【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第8章:マッサ鉱山と謎のダークエルフ編

第26話:御礼の式典

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 大浴場を堪能した後、部屋でゆったり休み、夜にまた晩餐会が開かれた。
 昼にあれだけ食べたというのに、みんなで見事にテーブルの料理をさらいあげてしまった。
 おそらく、出てくる料理があっさりした野菜料理が中心だったから、胃がもたれなかったのもあるだろう。
 嬉しそうに舌鼓を打つ俺たちを、ソフィア女王が楽しそうに見ていた。
 リズたちとソフィア女王の距離が、心なしか少し縮まったように思うのは、気のせいだろうか。
 ちなみに、ロザリアは大浴場でのハッスルでのぼせてしまったようで、夜の晩餐会には参加していなかった。
 女中に聞いたら、部屋でグロッキー状態だったらしい。
 うーむ、少しやり過ぎただろうか。可哀想なことをしてしまったかな。
 まあ、本人は至極幸せそうだったし、埋め合わせは今度しよう。
 晩餐会が終わると、またそれぞれ部屋に戻り、天蓋付きのふかふかのベッドで眠った。
 なんにせよ、明日の式典が本番だ。
 寝坊しないように、早く眠った。

 ——翌日・王の間にて。
「それでは、これより我がアイスウッドの民を救い出し、狼藉を働いていた悪党を退治してくれた、冒険者レオとその一行に対し、御礼の式典を開催する」
 女王が高らかに宣言し、それに合わせて立ち並んだエルフの騎士たちが一斉に敬礼のポーズをとる。
 俺たちは、片膝をつき敬服のポーズで女王の前に跪いている。
 始まる前から格式張っていて皆で緊張していたが、女王に『褒美の品を渡すだけだから気負うな』と言われた。
「御礼の品を持って来るのじゃ」
 女王の言葉に、女中たちが褒美の品を持ちずらりと俺たちの前に来る。
「まずはロウナじゃ。そなたはパーティの重要なアタッカーと聞いた。そのため、アイスウッドの鍛冶屋に作らせた『グランガントレッド』と『グラングリーブス』を授ける」
 女中が取り出したのは、プラチナよりもシックでマットな輝きを放つ高級感のある銀色のガントレッドとグリーブス。
「は、はっ!! そ、その、ありがたいのですが……失礼ながら、ご主人様の装備よりも価値は低いでしょうか?」
 ソフィア女王におずおずとロウナが訊く。
 そうか。すっかり失念していたが、確か、奴隷は主人より良いものを身に着けてはいけないルールだったな。
「ああ、安心するのじゃ。レオの持つ『風霊の剣』は古代エンシェントエルフから伝わる、由緒正しき『宝剣』じゃ。鍛冶屋に作らせた当該武器よりも価値としては遥かに上じゃ」
「は、はっ! 安心いたしました。それでは、頂戴いたします」
 女中から『グランガントレッド』と『グラングリーブス』を受け取るロウナ。
 というか『風霊の剣』ってそんなにすごい物だったのか?
 道理で。なぜここまで使い込んでも刃こぼれ一つしないのかと不思議に思っていた。
 まあ、定期的に油を差して、砥石で磨くなどの手入れは怠っていないが。
「次はセーラじゃ。そなたはパーティの中でヒーラーという立ち位置じゃと聞いた。そこでそなたにも鍛冶屋に作らせた『エンジェルロッド』を授ける」
 女中が取り出したのは、神聖な雰囲気を放つ白い杖だ。
 先端の青い宝玉に羽の装飾が施されている。
「ありがたく、頂戴いたします」
 深々と頭を下げ、セーラが杖を受け取る。
「次はキアラじゃな。そなたもアタッカーだと聞いた。じゃが、武器はすでに充分良いものを持っておる。そこでじゃ、古代エンシェントエルフが栄えていたころに王に仕える側近の騎士団が装備していたとされる宝鎧『ロータスメイル』を授ける」
 女中が取り出したのは、白銀の輝きを放ち、細かい紋様が刻まれている鎧だ。
