【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第8章:マッサ鉱山と謎のダークエルフ編

第17話:アイアンゴーレム

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「くそ……!!」
 避けるには避けたが、近くで雷が落ちた影響か、身体がピリピリと痺れている。
「セーラは平気か?」
「は、はい! 私は大丈夫です! すみません! 私が前に出たばかりに!」
「構わない。セーラのライトニングプリズンでサンダーバードの高度をかなり落とすことができた」
 申し訳なさそうなセーラに、優しく答えてやる。
 さて、ここからどうするか……。
 サンダーバードが飛んでいるのは遠距離が届くか届かないかギリギリの距離。
 動きさえ封じられれば、仕留められると思うんだが……。
 アタッカーの俺もロウナも雷撃を受けて動けない。
 そんな時、シレイドが前に出る。
「ん……シレイドが……雷鳥の動き……止める!! ……がんばる!! 初めて試す技……でも、やるしかない……! キアラが……とどめ刺す……!!」
「あ、ああ。分かった」
 ドーンという効果音が出そうなほど頼もしい。
 その姿に、キアラも戸惑っているようだ。
「むーん……むんむん……」
 シレイドが目を閉じて何やら魔力を練っている。
 そして、直後……目をカッと見開く。
「……『ブラックスパイク』……!!」
 サンダーバードの真下に魔法陣が出現する。
 そして、太く鋭く黒い針のような影がぐーんと伸びてサンダーバードの片翼を貫く!
「ギャアアアアス!!」
「むふー……♪ 技術書で手に入れた……シレイドの新技……! 闇属性の針を地面から出して敵に突き刺すスキル……! ただ……針を大きくすれば……魔力消費がちょっと大きい……」
 セーラの『ライトニングプリズン』とは違い、直接的な攻撃力があるらしい。
 一方の羽が使えなくなった雷鳥は動きが鈍くなり、よろめきながら落ちてくる。
 それを、金色に輝いたキアラが待ち受ける。
「一撃で決める!! 大穴を開けてやろう!! 『精霊烈破』!!」
 キアラ自らの砲弾のような体当たりが、サンダーバードの胴体部分を捉える。

 バアアアアアン!!

 破裂音のような音の後、どてっ腹に大きな穴を開けた雷鳥がボトリと地面に落ちる。
「エネミーカウント!! 反応消滅!! 倒せたよ!!」
 ロウナを守っていたリズが後方から教えてくれる。
 何とか倒せたようだ。
「ん……くっ、いてててて……気を失ってたのか? あたし」
 ロウナも大事にはなっておらず、無事に気が付いたみたいだ。
 セーラに治癒魔法をかけられ、俺の痺れも無くなった。
 結果的にみんな大した傷はなく戦闘を終えられたようだ。
 誰か一人でも欠けていたら危なかっただろう。
 やはり危険度Aの壁は、なかなかに厚いようだ。

 少し休憩を取り、山道を進み切るとボス部屋の前に着く。
「みんな。さっき激闘をした後だが、大丈夫か? 正直、気持ち的には帰って万全を期したいが、ゴルゴッド鉱石のクエストの期限が迫っている。ボス部屋に挑んでもいいか?」
 本来なら、万全を期すために帰るのが正解だろうが、今回ばかりはそうは言ってられなかった。
「あたしは平気よ。でも、前線に出るみんなの意見が一番大事だよ」
「ん……シレイド、さっきの魔法で魔力をかなり消費した……正直、へとへと……でも、がんばる……リズとセーラを守るくらいはできる……」
「レオ様が庇ってくれたお陰で怪我無く済みました。後衛は役目を果たせそうですが、前衛の皆さんはどうでしょう?」
 リズ、シレイド、セーラの後衛組が答える。
 だが、この様子じゃ、シレイドは前線には出さない方がいいだろう。
「あたしはまだ若干身体が痺れてる感じだ。……普段通りのパワーが出せるかどうか……だが、引く気はないぜ。タンク役として役目を全うするだけだ。フルパワーは無理でも戦える範疇だ。進むに一票だな」
「私も平気だ。先の戦いでは無傷だったからな。魔力もまだ残っている」
 ロウナは本調子ではないがまだ戦えるようだ。
 キアラも大丈夫そうだ。
 心配したが、皆、やる気の姿勢を崩さない。
 とすれば、俺も前衛として、リーダーとして、決断の責務を果たすのみだ。
 いざとなれば、何としても俺が皆を守る。
「よし。進もう」
 俺たちは意見をまとめ、ボス部屋への扉を開くのだった。

 扉を開くと、そこにいたのは黒く大きな岩の塊。
 その塊は、俺たちに気づいたようでゴゴゴゴゴと音を立てて立ち上がる。
「ゴーレム……か?」
「だが、色が違う。亜種のようだな」
 俺の言葉にキアラが険しい顔で答える。
 鑑定をかける。

名前:アイアンゴーレム
危険度:A
説明:ゴーレムの亜種。鉄塊に瘴気が宿り、ヒト型に変化した魔物。ゴーレムよりも硬い身体が特徴。
素材:『鉄巨兵の欠片』
レア素材:『アイアンゴーレム鋼』

 よりにもよって苦手としているゴーレム種か……。
 ジワリと冷や汗が出てくる。
 だが、ボス部屋の扉は閉じてしまった。
 ここまで来て引けない。
 なるべく戦闘を長引かせないようにする他ないだろう。
「先手必勝だ! エルウォーター!!」
 ゴーレムに効きのいい水属性の魔法を放つ。
 だが……!
「ゴゴゴ!!」
「効いていない……!?」
 アイアンゴーレムは何のダメージもくらってないように動く。
「おらああああ!! 『ギガントインパクト』!!」
 ロウナが自身の大技を放つ。
 ドオオオオオオオオオン!!
 攻撃は鉄巨兵の肩当たりに当たり、身体の一部が欠ける。
 凄まじい音が出て、少し動きが止まるも再び動き出す。
「精霊強化(スピリットエンチャント)!! 『精霊砲突』!!」
 精霊魔法で強化した身体から放つ、キアラの必殺技。
 それを、アイアンゴーレムは両手を×の字に構えて受け止める。
 バチバチバチバチ!!
 光線がヒットした部分がパラパラと欠けるも、それでもアイアンゴーレムの動きは鈍らない。
 アイアンゴーレムが重い拳を近距離にいたキアラ、ロウナに撃ちつける!!
「ぐあっ!!」
「くそっ!!」
 直撃は免れるが、二人とも軽くはないダメージを受けたようだ。
 さて……どうしたらいい……!?
 マッサ鉱山最後の砦が、俺たちの前に立ちはだかった。
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