【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第10章:ルクシアの町と女を忘れたギルド団長編

第10話:スタンピード

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 翌日、朝飯を食べた俺たちは、何か簡単なクエストや攻略に適したダンジョンがないか確認するため、ギルドを訪れた。
「ふあぁああぁ~」
「なぁに、レオ? 寝不足?」
 俺の欠伸を見て、リズが尋ねてくる。
「ん? まぁそんなところだ」
 チラリとセーラを見ると、視線を合わせてニッコリと微笑んでくれる。
 彼女も昨日の情事を思い出したのか、少し頬が赤い。
 まあ、幸せな疲れだし。こんな気怠さなら大歓迎である。
 早速、クエスト掲示板を覗いていると、ギルドの入り口から兵士らしき男が飛び込んでくる。
「た、たたた、大変だぁー!!!!」
「ど、どうしたんですか? 一体!?」
 そばにいたギルド職員が、息をあげながら飛び込んできた兵士に尋ねる。
「ルクシアで『魔物の大量発生(スタンピード)』が起こった!! 被害規模は不明だが、町が今まさに襲われてる!!」
「な、なんだって!!!?」
 ギルド内の空気が凍り、一気に張り詰めた。

 俺はたまらず兵士の肩をつかむ。
「ど、どういうことだ!? 今、どういう状況なんだ!?」
「わ、分からねぇ……!! 平原や森の魔物たちが一斉に町に向かってきて……!! 危険度は低い魔物たちだが、あんなに大量に来られたら……初心者しかいねえあの町は持つかどうか……!! 俺はギルドのウルスさんに命じられて、グリフォンを飛ばしてきたんだ……!!」
 思わず嫌な汗が噴き出る。
 あそこには、俺の彼女がたくさんいる。
 早く助けに行かないと!!
「リズ、シレイド、キアラ、セーラ、ロウナ! すぐに戦えるか!?」
「もちろんだよ!!」
「ん……!!」
「ああ!」
「はいっ!」
「あったりまえだ!!」
 五人が首肯する。
 早速、ワープをルクシアに繋ごうとする……が。
「繋がらない……!?」
「おそらく、町に瘴気が立ち込めてしまっているのだろう」
 ギルドの奥から、エルゼリアギルド団長のゼルフィアが出てくる。
「レオ、とりあえず町から離れた平原を探って繋げ。どこかしら瘴気の隙間があるはずだ。チェリー、ギルド内にいる冒険者を緊急招集しろ。酒場で酔っているやつも引っ張ってこい。緊急事態だ。できるだけ大人数をルクシアに送り込むぞ」
「ああ!!」
「は、はいぃ!!」
 みんな、無事でいてくれ……!!
 彼女たちの無事を願いながら、必死で瘴気の隙間を探す。

 それから一〇分、俺はなんとかワープが繋がりそうな場所を探している。
 グリフォンでは小人数しか移動できない上、時間がかかる。
 とにかく、死に物狂いで俺のワープを使うしかなかった。
 ギルドでは、屈強で頼もしい冒険者たちが俺のワープを待ってくれている。
「レオ君、頑張って……!!」
 その中には、ハルカたち『赤の女王』もいた。
「焦るな。平原のどこかに穴はないか、慎重に探査するんだ。すべてはお前にかかっている」
 ゼルフィアさんも優しく応援してくれる。
「お願い、繋がって……!!」
 リズたちも祈るように固唾を飲んでいた。
「ゼルフィア団長……とりあえずぅ、今集められるだけの冒険者は集めましたぁ。町の騎士団もいくらか協力してくれるようですぅ」
「そうか……『流星の王』と『黒い死神』のメンバーが遠征中なのは痛いな」
 チェリーの言葉にゼルフィアがギリッと歯噛みする。
「……見えた!! ワープ、繋がります!!」
 白い空間がぼわっと広がり、ルクシアへと繋がる。
「よし!! 皆の者、急いで中に入れ!! 入った瞬間戦闘もあり得る!! 油断するな!!」
「「「「「「うおおおおおっ!! 行くぞ、野郎ども!!」」」」」」
 ゼルフィアの号令で、冒険者と騎士たちが続々とワープの中に突撃していく。
「私たちもいくよ!!」
 ハルカたちも突入した。
「よし! 全員入ったぜ!! ご主人様!! あたしらも行こう!!」
「ああ!!」
 ロウナの力強い発言に頷く。
 皆がワープ空間に入った後、俺たちも急いでルクシアへと向かった。