 今まで装備していた『セイントメイル』はこれまでの戦いで大分、ガタがきていたからな。
 これで、彼女が傷つくことも減るだろう。
「そ、そんな貴重なものを……きょ、恐悦至極に存じまする……!!」
 恐縮しきって武士のようになっているな、キアラ。
 思わず苦笑しそうになりながらも、式典は進行する。
「そしてシレイドじゃな。そなたは様々な状況に臨機応変に対応するサポーターじゃと聞いた。見たところ、キアラとは逆に防具は充実しておるようじゃ。そこで、昨日武器を預からせてもらったの?」
「ん、んっ、いや……え、えっと……は、はいです、ます」
 シレイドが持っていたのは、確かガラテアで授かった『白銀のダガー』だったな。
「その預かった武器を、鍛冶屋に強化させた。素材と費用はもちろん我がアイスウッドが持ってな。そうして出来上がったのがこの『ヘルシングダガー』じゃ。銀は元々、魔を殺す聖なる鉱石。ガラテアの鍛冶の技術と、アイスウッドの鍛冶の技術を注ぎ込んだ唯一無二の武器じゃ。このダガーなら、どのような魔も仕留めることができるじゃろう」
 女中が取り出したのは刀身が透き通るような銀色のダガー。
 ただ、持ち手はシレイドによく似合う黒になっている。
「え、えっと……確認……する、ます……ご主人様の武器より……?」
「ああ。案ずるな。風霊の剣より、価値的には下じゃ」
 ソフィア女王の言葉に「むふー……♪」と満足げに微笑み、ダガーを受け取る。
 新しい武器にすでに虜のようで、キラキラとした眼差しでダガーを見つめている。
「次はリズじゃ。そなたも後衛で攻めにも守りにも転じる役割だと聞いた。そなたの武器はすでに充分高価なものじゃ。よって、昨日防具である『新緑のマント』を預かったな?」
「は、はい! 記憶しております!」
「うむ。『新緑のマント』はガラテアのエルフ特製の装備じゃ。そこで、そのマントにこれまたアイスウッドの技術を加えさせてもらった。新たな名は『ユグドラマント』じゃ」
 女中が取り出したのは、細かい装飾があしらわれたマントだ。
 これまでの若葉のような色から一転、重厚感と高級感、そして、どこか神聖な雰囲気を持つカッコいい深緑色になっている。
「き、綺麗……」
 マントを受け取ったリズが、思わず声を漏らす。
「はっはっは、喜んでもらえて何よりじゃ」
 その様子を見て、ソフィア女王は目を細めて笑う。
「そして……最後はレオじゃな」
 女王がこちらへとやってくる。
「今回の一番の功労者はそなただと聞いておる。すでにエルフの宝剣を持つそなたには武器は必要なかろう。そこで、古代エンシェントエルフから伝わる、この『ゼフィロスコート』を授けよう」
 女中が取り出したのは、澄み切った緑色のロングコートだ。
 これまで装備していたサンドボアコートとは品質が段違いに良いのが分かる。
「ありがとうございます」
 俺は差し出されたコートを両手で受け取る。
 女王はそれを見届けた後、玉座の方へと移動する。
「褒美の進呈は以上じゃ。レオ、リズ、シレイド、キアラ、セーラ、ロウナ……改めて、今回は本当に世話になった。女王として深く礼を言う」
 女王は深々と頭を下げる。
「は、はっ!!」
 俺たちも戸惑いながら、頭を下げる。
「また……いずれ、エルフたちが助けを乞うこともあるかも知れん。その時は、ガラテアの時や今回の時のように、手を貸してやってくれ」
「承知いたしました!」
 女王の言葉に、俺は力強く答え、再び全員で頭を下げる。
 その俺たちの様子を見ながら「うんうん」と満足そうに頷いているソフィア女王。
「それでは、御礼の式典を終える! 改めて、皆、大儀であった!」
「「「「「「はっ!!」」」」」」
 俺たち六人は、女神の号令に力強く敬礼する。
 こうして、今回の訪問の目的である式典は、無事、滞りなく終わったのだった。
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