【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

文字の大きさ
269 / 384
第9章:風神の谷と宿の看板娘編

第16話:闇の代償

しおりを挟む


 ——エルゼリア査問騎士団・詰所、地下牢。
「おい!! 誰か!! 儂を誰だと思っている!! エルゼリア商会幹部レアードだぞ!! こんなことをして、タダでは——!!」
「うるさいぞ、囚人。貴様が魔物召喚をしたのは、分かっているのだ。お前の身柄は王都に送られる。本部の査問騎士団が連行しに来るまで、大人しくしていろ」
 牢の中で喚くレアードに見張りの看守が言う。
「くそっ!! くそっ!! どうして、儂がこんな目に!!」
 レアードは悔しそうに歯噛みする。
 ——その時。
 甘ったるい歌声が地下牢に響いてくる。
「こ、これは……!!」
 レアードはすぐさま耳を塞ぐ。
 ——直後。
「な、なんだ……この歌声は……!? ぐっ……急に、眠気が……ぐー……ぐー……」
 看守が突然バタリと倒れ、眠ってしまう。
 そこに、ふっと現れたのは黒づくめのフードの男。
「お、おお!! 助けに来てくれたのか!! ご苦労だ!! 早く、この牢を開け——」
「何を勘違いされているのですか? レアードさん」
 色めきだすレアードにぴしゃりと言い放つフードの男。
「え……!? お前、儂を助けに来たんじゃ——」
「とんでもない。今日はお別れを言いに来たのです」
「お、お別れ……?」
 フードの男の言葉が理解できていない様子のレアード。
「あれだけ、魔物の召喚は足がつきやすいから注意しろと言ったのに、安易に使って結局捕まってしまって……困ったお人だ」
「ぐ……うぐっ……」
「私がお願いしたのは『風神の墓』の破壊です。それがどうして召喚石を失い、投獄される羽目になっているのですか……?」
「そ、それは……」
「それに、あなた……私たちに負債があるのをお忘れですか? エルゼリア商会の幹部の座に収まるまでに、私たちがどれだけあなたの商売敵を消してきて差し上げたと思っているのですか?」
「う、うぐぅ……」
 フードの男の冷めきった言い方に、思わずレアードがたじろぐ。
「あなたは遂に、とんだヘマをやらかし、私たちが作り上げた地位さえ追われてしまった。もはや、あなたには何の期待も価値もない」
「ま、待て……!! 待ってくれ!! 話を聞いてくれ!! あと一度、もう一度だけ、チャンスを……!!」
「無理ですねぇ……これ以上、あなたに付き合っていては、私たちにも被害が及びます」
 レアードの言葉はフードの男には届かなかった。
 男はレアードに向かい、手を翳し——。
「『ギガファイア』」
 厳重な鉄格子さえも簡単に焼き尽くしてしまう業火の球を発射する。
「ぎやあああああああああああああっ————!!」
 その火球はレアードに直接当たるまでもなく、彼の身体を焼き尽くし、蒸発させてしまった。
 後に残ったのは、溶け切った鉄格子と、レアードが着ていた衣服の灰のみ。
「さてさて、処理は終わりました……適当に辻褄を合わせないといけないですが……そうですねぇ、魔物召喚を行い罪人となった哀れな商人が、自らを悲観して自爆……ということにしましょうか」
 フードの男はそう呟き、眠りこけている看守に任意の記憶を植え付ける催眠魔法をかける。
「ふむ……これで、記憶も改ざんできたでしょう……やれやれ、馬鹿の尻拭いは面倒ですねぇ」
 男は呟いて、羽のようなものを投げる。
 直後、男は光に包まれて、消えてしまったのだった。



 翌日、町はちょっとした騒ぎが起きていた。
 査問騎士団の詰所で、罪人であるレアードが自爆したというのだ。
 見張りをしていた看守によれば、なんでも、奴は自らの罪をひどく悲観していたのだとか。
 それに耐えきれなくなり、自分で命を絶ったという。
「ふむ……」
「どうしたの? レオ?」
 考え込む俺にリズが尋ねる。
「い、いや……あのレアードとかいう商人、自分の罪を悲観するようなタイプではないと思っていたのだが……。どちらかといえば、開き直るタイプかと」
「ああー……まあ、そうだねぇ。ギルドでの言動を見ていたら、そんな感じには見えなかったもんねー」
 リズも同意見のようだ。
「ん……自爆の方法も、よく分からない……。アイテムを使ったにしても、捕まるときに持ち物検査する……そんなに危ないものを持っていたら、絶対に没収される……」
「魔法、にしても変ですわねぇ。そんな強力な魔法が使える人には思えなかったのですが……」
 シレイドとセーラも不思議そうだ。
「レオ。奴は自分の犯した罪から逃げただけだ。レオが責任を感じる必要はないのだぞ?」
「だぜ、ご主人様。『悲劇に自分の心を奪われちゃダメ』……だろ」
 キアラとロウナが俺に諭すように言う。
 自分の行動がきっかけで捕まった男が、獄中自殺。
 悪人だったとはいえ、平和の国日本で生まれた俺からすれば、目覚めが悪い話である。
 俺の心の機微は、みんなにバレているらしい。
「……大丈夫だ。それが、奴自身が選んだ道ということだろう」
「うんうん! それがいいよ。さ、今日はどうする?」
 気持ちを切り替えよう。それが一番だ。
 リズがこれ以上引きずらないように話題を変えてくれる。
「ああ。今日はヴィヴィの店に行こうと思ってる。『灼炎の祠』から『風神の谷』までに得た魔物素材を換金しようと思ってな」
「うん! 賛成! あたしもかなり素材が溜まってるからね」
「私もだ。これだけ売れば大金持ちになれるかもしれん」
「私もかなり溜まっていますね。断捨離のような感じで、スッキリしたいです」
 俺の言葉に、リズ、キアラ、セーラが力強く頷く。
「ご主人様がリッチになるなら、あたしらも嬉しいぜ!」
「……嬉しいぜ!」
 ロウナとシレイドが笑う。
 レアードのこともあり、エルゼリア商会会長のヴィヴィの様子も気になるからな。
 素材換金の名目で、顔を見に行くとしよう。
 俺たちはヴィヴィの店『白兎の福耳』に向かった。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話

カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 チートなんてない。 日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。 自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。 魔法?生活魔法しか使えませんけど。 物作り?こんな田舎で何ができるんだ。 狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。 そんな僕も15歳。成人の年になる。 何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。 こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。 になればいいと思っています。 皆様の感想。いただけたら嬉しいです。 面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。 よろしくお願いします! カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。 続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...