 ワープが繋がった先は、ルクシア平原の外れ。
 おびただしい数の魔物たちが、町に向かって進行している。
 町の方は、すでに火の手が回っているようだ。
 予想以上に魔物の数が多く、先に入った冒険者たちは早速、魔物との戦闘に身を投じている。
「わわわ、すごい数!!」
「ん……平原なのに森の魔物もたくさんいる」
「危険度がそんなに高そうじゃないのが救いですね……」
 リズ、シレイド、セーラが言う。
 見える魔物はスライム、ゴブリンが多い。
 イエロービー、レッドビー、オークなどの森の魔物も目に付く。
「皆!! ルクシアの町に急ぐぞ!!」
 ゼルフィアが号令をかけると、地鳴りのような返事をしながら冒険者たちは魔物を撃破して進軍する。
「レオ君!! 町に急ぐよ!!」
「後れを取るなよ!!」
「やれやれ、雑魚魔物が沢山いますね。さっさと燃えてもらいましょう!!」
 ハルカ、カリーナ、ケイティが特攻していく。
「はあああっ!!」
「おらあああああっ!!」
 キアラとロウナが先行して魔物を倒し、道を作ってくれている。
「よし!! 行くぞ!!」
 俺は五人に声をかけながら、戦火の中に飛び込んでいく。

 魔物を狩って進んで、狩って進んでを繰り返す。
 通常、一五分もあれば町に着くのに、到着するのに三倍の時間がかかってしまった。
 怪我こそないものの、戦闘回数がこうも多ければ疲弊してしまう。
 ルクシアの町に入ると、すでに町は様変わりしていた。
 壊れている建物、あらゆるところから火の手が上がっている。
 魔物の数は平原よりも多く、町の中なのに瘴気もビンビン感じる。
 やはり、魔物たちの狙いはルクシアだったようだ。
 村の住人や冒険者らしき人たちも何人か、倒れて動かなくなっている。
 ゼルフィアの指揮のもと、懸命に周辺の魔物とエルゼリアの冒険者や騎士たちが戦っている。
「……サマンサ、ラズベリー、ミレーユ、ルーティア……みんな無事でいてくれ……!!」
 彼女たちの名前を呟き、無事を祈る。
「レオ君!!」
 聞き覚えがある声に呼ばれる。
「ウルス副団長!!」
「来てくれたか……賭けだったがやはり、グリフォンで部下をエルゼリアに飛ばして正解だった。君がワープを使えることは知っていたからね……望みをかけて良かった」
 大斧を持ち、全身傷だらけのウルス団長が駆け寄ってきてくれる。
「おお!! レオじゃねえか!! お仲間いっぱい引き連れてきてくれて……たーっはっは!! これで戦況をひっくり返せるぜ!!」
 ウルスの隣でグレゴが豪快に笑う。
「良かった……二人とも無事で……!! そうだ!! ラズベリーたちは!?」
「町の奥にある教会に避難している。町の住人もだ……そうだ、君の恋人の平原の外れの牧場主サマンサも一緒だ。なんでも、商品を卸しに来て巻き込まれたらしい」
「そうですか……!! 生きているならそれでいいです!! すぐに向かいます!!」
 ウルス副団長の言葉に思わず胸を撫でおろす。
「ん……ご主人様、教会に急ぐ……!!」
「うん! レオ、その方がいいよ!! 教会の周辺に沢山の魔物反応がある!!」
 シレイドとリズが言う。
「行きたまえ、レオ君。ここは私たちが引き受ける!」
「あそこには俺のかあちゃんと娘もいるはずだ。頼むぜ、レオ」
「ああ、分かった!! ありがとう、二人とも!!」
 ウルスとグレゴにお礼を言い、俺たちはルクシアの町の教会へと向かった。
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