リズは次に出てきたヘルハウンド二匹に対して何やら試したいことがあるようだ。
そんなことはお構いなく、ヘルハウンドがこちらに向かって突撃してくる。
「『ヘビーショット』!!」
リズが武技を発動する。
遠距離系の武技とはいえ、もとは弓矢を想定して作られた武技だ。
さて、どうなるか……。
ドゥッン!! ドゥッン!!
すさまじい勢いで二発の弾が発射されて、ヘルハウンドたちをぶち抜く。
これも一撃だ。
どうやら取得している武技もちゃんと効果が乗るようだ。
結果、数回の戦闘を試したが過剰戦力ともいえる圧倒的な威力でどの敵も一撃だった。
「こ、こんな強力な武器……買ってもらっちゃっていいのかな……」
最初の感動はどこへやら。
すっかり、戸惑い気味のリズが上目遣いで見てくる。
「いいに決まってるだろう? 俺の彼女なんだから、胸を張って奢られな」
俺はそんなリズの頭を優しく撫でてやった。
そうすると、彼女は嬉しそうに顔をほころばせるのだった。
エルゼリアでの用件もすべて終わり、ポートルートへワープしようかと思っていた時、服の裾をリズに引っ張られる。
「どうした? リズ」
「え、ええっと……その……」
もじもじと顔を赤らめて、どこか煮え切らないリズ。
リズの言葉を待っていると、いきなり抱き着かれる。
「えっとさ……その……まだ、戻りたくないな……」
「え? でも、皆待ってるぞ?」
「も、もう……! あたしは、レオにお礼がしたいの!」
察しの悪い俺を、手を引っ張って宿の部屋に引きずってくるリズ。
そして、ポンと突き飛ばされ、俺はベッドの上に放り出される。
「にへへ……前にもあったね、こういうこと……」
「クロスボウを買った時だな……」
あの時も、ベッドの上でたっぷりとお礼を貰った。
「今日は50万G分だからね……? 覚悟して受け取ってね……♡」
そう言って、手早く自分の服を脱ぎ去り、下着姿で覆いかぶさってくるリズ。
俺の服も器用に脱がしていき、唇に吸い付いてくる。
「んちゅ……ちゅぱ、れろっ……むちゅ、えろれろっ」
舌を絡ませる濃厚な甘いキス。
もう何百回と交わした前戯だが、いつも幸せな気分で満たされる。
それは、リズも同じみたいで……。
「あふっ、ぷちゅう……んふふ、レオ……好き。こうするといつも心があったかくなるよ」
「だな。さあ、ここまできたんだ。たっぷりと楽しもう」
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